青木香奈子がこだわるウェア/“アオカナ”のデサントものづくり体験記

女子ゴルファーの青木香奈子プロが出身地、宮崎県にあるデサントアパレル西都工場を訪問した。ツアールーキーとして下部ツアー1勝を挙げ、“アオカナ”の愛称で今シーズン最も注目を集める新人のひとり。工場では実際にデサントが誇る接着技術などのモノづくりを体験。さらに自身のデサントゴルフへの思い、ウェアへのこだわりを語り尽くした。
■デサントとの出会いは“疑い”からスタート!?

<ザンダー・シャウフェレらも着用、日本だけでなくアジアや世界でファンを拡大中のデサントとの契約には意外な経緯があったよう>
デサントゴルフのウェアを着るようになったのは、今から3、4年ぐらい前。スタイリッシュなデザインが好きで、自分で購入したり、同じ宮崎県出身の柏原明日架さんからいただいたり。それをインスタグラムに載せたりしていました。契約のきっかけは、昨年のプロテスト第2次予選の前に、担当者の方からインスタにダイレクトメールをいただいたこと。その後プロテストに合格して契約してもらいました。

デサントと契約している女子選手(ダニエル・カン、渡邉彩香、柏原明日架、荒川怜郁、オリビア・コワン)って、皆さんスタイリッシュでカッコいいじゃないですか。身長が高くて、スラッとしているイメージ。私が一番身長が低いんです(166cm)。その中に自分も加えていただいたのはものすごくうれしい。
実は、最初に連絡をいただいたとき、本当にデサントの方からなのかなと疑っていたんです(笑)。その頃って、結構イタズラのDM(ダイレクトメール)が来ていて、そのたぐいかなと。私なりに慎重に精査して(笑)、連絡しました。今にして思えば、疑ったこと自体が本当に失礼だと反省しています。でも、信じてよかった。
■ミシン5台を一人で!? 工場で感じた職人技と最新技術
<西都工場は競泳用水着やゴルフのスラックス、カットソーなどの軽衣料をメインに生産しており、訪問した日は競泳用水着を主につくっていた。同工場は現在110人の従業員が勤務し、裁断から縫製、接着、刺繍などが分業制で行われている>
デサントアパレル西都工場に来たのは初めて。3つある工場の1つが地元宮崎にあるのは、縁ですよね。ゴルフしかやってきていないので、撮影などで、いろんな方の職業を見たり、聞いたりする機会が増えて、とても勉強になります。
全部手作業で、皆さん立ったままで、人によっては1人でミシンを5台も操作したり、本当にすごい。私は家庭科のミシンぐらいしかやったことがないので(笑)、なおさら尊敬します。超音波を使った機械とか、最新技術もあって、品質の高いウェアが生産される理由はそこにあるんだなと改めて感心しました。感動したのは接着の技術。糸で縫い合わせることなく、超音波で生地と生地をくっつけて1枚の生地みたいにしてしまうなんて驚きでした。
ウェアにつけるマークや文字などを刺繍する機械もすぐ近くで見たんですが、すっごい数を刺すんですよ。縫う回数が多すぎると刺繍部分が硬くなってしまうし、逆に少な過ぎてもまばらに見えてしまうそう。縫う数も絶妙なんだなあ。自分のウェアに刺繍が入っているのを見たら、今まで以上に感謝しながら着たいと思いますね。