タイトとキャロウェイのちょうど真ん中 “万人がイケるミニ” テーラーメイド「r7 クアッドミニ」ドライバー
2006年に登場し、一世を風靡した名器「r7 スーパークアッド」が、最新テクノロジーをまとって「r7 クアッドミニ」として復活。懐かしのデザインに加え、4つの可変式ウエートを搭載したことで、ミニドライバー初の本格的な弾道調整も可能になった。その操作性、打感、見た目はどう変わったのか。製品の特徴をギア知識が豊富なミタさんが解説。打感、構えやすさ、飛び性能をアスリートゴルファーのコウタロウ(HS50m/s)とベテランゴルファーのシオさん(HS40m/s)が試打し、分析した。
ミニドライバーのウエート調整は意外と大事!?
【ミタさん】
今回紹介するのは「r7 クアッドミニ」です。ベテランゴルファーなら誰もが知っている大ヒットドライバーがミニドライバーとして帰ってきました。
【コウタロウ】
これは懐かしい。20歳のときに、このドライバーで日本アマに出場したのでよく覚えています。
【シオさん】
私も買いました。当時はテクノロジーが衝撃的でしたね。「ムーバブルウェイト」が4つあって自由自在に重心を変えることができました。
【ミタさん】
モデル名のクアッドは「4」という意味。「r7 クアッドミニ」も4つの「ムーバブルウェイト」がついているのが一番のポイントです。
【コウタロウ】
ミニドライバーでこんなにウエート調整ができるのは珍しいですね。
【ミタさん】
毎年ミニドライバーを発売しているテーラーメイドですが、4つの可変式ウエートを搭載したのは初めてです。13.5度モデルは前方2箇所に4グラム、後方2箇所に13グラムのウエートをつけています。
【シオさん】
ミニドライバーでもウエートを調整するメリットは大きいですか?
【ミタさん】
大きいと思います。ミニドライバーはアスリートゴルファーが使うのか、ドライバーが苦手な人が使うのか、ティショット専門で使うのか、地面からも打つのかという色んな選択肢があるので、ドライバー以上にウエートを調整する効果は大きいと思います。
【コウタロウ】
ちなみにウエートを逆(前方の2箇所に13g、後方の2箇所に4g)にしたらどうなりますか?
【ミタさん】
浅重心になるのはもちろん、テーラーメイドのミニドライバー史上、最も低い重心ポジションになります。ちなみにデザインは18年前の「r7 スーパークアッド」にそっくりですが、ツイストフェースや貫通型スピードポケットなどの最新テクノロジーも搭載しています。
玄人好みの顔と打感。0.25インチアップでほぼドライバーと同じ飛距離に
【コウタロウ】
まず顔がイイ、テーラーメイドのフェアウェイウッドをそのまま大きくした感じです。
【シオさん】
難しそうにも見えないし、やさしすぎる感じもしない、本当に絶妙な形状。テーラーメイドはこういうヘッドを作るのが上手いですね。
【ミタさん】
打った印象はどうでしたか?
【シオさん】
昨年から今年にかけて沢山のミニドライバーが出ましたけど、私は一番打ちやすかったです。ロースピンヒッターの私でもスピン量が2000回転を超えていて、打球が上がってくれました。それと芯に当てやすかったのでドライバーと同じくらいの飛距離が出ました。
【ミタさん】
シオさんのヘッドスピード(40m/s)でも210ヤード以上飛んでいましたね。前作のバーナーミニより0.25インチ長くして43.75インチになったことも飛距離アップにつながったと思います。
【シオさん】
長くなっても打点のバラツキが少なくて、芯に当てやすかったです。
【ミタさん】
コウタロウはどうでしたか?
【コウタロウ】
僕もいっぱいミニドライバー打ってきましたが、シオさんが言うように飛距離性能が高くて、程よくスピンも入ってくれるのでやさしい。それと打感が抜群です!チタンフェースらしい音と弾き感が心地よかった。古き良き時代の音ですね。
【ミタさん】
ちなみにウエートを変えて、超浅重心にしたらどうでしたか?
【コウタロウ】
全然違うクラブになってビックリしました。操作性が増して、めちゃくちゃ飛ぶ。また、ヘッド後方の重さが消たことで、ダウンブローにも打ちやすく、地面からも使えそうです。
【シオさん】
私は浅重心にすると、つかまりにくくなった分、スライスが出るようになりました。スライスなのに低スピンという球筋で、私にはハードでした。
【ミタさん】
どういうゴルファーに使ってほしいミニドライバーですか?
【シオさん】
ヘッドスピード40m/sくらいのゴルファーにとっては打ちやすくて、球筋もタテ距離も揃ってくれます。ドライバーのミスでスコアを落としている人には絶対オススメです。
【コウタロウ】
ミニドライバーとして、ど真ん中にいる感じがしました。タイトリストの「GT280」はアスリート向けな仕様で、キャロウェイの「エリート ミニ」はアベレージゴルファーでも使えるミニドライバー。テーラーメイドの「r7 クアッドミニ」はちょうどその真ん中にいて、幅広いゴルファーが使えると思います。
【ミタさん】
「r7 クアッドミニ」はミニドライバーの先駆者であるテーラーメイドらしい、ミニドライバーの王道的なモデルです。スピン量も多過ぎず少な過ぎず、弾道やつかまりもオーソドックスなのでアベレージゴルファーでもアスリートゴルファーでも使えます。さらに4つの可変式ウエートを搭載したことで調整機能が進化しました。印象的だったのは打感・打球音。昔のテーラーメイドの打感が好きだった人には、懐かしくて最高の打感だと思います。
【コウタロウ】
ノスタルジックなデザインでとにかくカッコイイ!パー5のセカンドショットをこれで乗せたら、さらにカッコイイだろうね。
シオさんの平均試打データ
まとめ
■ 試打したクラブのスペック
テーラーメイド r7クアッドミニドライバー
●ロフト角:13.5度 ●シャフト:ディアマナ TM55 ●硬さ:S
■ マイクラブ情報
シオさん:スリクソン ZXi ドライバー
●ロフト角:10.5度 ●シャフト:ディアマナ BB 53 ●硬さ:S
コウタロウ:コブラ DS-ADAPT LS ドライバー
●ロフト角:10.5度 ●シャフト:Tour AD DI HM-6 ●硬さ:X

ミタさん プロフィール
1978年生まれ。かつてのサッカー少年が父の影響でゴルフを始めたのは高校生のとき。2014年にゴルフテックに入社し、レッスンコーチ兼クラブフィッターとして活躍した。現在はギア知識を活かして、コンテンツの企画を担当。洋服や車など好きな「モノ」への探求心が人一倍強く、作り手の素材や製法へのこだわりが大好物。デニムやスニーカーへの知識も豊富。

コウタロウ プロフィール
1985年生まれ。「日本一の漫才師」を夢見た幼少期を経て、学生時代はゴルフに没頭。日本アマなどに出場した。日本プロゴルフ協会(PGA)ティーチングライセンスを取得した2012年にゴルフテックに入社。長年、レッスンコーチを務めていたが、現在はコンテンツに出たり、作ったりしている。ヘッドスピードは50m/s前後。持ち球はフェード。最近は四十肩との付き合い方を模索中。

シオさん プロフィール
1967年生まれ。GDOでは古参の編集部員。若い頃は小ぶりヘッドのドライバーとマッスルバックのアイアンを愛用していたが、近年ではミスに強く、飛ばせるギアを好んで使用している。ヘッドスピードは40m/s前後。ミドルアイアンでグリーンに止まる球が打てないことが最近の悩み。持ち球は低めのドロー。平均スコアは80くらい。