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フジクラ特集
2025/09/29

清本美波が活路を見出した『NEW MCI』の進化と実力

連載:老舗シャフトメーカーが誇る伝統と新たな血統

■「80S」よりも「70R」がフィット

2025年 フジクラ特集 清本が感じた「NEW MCI」のフィーリングとは
清本が感じた「NEW MCI」のフィーリングとは

なぜ「NEW MCI」の70Rが清本のスイングに合ったのだろうか。近藤氏も初代MCIなら70グラム台は勧めなかったという。「初代は70グラム台以下が先中調子だったので、ボールがつかまりやすい傾向にあったのですが、『NEW MCI』は70グラム台でも中調子なのでつかまり過ぎず、スピン量も増える傾向にあったからです」

清本自身もシャフトの重いほうがスピン量が増えてボールが高く上がると思っていただけに、まさか軽いほうがスピン量が多くなるとは考えてもみなかったという。

さらに、フレックスSからRになってシャフトがしなり過ぎるのではないかと心配したが、「振ったときのしっかり感を残しつつ、ダウンスイングの切り返しでタメをつくれるので驚きました」と振り返る。実はその清本が感じたフィーリングこそ、「NEW MCI」の特徴でもある。

2025年 フジクラ特集 最新のテクノロジーを搭載し、高いスピン性能と滑らかな振り心地を実現した「NEW MCI」
最新のテクノロジーを搭載し、高いスピン性能と滑らかな振り心地を実現した「NEW MCI」

初代MCIは「MCT」と呼ばれるカーボンファイバーと金属を組み合わせた特殊な技術を使うことで、カーボンシャフトの利点とスチールシャフトの利点を両立させている。その特性を活かしつつ、「SPEEDER NX VIOLET」に搭載して好評だった「DHX」の技術を新たに加えた。DHXとは、従来のカーボン層に新たなカーボン層を加え、ヘッドスピードを向上させた技術だ。

初代MCIの発売から13年の時を経て「NEW MCI」が生まれたわけだが、初代の完成度が高かっただけに、それを越えるだけの品質が求められていた。DHXとの融合により、高スピン&究極の振り心地が完成した。

■初めて握ったクラブにMCIが装着されていた

2025年 フジクラ特集 フジクラシャフトとのかかわりは6歳でゴルフを始めたころから
フジクラシャフトとのかかわりは6歳でゴルフを始めたころから

振り返ってみれば、清本のゴルフ人生において、フジクラシャフトとの関わり合いは深い。なんとゴルフを始めた6歳から、フジクラシャフトを使用していたという。「知り合いからのお下がりでしたが、ウッド系にはDIAMOND SPEEDER、アイアンには初代MCIが装着されていました」

その後、中1で出場した藤倉コンポジットが主催する第1回「SPEEDER CHALLENGE」ジュニアシングルス選手権で優勝。賞品としてシャフト引換券を獲得し、自分に合ったスペックの初代MCIにリシャフトした。さらに翌年も同じ大会で優勝し、新調したアイアンのヘッドにやはり初代MCIを装着。そのままプロに転向してからも使い続けたという。

近藤氏とは当時から面識があっただけに、ツアーで戦うようになっても気にかけてもらうことができた。清本がスピン量に対する悩みを相談していたからこそ、「NEW MCI」を真っ先に手渡してくれたのだ。

■フェードにもドローにも対応できるシャフト

2025年 フジクラ特集 新しい武器でハードルを乗り越え
新しい武器でハードルを乗り越え

新しい武器を手に悩みを解決した清本だが、昨今の国内女子ツアーも甘くはない。そう簡単に予選を通過できず、結果を出すにはもうしばらく時間がかかりそうだ。とはいえ、解決策が見えない真っ暗な道を歩いている状態から抜け出せたことは間違いない。今後は来季に向けてのQTなど乗り越えなければならないハードルはいくつもあるが、それを越えるだけの準備は整った。

2025年 フジクラ特集 新しい武器が飛躍へと導く
新しい武器が飛躍へと導く

将来的にはJLPGAツアーの上位で戦える選手になるという目標を掲げている。できれば攻めのゴルフを身上とするだけに、バーディを数多く取るプレーでギャラリーにアピールしたい気持ちはある。アイアンショットだけでなく、ドライバーショットやパッティングの精度も上げていかなければ、理想のゴルフができないことは承知している。しかし、目の前の壁が高いほど、それを越えたときに得られる実力も大きいはず。まだプロに転向して3年目の20歳。清本のツアープロ人生はこれからが本番だ。

2025年 フジクラ特集

清本美波(きよもと・みなみ)
2005年8月29日生まれ。愛知県出身。6歳でゴルフを始め、2023年のプロテストにトップ合格。2024年から国内女子ツアーに参戦。2024年のファイナルQTで25位となり、2025年シーズン前半戦の出場権を得た。目標とするプロはタイガー・ウッズ。近い将来、五輪に出場したい野望を持つ。リフレッシュ法は足つぼマッサージ。今一番やりたいことはバンジージャンプで、「成功させて人生を変えるほど強くなりたい」。ジェイテクト所属。

撮影:落合隆仁
協力:箱根湖畔ゴルフコース

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