気づけば好きになっている!ホンダ「ZR-V」の語り尽くせぬ魅力とは/クルマはゴルフギアである #6

クルマはゴルフギアである
ホンダ ZR-V

「AT車であっても、自分で変速して運転しています」という類まれなクルマ好きである安東弘樹氏に、大人ゴルファーの“持ち物”としてのクルマ選びを提案いただく本連載。車体価格や維持費だけにとらわれず、所有し使うことでオーナーが豊かになれるクルマが選出条件だ。今回氏はホンダのSUV「ZR-V」を強く推す。(構成/編集部・中島俊介)

クルマはゴルフギアである
日本車にはあまりない雰囲気が魅力

気付くと好きになっている

ZR-Vを選んだのは、数少ない“シック”な日本車”だと思ったからです。人気のある日本車はポップかスポーティー、どちらかの雰囲気をまとっているものが多いのですが、ZR-Vはそのどちらでもない、実に大人っぽいクルマです。エクステリアデザインには派手さがなく、好みが分かれるところ。私も初見では少しの違和感を覚えましたが、数日乗ってみると徐々になじんできて、気付くと大好きになっていました。

インテリアも素晴らしいです。ソフトパッドに覆われているので質感や触感が心地よく、選べるカラーも大人っぽいものばかり。華美ではないが重厚感にあふれ、スポーティネスとラグジュアリーが同居した稀有な日本車ではないでしょうか。

運転好きも楽しめそう

走行性能面でも魅力が多いです。私が推薦したいのは「e:HEV」というハイブリッドモデルで、特に高速走行時に良く効くんです。ホンダのハイブリッド車はほとんどの速度域においてモーター駆動で走行できるのですが、高速走行時の限られた場合だけ、エンジンがタイヤを直接駆動します。このレスポンスが非常に心地よく制御されており、モーターとエンジンの美点をそれぞれ確実に感じられます。

クルマはゴルフギアである
足回りの設計もぬかりなく、安定してカーブを曲がれる

パドルによって回生量が選べるので加減速も自由自在、運転好きの方も満足できると思います。一日で1000km運転することもある私が保証します。CVT(無段変速機)のダイレクト感がある制御や足回りも上質な走りをしっかりサポートしており、エンジン回転数が上がってくると、官能的とまではいきませんが、“快音”と表現していい音が車内に響いてきます。ゴルフ場への移動が楽に、そして楽しい時間になること間違いありません。

プリウスに劣らぬ燃費性能

ZR-Vは2023年に発売されました。この年の「日本カー・オブ・ザ・イヤー」のイヤーカーはトヨタ「プリウス」が受賞したのですが、私はZR-Vに投票しました。ホンダのSUVといえば中型の「ヴェゼル」が人気でよく売れているのですが、その上のクラスとして開発されたZR-Vに感銘を受けたのがその理由。新しいカテゴリーを作ろうというホンダ開発陣の気概や魂を感じたのです。ご存じの通りプリウスも素晴らしいクルマですが、代替わりのプリウスと比べて、新型車のZR-Vに私は票を投じたわけです。

クルマはゴルフギアである
エンジン回転数を上げると快音が聞こえてくる

プリウスは低燃費車として有名ですが、私はZR-Vとプリウスを同じルートで走行し、燃費を算出してみました。すると驚くなかれ、ZR-Vはプリウスにほんのわずか(コンマ数km/L)劣るくらいの好燃費(約18km/L)をたたき出したのです。大きな体躯のSUVで、プリウスと燃費がほぼ変わらない、そして内外装の雰囲気や走りも満足できる。この年の一番はZR-Vしかないと思いました。

一度試乗してみては?

ZR-Vは、良くも悪くも路上で見かける数は少ないです。そんなに目立たないのですが、実は“隠れた名車”と呼んで差し支えない魅力を持っていると私は思います。値段が多少高いという声もあるようですが、悪目立ちを嫌う大人のゴルファーが乗るクルマとして大きな魅力があるでしょう。ゴルファーの皆様にぜひとも一度乗ってみてほしい1台です。

<Specification>
ZR-V e:HEV Z
●全長×全幅×全高:4,570mm×1,840mm×1,620mm
●乗車定員:5名
●車両重量:1,630kg
●駆動方式:4WD
●エンジン:直列4気筒
-最高出力:104kw(141PS)/6,000rpm
-最大トルク:182Nm/4,500rpm
●電気モーター:交流同期電動機
-最高出力:135kw(184PS)/5,000~6,000rpm
-最大トルク:315Nm/0~2,000rpm
●燃料消費率:21.5km/L(WLTCモード)
●車両本体価格:4,455,000円(税込)
※試乗車価格:4,637,600円(税込)

イラスト:酒井恵理
写真:篠原晃一
取材協力:カレドニアン・ゴルフクラブ

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安東弘樹氏

安東弘樹(あんどう ひろき) プロフィール

元TBSアナウンサーにして大のクルマ好き、いや“クルマ狂”。50台ほどのクルマを乗り継ぎ、TBS勤務時代から自動車ローンが途切れたことがないという。独自の視点から切り込む自動車関連のコラムを各種媒体で連載中。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員で日本自動車ジャーナリスト協会会員。

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