ハイブリッド化&新デザイン スバル「フォレスター」が中も外もズバッと一新!/クルマはゴルフギアである #5

クルマはゴルフギアである
スバル「フォレスター Premium S:HEV EX」

「エンジン内部で動くピストンを想像してアクセルを踏んでいます」という類まれなクルマ好きである安東弘樹氏に、大人ゴルファーの“持ち物”としてのクルマ選びを提案いただく本連載。車体価格や維持費だけにとらわれず、所有し使うことでオーナーが豊かになれるクルマが選出条件だ。今回氏はスバルのSUV「フォレスター」を指名した。(構成/編集部・中島俊介)

注目すべきは都会的なエクステリア

新型フォレスターをゴルファーの皆様に推薦したい理由は、ひとえにソフィスティケートされたからです。オフロードを走破できる力強さを湛えた旧型とはデザイン言語が異なり、新型で都会を流しても違和感は全くありません。野暮ったさがなくなり、ゴルフ場のクラブハウスによく映えるでしょう。新型登場時の常で賛否はあるのですが、スバルのデザイナーさんたちが仕上げたすばらしいエクステリアを私は称賛したい気持ちでいっぱいです。

クルマはゴルフギアである
都会的なエクステリアはどんなゴルフ場ともマッチする
クルマはゴルフギアである
旧型に見慣れているとフォレスターとは気づかない…かも

スバルの考える走りの流儀

走りの面でも大きな変化があります。それはストロングハイブリッド(モーターだけでも走行できるハイブリッドシステム)を搭載したこと。フォレスターには純エンジンを積むグレードもありますし、「クロストレック」という別車種にもストロングハイブリッドはあります。ですが、本格SUVであるフォレスターに積まれたことに意味があるのです。実燃費はリッター15kmくらいで、現代的な基準に照らすとものすごく良いわけではないのですが、旧型比では大きな改善を遂げていると言えるでしょう。

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フォレスター Premium S:HEV EXのエンジンルーム

そのハイブリッドシステムは「THS(Toyota Hybrid System)」というトヨタ製のものを使っているのですが、エンジンや駆動方式はスバルがこれまで培ってきたものを踏襲しています。エンジンは水平対向方式。ピストンが水平にセットされるためエンジンを低く作れることから、低重心かつ左右対称に重量物を配置でき、車体のバランスが良いことをセールスポイントとしています。

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使い勝手が良く清潔感のあるインテリア

4WDは決して譲れない

そして、スバルと言えば4WD。AWD(All Wheel Drive)とも言いますが、スバルは「常時全輪駆動」であることを強調します。THSを使ったトヨタの4WD車は、後輪への駆動力を常にはデリバリーしていません。発進時や滑りそうになったときにコンピュータ制御により後輪を“必要な分だけ”モーター駆動するオンデマンド式の4WDです。高速道路走行時などは負荷が小さいので前輪だけで走行し、駆動ロスを減らして燃費を稼ぐ。しかしスバル車はエンジンの出力をプロペラシャフトで後輪に直結し、常に4輪を駆動させます。

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常に4輪を駆動するのでカーブを曲がる時の安定感も高い

2輪駆動車に比べると抵抗が大きく燃費の上では不利なのですが、雪道や砂利道など悪路を走るときはもちろん、高速道路でのスタビリティも実は高く、快適に長距離を移動できると私は感じています。ここはメーカーの思想の差異が現れるところですが、スバルの、ある意味で頑固な姿勢を熱烈に支持するファンも多数います。

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無段変速機のCVTにスバルは“段”を持たせ、パドルで変速できる。ダイレクト感も高い

スバルは、自慢の4WDシステムが安全にも寄与すると主張します。4輪すべてが常に駆動するので2輪駆動に比べて安定感が高く、外乱に強い。さらに「アイサイト」と呼ばれる優れた運転支援システムにより、実に安全に運転できるのです。車間距離や速度の調整などの制御が優れており、上手くできているなあと乗るたびに感心してしまいます。ひとつの見方としては、多少の駆動ロスを認めたうえで、安心と安全をユーザーに提供するメーカーなのかなとも思います。

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高速道路を4WDで走ると高い安定感を感じられるはずです

“4人+4バッグ”が可能

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ツアーバッグ4本を飲み込む“実力派”

ゴルフバッグの積載については、私が試乗時に見た感じでは2本を積んで2人でゴルフに行くのに適しているのかなと思ったのですが、スタッフがやってみたところ、4本をしっかり積めたそうです。利便性を犠牲にしないあたりは、さすがスバル車ですね。高速道路でのスタビリティに優れ、荷物が積め、燃費は旧作を上回る。新型フォレスターはゴルファーのためのクルマとして非常に価値のある1台だと思います。

<SPECIFICATION>
フォレスター Premium S:HEV EX
●全長×全幅×全高:4,655mm×1,830mm×1,730mm
●乗車定員:5名
●車両重量:1,780kg
●駆動方式:AWD
●WLTCモード燃費:18.4km/L
●エンジン:2.5L水平対向4気筒DOHC24バルブ
-最高出力:118kw(160PS)/5,600rpm
-最大トルク:209Nm/4,000~4,400rpm
●モーター:MC2・交流同期電動機
-最高出力:88kw(119.6PS)
-最大トルク:270Nm
●車両本体価格:5,181,000円(税込)

写真:篠原晃一
イラスト:酒井恵理
取材協力:カレドニアン・ゴルフクラブ

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安東弘樹氏

安東弘樹(あんどう ひろき) プロフィール

元TBSアナウンサーにして大のクルマ好き、いや“クルマ狂”。50台ほどのクルマを乗り継ぎ、TBS勤務時代から自動車ローンが途切れたことがないという。独自の視点から切り込む自動車関連のコラムを各種媒体で連載中。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員で日本自動車ジャーナリスト協会会員。

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