落下角「50度」超え連発 “飛び系”の進化が止まらない「プロギア 03」アイアン

新製品レポート「PRGR 03」
3年ぶりのリニューアルとなったPRGR「03アイアン」

2022年に発売された初代「プロギア03」アイアンは、圧倒的な飛距離性能と、スマートで構えやすい形状を両立し、アスリート志向のゴルファーからも高い支持を獲得。プロギアの中でもスマッシュヒット作となった。そして5月、その名作を継ぐ2代目「プロギア03」が、満を持して登場した。進化の具合はいかほどか?製品の特徴をギア知識が豊富なミタさんが解説。打感、構えやすさ、飛び性能をアスリートゴルファーのコウタロウ(HS50m/s)とベテランゴルファーのシオさん(HS40m/s)が試打し、分析した。

オーバルキャビティによる低重心化。面取りをしたワイドソール

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PRGRらしいシャープで綺麗な顔立ち(7番/26度)

【ミタさん】
今回紹介するのは「プロギア 03」です。シリーズで、一番人気があるアイアンです。

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【シオさん】
「プロギア 03」ってなぜ人気があるんですか?

【ミタさん】
「プロギアアイアンズシリーズ」は「00」から「05」まで全6モデルをラインアップしていますが、「03」は最もストロングロフトタイプのアイアン。いわゆる“飛び系アイアン”です。

【コウタロウ】
でも、最近は「飛び系アイアンだから売れる」という時代ではないですよね?

【ミタさん】
もちろん、ただの飛び系ではありません。初代の「プロギア 03」はスマートな形状なのに飛距離性能が高いところが評価されてロングセラーになりました。アベレージゴルファーやシニアゴルファーだけでなく、アスリートゴルファーからの評価も高かったです。

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今作のバックフェースはポケット部が見えない仕様

【シオさん】
たしかに初代の「プロギア 03」は飛距離性能と形状のバランスが絶妙でした。そこからさらに進化しているんですか?

【ミタさん】
前作まではポケットキャビティ構造だったのですが、今回はバックフェースを覆うような「オーバルキャビティデザイン」を採用したことで、重心の深さを維持しながらも、更なる低重心化・センター重心を達成しています。

【シオさん】
バックフェースの雰囲気がスッキリしましたね。

【ミタさん】
低重心化しただけではなくて、フェースのやや上側で打ったときの反発性能を高くしています。それと、フェース裏側の溝の本数を番手別に変えることでロングアイアンは初速を上げて、ショートアイアンになるほどコントロール性を重視した設計になっています。

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前作よりもリーディングエッジとトレーリングエッジがしっかりと面取りされている

【コウタロウ】
ソール幅は前作同様に広めで、いかにもやさしそう。

【ミタさん】
ワイドソールになっていますが、今作はリーディングエッジとトレーリングエッジを面取りしているので、抜けが良くなりました。

【シオさん】
飛び系アイアンで面取りしているのは珍しいですね。

気分はデシャンボー!7番アイアンで200ヤード飛んで落下角度が48度

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飛ぶだけじゃなく打点ブレにも強かった(コウタロウ)

【コウタロウ】
顔は前作よりもシャープになっていて、とても飛び系アイアンには見えません。「これで本当に飛ぶの?」と、疑いながら打ってました。

【ミタさん】
結果はどうでしたか?

【コウタロウ】
飛距離性能は流石ですね。7番で普通に200ヤード飛びます。9番でも160ヤードを超えていました。でも一番驚いたのは、前作よりも弾道が高くなっていること。グリーンをキャリーで狙う際、7番の落下角度で45度以上が目安ですが、これは48度以上ありました。

【ミタさん】
9番になると落下角度は50度以上でしたね。

【コウタロウ】
これだけの飛距離が出て、グリーンに止まってくれるとなると自分がデシャンボーになった気分です。これはスゴイ。初代のエッグアイアンくらいの衝撃でした。

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トータルパフォーマンスの高い飛び系アイアンです(コウタロウ)

【ミタさん】
今までの飛び系アイアンと何が違いましたか?

【コウタロウ】
よくある飛び系アイアンは低スピン弾道でボールが上がりきらず、グリーンを狙えるモデルが少ないのですが、「プロギア03」は初速と打ち出し角、スピン量のバランスで高さが取れている。ロフトが30度以上あるようなアイアンの弾道に近くなってきました。

【ミタさん】
前作の「03」と打ち比べても打ち出し角、スピン量が増えていましたね。今作の7番でのバックスピン量は約4500回転なので、“飛び系”のカテゴリーではスピン量は入っているほうだと思います。

【コウタロウ】
やはりスピン量があると、タテ距離が安定します。飛んだり、飛ばなかったりすることが少ないので、より実戦向きになったと思います。

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クロモリ材のフェースは弾く印象ですがこれは柔らかい打感が残ります(シオさん)

【ミタさん】
シオさんはどうでしたか?

【シオさん】
アドレスしたときはアスリートアイアンに見えるのに、打ってみたらやさしいし、飛びますね。コウタロウくんみたいに200ヤードは行かなくても、私が打っても7番でキャリー165ヤード、トータル180ヤードくらい飛びました。

【ミタさん】
シオさんも高さが出ていましたね。

【シオさん】
7番のロフトが26度とは思えないくらい高弾道でした。それと打感が良くなった。前作はポケットキャビティの弾き感がありましたが、新作の打感は弾き感の少ないソフトなフィーリング。打球音も小さめで上品な感じです。

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二人とも飛び系アイアンの進化に驚いていた

【ミタさん】
バックフェースをオーバルで包んだことは、打感や打球音の良さにつながっていると思います。どんなゴルファーに向いていると思いますか?

【シオさん】
ヘッドスピードが落ちてきたシニアゴルファーには飛距離不足を補ってくれるだけではなく、若い頃より飛ばせるアイアンになっています。形状(顔)もベテランゴルファーが好むオーソドックスなアイアンです。

【コウタロウ】
タテ距離が揃ってくれるので、競技ゴルファーでもロングアイアンとかユーティリティの代わりに1、2本だけ入れるのもアリだと思います。

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高い打ち出し角と初速、前作より増えたバックスピン量でグリーンを狙う算段

【ミタさん】
2代目の「プロギア 03」は決して派手なモデルではありますが、着実に進化を遂げたアイアンです。飛距離は飛び系アイアンなのに、弾道やスピン量はオーソドックスなアイアンの球筋に近づいているので、コントロール性能が高い。落下角度に関しては一般的な飛び系アイアンより大きく、7番で200ヤード飛ばしても、グリーンに止めやすくなりました。

【コウタロウ】
間違いなく前作を超える完成度。プロギア、おそるべし!

まとめ

新製品レポート「PRGR 03」
飛距離性能はもちろんだが寛容性の高さにも評価が高かった

■ 試打したクラブのスペック

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プロギア 03 アイアン
●ロフト角:26度(7I)、34.5度(9I) ●シャフト:N.S.PRO スペックスチールIII ver.2 ●硬さ:M-43(S)

■ マイクラブ情報

シオさん:スリクソン ZXi ドライバー
●ロフト角:10.5度 ●シャフト:ディアマナ BB 53 ●硬さ:S

コウタロウ:コブラ DS-ADAPT LS ドライバー
●ロフト角:10.5度 ●シャフト:Tour AD DI HM-6 ●硬さ:X

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ミタさん プロフィール

1978年生まれ。かつてのサッカー少年が父の影響でゴルフを始めたのは高校生のとき。2014年にゴルフテックに入社し、レッスンコーチ兼クラブフィッターとして活躍した。現在はギア知識を活かして、コンテンツの企画を担当。洋服や車など好きな「モノ」への探求心が人一倍強く、作り手の素材や製法へのこだわりが大好物。デニムやスニーカーへの知識も豊富。

コウタロウ プロフィール

1985年生まれ。「日本一の漫才師」を夢見た幼少期を経て、学生時代はゴルフに没頭。日本アマなどに出場した。日本プロゴルフ協会(PGA)ティーチングライセンスを取得した2012年にゴルフテックに入社。長年、レッスンコーチを務めていたが、現在はコンテンツに出たり、作ったりしている。ヘッドスピードは50m/s前後。持ち球はフェード。最近は四十肩との付き合い方を模索中。

シオさん プロフィール

1967年生まれ。GDOでは古参の編集部員。若い頃は小ぶりヘッドのドライバーとマッスルバックのアイアンを愛用していたが、近年ではミスに強く、飛ばせるギアを好んで使用している。ヘッドスピードは40m/s前後。ミドルアイアンでグリーンに止まる球が打てないことが最近の悩み。持ち球は低めのドロー。平均スコアは80くらい。

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