米シニアでドッと流行る“クセなし設計” 中から先端が滑らかにしなる ニュートン「モーション」シャフト

新製品レポート「ニュートン モーション」
チャンピオンズツアーで話題のニュートン「モーション」シャフト

シャフト界に突如現れたニュートン社の「モーション」が、チャンピオンズツアーで話題をさらっている。ジョン・デーリーコリン・モンゴメリー(スコットランド)といった名手たちが手にしたその新興ブランドシャフトは、米国製でありながら、実は日本人エンジニアによって生まれたという。一体どのようなシャフトなのか。製品の特徴をギア知識が豊富なミタさんが解説。飛距離性能・打感・構えやすさをアスリートゴルファーのコウタロウ(HS50m/s)と、ベテランゴルファーのシオさん(HS40m/s)が試打し、分析した。

開発者は日本人 「シンメトリー設計」によってスパインの問題を解消

新製品レポート「ニュートン モーション」
シャフトにはフレックスや重量、キックポイントの表記がない

【ミタさん】
今回紹介するのは米国の新興シャフトメーカー・ニュートンの「モーション」です。

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【シオさん】
ウワサは聞いてます。米国チャンピオンズツアーで話題になっているシャフトですよね。

【ミタさん】
はい。チャンピオンズツアーではニュートンの「モーションシリーズ」を30人ほどの選手が使っていて、使用率がどんどん上がっています。ことしは大手シャフトメーカーを差し置いて同ツアー使用率2位になりました。

【コウタロウ】
2位はすごい。どういうシャフトなんですか?

【ミタさん】
開発者は頼廣彰伸(よりひろ・あきのぶ)さんという日本人で、元々は大手シャフトメーカーで開発担当をされていたそうです。ニュートンという名前はスイングの物理原則をベースにしているのが由来で「より真っすぐ、より遠くへ、より少ない力で」というのがコンセプトになっています。

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新製品レポート「ニュートン モーション」
ヘッドはQi35 MAX(シオさん)とQi35 LS(コウタロウ)を装着してテストを実施

【シオさん】
「より少ない力で」というのがシニアツアーにハマったのでしょうか?

【ミタさん】
そうだと思います。シャフトの特徴としては全体がしなる設計のため、キックポイントはあえて非公開にしています。また「Symmetry360(シンメトリー360)」という独自構造によって、シャフトのどの面でも同じ性能を発揮。だから、スパイン(シャフトの部分で最も硬くなってしまう背骨の部分)が限りなくゼロに近くなっています。

【コウタロウ】
色も不思議ですね。紫なのか、緑なのか。いや、黄色にも見える。

【ミタさん】
光の当たる角度によって色が変化します。遠くから見ても「モーションのシャフトだ!」と分かるようにするための工夫で、ドイツ製の特殊な塗料を使っているそうです。

中間から先端が広く、なめらかにしなる!クセがなくて日本人好み

新製品レポート「ニュートン モーション」
一番フィーリングが良かったのは「6ドット」です(コウタロウ)

【コウタロウ】
私はとりあえず6Sから打とうと思っているのですが、重量とフレックスの表記はどこですか?

【ミタさん】
実はニュートンのシャフトにはフレックスなどの表記がありません。その代わりにドットの数で硬さ、重量を分けています。5ドットで一般的なSより気持ち硬いくらいです。

【コウタロウ】
最初に5ドットを打ちましたが、第一印象はクセがなくて、先端までがスムーズに動きます。個人的にはすごく好きなしなり方で、感覚的には「ツアーAD GC」に近かったです。

【ミタさん】
キックポイントの表記はありませんが、実際はどう感じましたか?

【コウタロウ】
中間から先端がなめらかにしなっていくので、どこかのポイントが大きくしなることはありません。でも、決して棒みたいなシャフトではなく、むしろ、しなり量は多めです。

新製品レポート「ニュートン モーション6.5」
「6.5ドット」は7つ目の丸が白く塗られていない

【ミタさん】
6ドットはどうでしたか?

【コウタロウ】
僕のヘッドスピード(50m/s)だとワッグルした時点でこっちの方が良いと思いました。6ドットも動きはあるけど、コントロールがしやすい。ハーフウェイダウンからインパクトにかけて押し込んで打てます。それでいて左にいかないのが良い。6SXくらいのフィーリングでした。

【ミタさん】
最後の6.5ドットはどんな印象でしたか?

【コウタロウ】
これは少し注意が必要。重量感もしっかりあって、6ドットとも全然違います。まず、手元がかなり硬くなっていて「ベンタス RED(6X)」に似ています。叩ける感覚がありますし、打球が安定しています。最低でもヘッドスピードは50m/s以上のパワーヒッターを想定しているのではないでしょうか。

新製品レポート「ニュートン モーション」
フレックス等の表記がないので先入観なくシャフトが選べます(シオさん)

【ミタさん】
シオさんはどうでしたか?

【シオさん】
私は2ドットから打ちましたが、フィーリング的にはカスタムシャフトの5Rくらい。しなり方はなめらかなのに、インパクトのボールの初速感が鋭い。これは飛びそうなシャフトです。

【ミタさん】
3ドットはどうでしたか?

【シオさん】
重さ自体は2ドットと変わりませんが、全体のハリ感があります。2ドット同様に決してビュンビュン走るわけではなく、しなりが抑えられた分、私にはタイミングが合いやすく、3ドットが一番飛びました

【ミタさん】
4ドットは少しキツそうでしたね。

【シオさん】
はい。私には4ドットは重く硬い。正直、振りにくかったです。つかまりを抑えられているような感覚で、実際に右に飛ぶミスが出ていました。

新製品レポート「ニュートン モーション」
特徴的なカラーリングだが構えてみると気にならないから不思議(コウタロウ/シオさん)

【ミタさん】
「モーション」はどんなゴルファーに向いているシャフトですか?

【コウタロウ】
色味的にもっと個性的なしなり方をするかのと思っていましたが、意外とクセがないので、かなり幅広いゴルファーが使えます。大手メーカーのど真ん中シャフトを使っている人なら違和感はなさそう。どちらかと言えば、しなりが大きいシャフトで初速を出したい人に合うと思います。

【シオさん】
ヘッドスピード40m/s前後のゴルファーでも2~3ドットなら問題なく打てます。手元側のしっかり感は適度にありつつ、中間から先がなめらかにしなってくれる王道的なシャフトなので、どんなスイングタイプでも大外れしなそうな気がします。

コウタロウ 平均試打データ

新製品レポート「モーション幸太郎」
ドットが増えるにつれスピン量が減る結果に

【ミタさん】
ニュートンのシャフトはキックポイントやフレックスを表記していませんが、全体がきれいにしなるオーソドックスなタイプ。メーカーが公表している適正ヘッドスピードに合わせてドットを選択すれば、大きな違和感は出にくいでしょう。ヘッドスピード40m/s前後であれば2ドットか3ドットで、42m/s前後になると4ドットか5ドット、そして45m/s以上になると5ドットか6ドットくらいが適正になってくると思います。6.5ドットはかなりハードなのでヘッドスピード50m/s以上のアスリート仕様です。

【コウタロウ】
しなりを生かして高さを出せるのでLS系のヘッドと相性が良い。このしなり方はシニアプロが好きだと思います。

シオさん 平均試打データ

新製品レポート「モーションシオさん」
タイミングのあった「3ドット」は平均初速が高かった

■ 試打したクラブのスペック

新製品レポート「ニュートン モーション」

ニュートン モーションシャフト

●モデル/重量/トルク
2ドット/50g/5.0
3ドット/50g/4.5
4ドット/60g/4.0
5ドット/65g/4.0
6ドット/70g/3.7
6.5ドット/80g/3.2

■ マイクラブ情報

シオさん:スリクソン ZXi ドライバー
●ロフト角:10.5度 ●シャフト:ディアマナ BB●硬さ:S

コウタロウ:コブラ DS-ADAPT LS ドライバー
●ロフト角:10.5度 ●シャフト:Tour AD DI HM-6 ●硬さ:X

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ミタさん プロフィール

1978年生まれ。かつてのサッカー少年が父の影響でゴルフを始めたのは高校生のとき。2014年にゴルフテックに入社し、レッスンコーチ兼クラブフィッターとして活躍した。現在はギア知識を活かして、コンテンツの企画を担当。洋服や車など好きな「モノ」への探求心が人一倍強く、作り手の素材や製法へのこだわりが大好物。デニムやスニーカーへの知識も豊富。

コウタロウ プロフィール

1985年生まれ。「日本一の漫才師」を夢見た幼少期を経て、学生時代はゴルフに没頭。日本アマなどに出場した。日本プロゴルフ協会(PGA)ティーチングライセンスを取得した2012年にゴルフテックに入社。長年、レッスンコーチを務めていたが、現在はコンテンツに出たり、作ったりしている。ヘッドスピードは50m/s前後。持ち球はフェード。最近は四十肩との付き合い方を模索中。

シオさん プロフィール

1967年生まれ。GDOでは古参の編集部員。若い頃は小ぶりヘッドのドライバーとマッスルバックのアイアンを愛用していたが、近年ではミスに強く、飛ばせるギアを好んで使用している。ヘッドスピードは40m/s前後。ミドルアイアンでグリーンに止まる球が打てないことが最近の悩み。持ち球は低めのドロー。平均スコアは80くらい。

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