シャフトメーカーのフジクラが“地元”のジュニアゴルファー活性化のために本気で取り組む大会とは
ジュニアもリシャフトするのが当たり前!?
ひと昔前なら、シャフトにこだわるジュニアはそれほど多くはなかった。ましてや、小中学生ともなればなおさらだ。しかし、最近のジュニアの考えは少し異なる。今大会がシャフトメーカーである藤倉コンポジットが主催しているからかもしれないが、多くの選手が同社のシャフトを使用していた。たまたま購入したクラブに同社のシャフトが装着されていたからではない。あえてリシャフトしているというから驚く。
「大会前日にゴルフショップを見つけてウッドのシャフトを替えました。AIR SPEEDERのX-PLUSです。今までのシャフトが軟らかく感じて、タイミングが合いづらくなっていたので替えました」とは、この4月から中学生になる選手のコメントだ。ほかの中学生にも聞いてみると、「フジクラのシャフトは振り抜きがいいので選んでいます」との答えが返ってきた。

新製品となると高価だけあって、そう簡単にリシャフトできるわけではないと話す親もいたが、フジクラのツアーレップ、近藤誠親氏によれば、小学生の全国大会では全体の8割ぐらいがリシャフトしている印象だという。「早い段階から自分のスイングに合ったシャフトを選ぶ傾向はありますね」とトレンドを語る。
中学生と高校生男子の最上位者は福島県オープンに出場

好天にも恵まれ、大盛況のうちに幕を閉じた今年の『Fujikura東北ジュニアカップ』。優勝者にはフジクラシャフトのリシャフト券など賞品のほか、プライスレスなプレゼントがあった。中学生の部と高校生の部で最上位となった男子は、福島県オープンに特別推薦選手として出場できるのだ。プロと同組で緊張感のあるラウンドを経験できるだけでなく、同大会でジュニア1位となれば、JGTOのACNツアー「ダンロップフェニックストーナメントチャレンジinふくしま」に出場できる。さらには、JGTOツアーの「ダンロップフェニックス」にも通じているため、夢は大きく広がる。

また、中学生の部と高校生の部を合わせて最上位となった男子と女子は、年末の恒例大会スピーダーチャレンジ決勝大会に特別推薦選手として出場できる。ツアーで活躍する男子プロと女子プロも出場する大会で得るものはこちらも大きい。
近藤氏は「レベル的には全国トップクラスの選手もいますし、将来が楽しみな選手も参加しています。今後は女子にもステップアップツアーなど次につながる試合に出場できる権利を与えられるといいですね」と大会の将来を展望する。

女子はもちろん、男子も若い世代が台頭している国内ツアー。ジュニアゴルファーのレベルアップがその要因のひとつであることは間違いない。ゴルフ界の底辺拡大だけでなく、世界のゴルフに近づくためにも、こういった大会の継続は欠かせない。
(撮影:角田慎太郎)