ミズノの「番手別設計」はエグい!1セットの中に3モデルを感じる ミズノ「M-13」アイアン

新製品レポート「M-13」
8月29日に発売となるミズノプロ「M-13」アイアン

日本だけでなく米国でもアイアンのシェアを伸ばし、好調なセールスを記録しているミズノ。米PGAツアーや米LPGAツアーで、ミズノのアイアンを使う選手が活躍しているのも、その背景にある。そして今秋、2年ぶりに「ミズノプロ」シリーズがリニューアル、モデル名も「S/M」シリーズに一新された。今回は、早速「M」シリーズの真ん中の位置付けとなる「M-13」を紹介したい。製品の特徴をギア知識が豊富なミタさんが解説。打感、構えやすさ、飛び性能をアスリートゴルファーのコウタロウ(HS50m/s)とベテランゴルファーのシオさん(HS40m/s)が試打し、分析した。

ロング・ミドル・ショートで素材・構造が違う「超」番手別設計

新製品レポート「M-13」
前作のミズノプロ「243」とバックフェースのデザインも大きく変わった

【ミタさん】
今回紹介するのはミズノの「M-13」です。歴代モデルで言えば「ミズノプロ 243」の後継です。

【シオさん】
いわゆる「3」シリーズですよね。「S-3」「S-1」の「S」はシグネチャーということでしたが、「M」はどういう意味ですか?

【ミタさん】
「M」はモダン(Modern)という意味です。このシリーズはミズノアイアンの王道に最先端のテクノロジーを融合しているシリーズです。

新製品レポート「M-13」
トップラインは「M-13」がわずかに薄く見える。削り方でそう見せていると推測(写真は6番)

【コウタロウ】
どんなテクノロジーですか?

【ミタさん】
「M-13」は番手別に設計を変えています。

【コウタロウ】
最近はどのメーカーでも番手別設計が当たり前になってきましたね。

【ミタさん】
フェースの材質や、タングステンの重量だけが違うといったレベルではなく、根本的な設計から変えることで各番手に必要な性能をより濃く出しています。4、5番はフルキャビティ構造で、クロモリ素材(SCM420)を使って高反発で飛ぶようになっています。それが6、7、8番になるとマイクロスリットを入れたキャビティ構造。フェースを薄くしつつ、操作性もあるアイアンに仕上げました。そして9番、PW、GWは軟鉄鍛造の1ピース構造にして打感にこだわっています。素材はS25CMという純度の高い軟鉄です。

新製品レポート「M-13」
「M-13」は番手によって使用素材が異なることが刻印からわかる

【シオさん】
素材も構造もまったく違うんですね。

【コウタロウ】
じゃ、ミズノの伝統になっているグレインフローフォージド製法は?

【ミタさん】
もちろん、それは全番手で継承しています。4、5番の2ピース構造でも、ネックからフェースを一体成型したミズノ伝統の鍛造製法で仕上がっています。

新製品レポート「M-13」
「M-13」の方がリーディングエッジ側の面取り量が多いのがわかる

【シオさん】
ソール幅自体は、標準的なサイズ感ですね。

【ミタさん】
はい。ただし、リーディングエッジとトレーリングエッジを落とした「トリプルカットソール」になっているので、抜けはかなり良いはずです。

【コウタロウ】
僕が使っているミズノ「S-3」アイアンも「トリプルカットソール」ですが、適度にバンスが当たって気持ち良く抜けてくれます。

打感・スピン性能・操作性・寛容性のバランスがいい

新製品レポート「M-13」
番手によって素材が違うのに打感はどれも素晴らしいです(シオさん)

【シオさん】
「243」と比較すると、アドレスしたときの顔の違いはほとんど感じませんでした。

【コウタロウ】
大きな差はありませんが、「M-13」はトップラインが少し薄くなっているので、シャープに感じますね。

【ミタさん】
打った印象はどうでしたか?

【シオさん】
ナイスショットしたときの打感、飛距離は「243」も「M-13」もほとんど同じです。でも、「M-13」はミスヒットしたときの飛距離ロスが少ないので、番手間の飛距離差がきっちり10ヤードくらい出てくれましたね。5番になると私のヘッドスピードだとシビアに感じましたが、6番は全然打てます。7、8番になるとつかまりも良くなっているので楽に距離を出せますね。番手別で素材と構造が違うのに、セットとしての打感が揃っているのがすごいと思いました。

新製品レポート「M-13」
ここまで“コンボ感”が分かるアイアンセットは初めてかも(コウタロウ)

【ミタさん】
コウタロウはどうでしたか?

【コウタロウ】
どの番手もバランスが良い。一つに特化した個性というよりは打感・寛容性・スピン性能・操作性のバランスが良かったです。5番は打球も上がりやすくて、想像以上に寛容性が高く、タテ距離が揃ってくれます。このサイズ感のアイアンで中空構造ではないのに、ここまでのやさしさがあるのは秀逸です。それが6番以下になると、フェースにボールが乗っている感覚が出せるので操作性も高い。9番以下はスピンコントールが効くので寄せる球筋をイメージしやすい。1セットなのに3モデルのコンボみたいなアイアンでした。

新製品レポート「M-13」
全番手で前作との比較を行い違いを感じた二人

【ミタさん】
どういうゴルファーに向いていますか?

【コウタロウ】
前作の「243」もすごく良いアイアンでしたけど、ロング、ミドルアイアンは少しシビアな印象で、ターゲットゴルファーとしてもアスリートよりのアイアンでした。でも、「M-13」は番手別設計にしたことでバリバリの競技ゴルファーから80台・90台の中級者まで幅広く使えるようになったと思います。ミズノのフォージドアイアンのど真ん中という感じです。

【シオさん】
私もそう思います。前作の「243」から基本性能は継承していますが、ロング、ミドルアイアンは高さが出るようになったので、やさしく感じました。なので、前作で最も人気があった「245」のユーザーも使えるような気がします。

新製品レポート「M-13」
7番の平均試打データ。ロフト32度ということもありしっかりと高い球が出ていた

【ミタさん】
「M-13」はプロゴルファーからセミアスリートゴルファーまで幅広いゴルファーが使えるフォージドアイアン。おそらく、女子プロでも使う選手が出てくると思います。打感・スピン性能・操作性・寛容性の全部門で平均点が高い。番手別設計としての性能が色濃く出ているので、5番も見た目以上にやさしくなっています。5番が苦手だった中上級者も「M-13」なら使えるでしょう。

【コウタロウ】
打感や視覚的にもこだわりながら、よくこんなアイアンができましたね。驚きました!

まとめ

新製品レポート「M-13」
アスリートゴルファーのコウタロウは非常に高い評価

■ 試打したクラブのスペック

新製品レポート「M-13」

ミズノ MizunoPro M-13アイアン
●ロフト角:32度(7I) ●シャフト:N.S.PRO MODUS3 TOUR 105 ●硬さ:S

■ マイクラブ情報

シオさん:ブリヂストン ツアーB X-CB アイアン
●シャフト:N.S PRO MODUS3 TOUR 120 ●硬さ:S

コウタロウ:ミズノ S-3 アイアン
●シャフト:Dynamic Gold MID TOUR ISSUE ●硬さ:S200

この記事の画像をすべて見る

ミタさん プロフィール

1978年生まれ。かつてのサッカー少年が父の影響でゴルフを始めたのは高校生のとき。2014年にゴルフテックに入社し、レッスンコーチ兼クラブフィッターとして活躍した。現在はギア知識を活かして、コンテンツの企画を担当。洋服や車など好きな「モノ」への探求心が人一倍強く、作り手の素材や製法へのこだわりが大好物。デニムやスニーカーへの知識も豊富。

コウタロウ プロフィール

1985年生まれ。「日本一の漫才師」を夢見た幼少期を経て、学生時代はゴルフに没頭。日本アマなどに出場した。日本プロゴルフ協会(PGA)ティーチングライセンスを取得した2012年にゴルフテックに入社。長年、レッスンコーチを務めていたが、現在はコンテンツに出たり、作ったりしている。ヘッドスピードは50m/s前後。持ち球はフェード。最近は四十肩との付き合い方を模索中。

シオさん プロフィール

1967年生まれ。GDOでは古参の編集部員。若い頃は小ぶりヘッドのドライバーとマッスルバックのアイアンを愛用していたが、近年ではミスに強く、飛ばせるギアを好んで使用している。ヘッドスピードは40m/s前後。ミドルアイアンでグリーンに止まる球が打てないことが最近の悩み。持ち球は低めのドロー。平均スコアは80くらい。

広告の後にも続きます

アクセスランキング

  • 総合
  • ツアー
  • レッスン
  • ギア情報

SPECIALコンテンツPR

特集記事PR

こちらもおすすめ

GDOサービス

GDOのサービス