ハリ感の中にあるほどよい“つかまり” ちょっぴりやさしい元調子シャフト 三菱ケミカル「テンセイ プロ ブラック 1K コア」

新製品レポート「テンセイプロブラック1Kコア」
9月5日に発売される三菱ケミカル「TENSEI PRO BLACK 1K CORE」シャフト

国内外問わず、多くのツアープレーヤーに支持されている三菱ケミカルの「テンセイ プロ 1Kシリーズ」。ホワイトオレンジブルーレッドに続く第5の選択肢、「テンセイ プロ ブラック 1K コア」がこの秋ついに登場する。5月の国内男子ツアー・ミズノオープンでは多くの選手がテストしていた話題の1本だが、果たしてその性能は?製品の特徴をギア知識が豊富なミタさんが解説。飛距離性能・打感・構えやすさをアスリートゴルファーのコウタロウ(HS50m/s)と、ベテランゴルファーのシオさん(HS40m/s)が試打し、分析した。

1Kシートを内層に入れたのはシリーズ初!しなやかさがアップ

新製品レポート「テンセイプロブラック1K」
「元調子」と聞くだけでつかまるのか心配になってしまいます(シオさん)

【ミタさん】
今回紹介するのは三菱ケミカルの「テンセイ プロ ブラック 1K コア(以下、ブラック 1K)」です。

【シオさん】
さっそくですけど…、「テンセイ プロ 1K」まで馴染みがあるのですが「コア」って何ですか?

【ミタさん】
「テンセイ プロ 1Kシリーズ」は「ブラック 1K」で5モデル目になりますが、「ブラック 1K」だけ設計が全く違います。歴代の4モデル(ホワイト、オレンジ、ブルー、レッド)は1Kクロスを最外層に巻いていましたが、「ブラック 1K」は内層に持ってきました。

【コウタロウ】
それで何が変わるのですか?

【ミタさん】
三菱ケミカルが独自に開発した1Kクロスは一束あたりの繊維数が少なく、折り目が緻密なカーボンシート。それを内側(コア)の層に採用したことによって、しなやかなフィーリングを感じられるシャフトになっています。

新製品レポート「テンセイプロブラック1K」
コウタロウは過去に使用していた「ホワイト 1K」との比較もしていた

【シオさん】
キックポイントは?

【ミタさん】
典型的な元調子です。コテコテの元調子で、しっかり手元側がしなるシャフトです。

【コウタロウ】
同じシリーズだと「ホワイト」「オレンジ」も元調子ですけど、違いは?

【ミタさん】
3タイプとも元調子ですが、「ホワイト」は全体的にしなる元調子。「オレンジ」と似ていますが、それよりもやや手元側を柔らかくしたのが「ブラック」になります。また、手元側の剛性をかなり小さくして、中間と先端を硬くしています。

【コウタロウ】
元調子のブラックと言えば「ベンタス ブラック」が有名ですが、違いが気になります。

中弾道ではなく低弾道! 手元調子すぎて、先調子にも感じる!?

新製品レポート「テンセイプロブラック1K」
50g台のSフレックスでもかなりハードです(シオさん)

【シオさん】
まず「50S」から打ちましたけど、想像以上に打球が低くてヘッドスピード40m/sの私にはかなり硬く感じました。トップから切り返したときの「間」がなくて、棒に近いフィーリングです。

【ミタさん】
たしかに打ち出し角は低かったですね、「50R」はどうでしたか?

【シオさん】
「50S」に比べるとしなりを感じることができたので、自分のタイミングでインパクトを合わせることはできました。それでも標準的な元調子に比べて中間、先端は硬めになっています。私にはハードなシャフトでしたが、慣性モーメントが大きい大型ヘッドと相性が良いと思います。ミスヒットしたときにヘッドもシャフトもブレない感じがありました。

【ミタさん】
「ブルー 1K」と比較すると?

【シオさん】
中調子の「ブルー 1K」の方がクセがなくて打ちやすい。まさに万人向けの印象ですが、「ブラック 1K」は“これぞ元調子”といった感じの叩ける系で、パワーヒッター専用モデルと言ってもいいくらい。

新製品レポート「テンセイプロブラック1K」
「ベンタス ブラック」よりも遊びがある分やさしく感じるかも(コウタロウ)

【ミタさん】
コウタロウはどうでしたか?

【コウタロウ】
マイスペックの「6X」から打ちましたが、私が打っても打球は低い。中弾道というよりも低弾道の領域です。ただ、シリーズのなかで一番手元側のしなりが感じ取りやすい。「6S」になるとしなり戻りが大きくなって、フェースがスクエアに戻ってきました。

【ミタさん】
気になっていた「ベンタス ブラック」との違いは?

【コウタロウ】
「ベンタス ブラック」はシャフト全体が硬い感じでしたが、「ブラック 1K」は手元がしっかりしなってくれるので、逆に先調子かと思うくらいインパクト付近でのヘッドの走り感がありました。「ベンタス ブラック」より手元はゆるめなので、その分、打球はつかまってくれます。

シオさんの平均試打データ

新製品レポート「テンセイプロブラック1K シオさん」
データだけ見るとSフレックスが良さそうだが選ぶならフィーリング的にRフレックスとのこと

【ミタさん】
どういうゴルファーに向いていますか?

【コウタロウ】
ヘッドスピードとしては45m/s以上ないと打球が上がりきらないと思います。シャフトの特性としては元調子シャフトのなかでも切り返し時の遊びがあるので、トップからダウンスイングに入るテンポがクイックなタイプと相性が良さそう。元調子だけど適度なつかまり感を求めるゴルファーは試してみる価値ありです。

【シオさん】
「50R」でもヘッドスピードは42、43m/sくらいないと打球が上がってくれないと思います。低弾道ですけど、曲がり幅は少ない。高い球ではなくて、低い打球で確実にフェアウェイをキープしていきたいタイプにオススメです。

コウタロウの平均試打データ

新製品レポート「テンセイプロブラック1K 幸太郎」
コウタロウは軽いドロー系の弾道でまとまっていた

【ミタさん】
手元の剛性を落とした「ザ・元調子」のシャフト。「テンセイ 1Kシリーズ」らしいしっかりしたハリ感は今作も健在しています。ヘッドスピードがあるゴルファーが使えば手元側はしなってくれるので、しなり戻りを生かして適度なつかまりやすさにつながるでしょう。ヘッドスピード40m/sのシオさんが打っても、ヘッドスピード50m/sのコウタロウが打っても弾道は低かったので、低弾道で強いライナー系のボールが出やすいのも特徴です。

【コウタロウ】
「ベンタス ブラック」で右方向のミスが出ている人にピッタリかも!?

■ 試打したクラブのスペック

新製品レポート「テンセイプロブラック1Kコア」

三菱ケミカル テンセイ プロ ブラック 1K コア
50R/51.5g/5.3 50S/53g/5.3
60S/63g/3.4 60X/65.5g/3.3

使用ヘッド/
シオさん:G440 SFT(10.5度)
コウタロウ:G440 LST(10.5度)

■ マイクラブ情報

シオさん:スリクソン ZXi ドライバー
●ロフト角:10.5度 ●シャフト:ディアマナ BB ●硬さ:S

コウタロウ:コブラ DS-ADAPT LS ドライバー
●ロフト角:10.5度 ●シャフト:Tour AD DI HM-6 ●硬さ:X

この記事の画像をすべて見る

ミタさん プロフィール

1978年生まれ。かつてのサッカー少年が父の影響でゴルフを始めたのは高校生のとき。2014年にゴルフテックに入社し、レッスンコーチ兼クラブフィッターとして活躍した。現在はギア知識を活かして、コンテンツの企画を担当。洋服や車など好きな「モノ」への探求心が人一倍強く、作り手の素材や製法へのこだわりが大好物。デニムやスニーカーへの知識も豊富。

コウタロウ プロフィール

1985年生まれ。「日本一の漫才師」を夢見た幼少期を経て、学生時代はゴルフに没頭。日本アマなどに出場した。日本プロゴルフ協会(PGA)ティーチングライセンスを取得した2012年にゴルフテックに入社。長年、レッスンコーチを務めていたが、現在はコンテンツに出たり、作ったりしている。ヘッドスピードは50m/s前後。持ち球はフェード。最近は四十肩との付き合い方を模索中。

シオさん プロフィール

1967年生まれ。GDOでは古参の編集部員。若い頃は小ぶりヘッドのドライバーとマッスルバックのアイアンを愛用していたが、近年ではミスに強く、飛ばせるギアを好んで使用している。ヘッドスピードは40m/s前後。ミドルアイアンでグリーンに止まる球が打てないことが最近の悩み。持ち球は低めのドロー。平均スコアは80くらい。

広告の後にも続きます

アクセスランキング

  • 総合
  • ツアー
  • レッスン
  • ギア情報

SPECIALコンテンツPR

特集記事PR

こちらもおすすめ

GDOサービス

GDOのサービス