顔の良さとつかまり過ぎない性能 やっぱり「GT」がイイ!? タイトリスト「GT2/3/4」を比較試打

外ブラ1W研究
SPEEDER NX VIOLET・60Xで「GT2」「GT3」「GT4」を比較試打

25年モデルの大手外ブラドライバーが出そろい、どれを購入するか迷っている読者も多いことだろう。本特集では5メーカーの新作ドライバーを、ドライバー職人・野仲茂がコースでテストし、弾道計測器でデータを測定した。商品購入の際に参考になれば幸いだ。5回目は、昨年8月にデビューしてからツアープロが続々とスイッチ、契約外のプロもバッグインするなど話題をさらうタイトリストの「GT」ドライバーの3モデル。

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「GT」シリーズの飛びの違いはどこに!?

今回のテストは、中調子でクセがない藤倉コンポジット「SPEEDER NX VIOLET(スピーダー エヌエックス バイオレット)」(60・X、長さは45インチ)を挿し、ボールはタイトリスト「PRO V1x」で統一。本コースで球を打ち、弾道追尾式の計測器「トラックマン」でデータを測った。シャフトとボールをテスター・野仲茂が実際に使う仕様にできるだけ合わせ、「GT2」「GT3」「GT4」のヘッド特性の違いをあぶり出した。

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2025年外ブラドライバー“一斉計測”
本特集の基準値となる野仲の「パラダイム Ai-SMOKE ◆◆◆ MAX」。低スピンの中弾道フェードで、キャリーは約240yd

直線的な弾道でキャリーが伸びたGT2

契約プロの使用率が特に高いGT2(10度)から試打がスタート。すると、マイドライバーよりも打ち出し高さがやや収まりつつ、スピンが少し入って中弾道のややフェードに。キャリーは245ydに達した。

「イメージ通りの弾道です。打感はややハジいてボールをしっかり押す手ごたえ。見た感じは横長のヘッドで、後方のヒール側が絞れているぶん“頂点”がトウ側にあるように見えます。タイトリストらしいシンプルな顔がいいですね」(野仲茂、以下同)

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試打ヘッドのロフトは10度

10度ヘッドの実測データによると、重心深度(40.9mm)や重心距離(39.8mm)、重心角(25.4度)などは平均的なデータが並ぶ。ただし、フェースアングルがかなりオープン(ー5.7度)なので、球が左に行く気配はない。ミスの許容性がありつつコントロールしやすいバランスの良さが、トッププレーヤーにウケている理由か。

ヘッドの実測値はこちらの記事を参照。
タイトリスト「GT2/3/4」を一斉計測

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GT3はイメージした弾道でコースを攻略できる

「小ぶりな“美人顔”でありプロ好みのルックスで構えやすい、叩けるイメージのドライバーです」と野仲が言うGT3をチェックしよう。弾道データを見るとGT2より打ち出し高さがやや抑えられたが、スピンはほぼ同量。“中弾道フェード”の飛びざまだ。

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試打ヘッドのロフトは10度

「スピンが少なめで初速が出ている手ごたえがします。打感は硬くもなく柔らかくもなく中間的。そして、いつも同じ球が出るので安心感があります。このヘッドはやや“面長”だから、トウ側やヒール側に打点を打ち分けて球をコントロールしやすい。操作しやすくて“細工”がしやすいヘッドなので、左右が狭いホールでも持ち球(フェード)で攻められるでしょう。イメージとしては、ちょい左めに打ち出して右に戻す弾道ですね」

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GT3は打点を変えて球を打ち分けることも可能だと野仲は言う

9度ヘッドの計測データによれば、フェースアングルがオープン(ー5度)で重心角が小さい(19.7度)ことにより、球のつかまりが抑えられている。また、重心高2が長い(25.3mm)ことで、スピンを抑えた球が打ちやすい。特筆すべきは、大MOI化が進む昨今のドライバーのなかにあって、重心深度が浅くて(34.4mm)、重心距離が短め(38.5mm)のヘッドは異彩を放っている。それによって、野仲が言う「コントロールしやすいヘッド」になった。

小ぶりで操りやすく、低スピンのフェードで飛ぶGT4

そのGT3よりもヘッドがひと回りコンパクトで、浅め重心(35.8mm)&短め重心(38.1mm)かつ重心角が小さい(20度)モデルがGT4だ。弾道データを見ると3モデルのなかでは打ち出しが高めだが、スピンが最も少なくてランを稼ぐ“パワーフェード”になった。

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試打ヘッドのロフトは10度

「見るからにコンパクトで、そのぶんディープフェースに見えます。操作したくなる小顔で、球筋を作ってコースを攻めるテクニシャンに向いているでしょう。小ぶりなだけにスイング中の空気抵抗が少なそうで“シュッ”という風切り音が聞こえます。実際のところ、ドロー・フェードを打ち分けやすいし、スピンが少なくてつかまりが抑えられているので、ハードヒッターが叩きにいって飛ばせます。思いのほか、インパクト音が高いですね」

操作性に優れスクエアにインパクトしやすい

GTシリーズの3モデルを打ち終えて分かったのが「顔の良さ」と「つかまり過ぎない」という共通点があることだ。

「どのモデルも、昔ながらのシンプルな“タイト顔”で構えやすいし、弾道を打ち分けたくなる顔つきです。例えば、トップラインとリーディングエッジが平行にそろっていてバランスがいいので、ターゲットへ向きやすいしコントロールしやすいんです」。しかも、昨今のPGAツアーでは“飛ぶフェード”が主流になっているが「球がつかまり過ぎないところも、世界のトッププレーヤーがGTシリーズを手にするポイントじゃないでしょうか」と言う。

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トップラインとリーディングエッジが平行に見える精緻な作り

ヘッドの実測データからもGTシリーズの特徴が見える。3モデルいずれも左右MOIが4000 g・cm2台に抑えられていることだ。今どきの“極大MOI”を追求したドライバーはミスヒットに大きな寛容性を示す半面、フェースが返りづらくて扱いにくさを感じているゴルファーは少なくない。しかしGTシリーズはMOIが大きすぎず、重心深度や重心距離が抑えられている。それによって小回りが利くし、スクエアにインパクトしやすいという利点がある。そして飛ぶ。

他の外ブラ勢のドライバーを使ってみたけれど「やっぱり『GT』がいい」という“揺り戻し現象”が起こり、ロングセラーモデルになるかもしれない。

取材協力:横浜カントリークラブ

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