まさに名器誕生の予感 ニッポンが誇る至高の打感 「ミズノプロ S-3」アイアン
ミズノから新たなアイアン「ミズノプロ S-3」が誕生した。“S”は象徴を意味するシグネチャー(Signature)の頭文字で、ツアープロからのフィードバックとミズノが誇るクラフトマンの技術を融合させた、まさにミズノプロ王道モデル。すでに契約プロの平田憲聖や杉浦悠太が実戦投入して話題となっているアイアンがついにベールを脱ぐ。製品の特徴をギアの知識が豊富なミタさんが解説。飛距離性能、弾道、打感はアスリートゴルファーのコウタロウ(HS50m/s)とベテランゴルファーのシオさん(HS40m/s)が試打し、分析した。
他メーカーの軟鉄鍛造とは製法・素材・設計が全く違う
【ミタさん】
今回紹介するのはミズノファン待望の新アイアン「ミズノプロ S-3」です。
【シオさん】
「ミズノプロ」って響きがワクワクしますね。
【ミタさん】
選手からの評判も良く、契約プロの杉浦悠太や平田憲聖はすでに試合で使用しています。
【コウタロウ】
2人ともアイアンはずっと「JPX 923ツアー」でしたよね。
【ミタさん】
「JPX 923ツアー」は杉浦悠太、平田憲聖だけではなく海外のトップ選手も使っている名器です。「ミズノプロ S-3」はハーフキャビティのツアーモデルなので、「JPX 923ツアー」の後継モデルとも言えます。
【コウタロウ】
一番の魅力は何ですか?
【ミタさん】
ミズノと言えば、やっぱり打感です。
【シオさん】
最近は他のメーカーでも打感が良いハーフキャビティ系が人気ですよね。ブリヂストンとかスリクソンとか。
【ミタさん】
ただ、ミズノは製法も素材も設計も他メーカーとは違います。まず「グレインフローフォージドHD」製法という世界特許の鍛造製法。1本の丸棒をネックからフェースまで一体成型する製造工程です。
【コウタロウ】
ネックとフェースを一体成型するメリットは何ですか?
【ミタさん】
一体成型することによって、打感の生命線でもある鍛流線という金属組織が途切れない。それが打感の良さにつながっています。
【コウタロウ】
なるほど。あと軟鉄の素材も違うんですか?
【ミタさん】
一般的な軟鉄鍛造アイアンによく使われている「S25C」という素材があるのですが、ミズノはその素材から不純物をカットしたミズノ独自の「S25CM」を使っていることで、よりピュアな打感にしています。
【シオさん】
設計の違いは?
【ミタさん】
マッスルバックに近い打感にするためにキャビティ部分の肉厚を「JPX 923ツアー」よりも厚くしています。また、表面メッキの下地として銅下メッキを施しており、そうすることでフェース面でのボールの接触時間が通常より長く感じられ、打感が柔らかくなります。この銅下メッキはミズノの数多くの独自技術のひとつと言えます。
【コウタロウ】
打感へのこだわりすごいですね。
打感は頭一つ、二つ抜けてます!ソールの抜けも良かった。
【ミタさん】
打感はどうでしたか?
【コウタロウ】
めちゃくちゃイイですね。他メーカーの軟鉄鍛造アイアンも打感はいいけど、ミズノは何かが違う。頭一つ、二つくらい抜けています。
【シオさん】
柔らかいだけではなく、深みがあるのが気持ちいい。
【コウタロウ】
打感だけではなくて抜けも良かった。芝から打つと、スムーズにヘッドが抜けてくれそうです。
【ミタさん】
ソール形状も新しくなっていて、リーディングエッジとトレーリングエッジを削った「トリプルカットソール」を採用しています。これはツアープロのフィードバックから生まれた設計です。バウンスが効いているのでラフとかフェアウェイバンカーからも打ちやすいと思います。
【シオさん】
抜けの良さも打感の気持ち良さにつながっていた感じがします。打感の良さは想像していましたけど、想定外だったのは飛距離。私のヘッドスピードでも、キャリーで140ヤード飛びました。
【コウタロウ】
私も今使っているマッスルバックアイアンよりチョット飛んでいた。キャリーで3ヤードくらい。
【ミタさん】
7番のロフトは34度で、決して飛距離性能が高いモデルではありません。1ピースのセミキャビティらしい飛距離だと思いますよ。「JPX 923ツアー」と打ち比べるとどうでしたか?
【コウタロウ】
「JPX 923ツアー」の打感もいいけど、「ミズノプロ S-3」よりもちょっと硬さがある。「ミズノプロ S-3」は打感の厚みと柔らかさだけでも本当に心地いい。
【シオさん】
形状は似ているけど、「JPX 923ツアー」よりシャープな顔。ハーフキャビティだけど打感も性能もマッスルバックに近いと思います。
【ミタさん】
シグネチャーの名前の通り、「ミズノプロ S-3」はミズノ伝統のハーフキャビティアイアン。男子ツアーの選手が使うカテゴリーのアスリートモデルです。「JPX 923ツアー」の後継ですが、打感はマッスルバックの「ミズノプロ 241」に近い。操作性、スピンコントロール、そして打感にこだわる競技ゴルファーにオススメのモデル。ミスヒットに寛容なアイアンではないので、アベレージゴルファーにはシビアなモデルかも知れません。
【コウタロウ】
打感の良さは保証します!あとデザインもカッコイイ。バックフェースのランバードマークまで鍛造で作ってます。
まとめ
■ 試打したクラブのスペック
ミズノ ミズノプロ S-3アイアン
●ロフト角(7I):34度 ●シャフト:ダイナミックゴールド120 ●硬さ:S200
■ マイクラブ情報
シオさん:ピン G430 SFT ドライバー
●ロフト角:10.5度 ●シャフト:NSプロ レジオ フォーミュラ MB+ 55 ●硬さ:S
コウタロウ:ヤマハ RMX VD/X ドライバー
●ロフト角:9.5度 ●シャフト:VENTUS TR RED(ベンタス ティーアール レッド) 6 ●硬さ:X

ミタさん プロフィール
1978年生まれ。かつてのサッカー少年が父の影響でゴルフを始めたのは高校生のとき。2014年にゴルフテックに入社し、レッスンコーチ兼クラブフィッターとして活躍した。現在はギア知識を活かして、コンテンツの企画を担当。洋服や車など好きな「モノ」への探求心が人一倍強く、作り手の素材や製法へのこだわりが大好物。デニムやスニーカーへの知識も豊富。

コウタロウ プロフィール
1985年生まれ。「日本一の漫才師」を夢見た幼少期を経て、学生時代はゴルフに没頭。日本アマなどに出場した。日本プロゴルフ協会(PGA)ティーチングライセンスを取得した2012年にゴルフテックに入社。長年、レッスンコーチを務めていたが、現在はコンテンツに出たり、作ったりしている。ヘッドスピードは50m/s前後。持ち球はフェード。最近は四十肩との付き合い方を模索中。

シオさん プロフィール
1967年生まれ。GDOでは古参の編集部員。若い頃は小ぶりヘッドのドライバーとマッスルバックのアイアンを愛用していたが、近年ではミスに強く、飛ばせるギアを好んで使用している。ヘッドスピードは40m/s前後。ミドルアイアンでグリーンに止まる球が打てないことが最近の悩み。持ち球は低めのドロー。平均スコアは80くらい。