やさしさはそのままに…約20年ぶりフェースを“アプデ”で最高初速更新! ダンロップ「ゼクシオ14」ドライバー
2000年に誕生した「ゼクシオ」は歴代モデルの総売り上げ本数が2000万本を突破、日本で最も売れたゴルフブランドと言われている。今月登場するのは14代目となる「ゼクシオ14」。歴代最大のリニューアルを図ったヘッドはどのように進化したのか。ギア知識が豊富なミタさんがヘッドの特徴を解説。飛距離性能、打感、構えやすさを、アスリートゴルファーのコウタロウ(HS50m/s)とベテランゴルファーのシオさん(HS40m/s)が試打し、分析した。
ついにカチャカチャ搭載!デザインもフェースも歴代最大のリニューアル
【ミタさん】
今回紹介するのはダンロップの「ゼクシオ14」。2025年を締めくくるクラブとなりますね。
【シオさん】
ついに来ましたね。私の世代は「ゼクシオ」のドライバーを見るとホッとする。日本人にとってはやさしいドライバーの定番です。
【コウタロウ】
今回の「ゼクシオ14」はデザインがかなり変わりましたね。ソールの真ん中に「XXIO」のロゴがない。一見するとゼクシオだと分からないくらいです。
【ミタさん】
「ゼクシオ」14代目にして、初と言っていいほど大幅リニューアルされています。大きな変化としては、ヘッドとシャフトが脱着できる「QTS(クイックチューンシステム)」が搭載されました。
【シオさん】
ホントだ。今まで頑なに接着型を続けてきたのに。
【ミタさん】
今までは調整式にすることで重量が増えてしまうのがネックになっていたのですが、「ゼクシオ14」はショートホーゼルにして約2グラム軽量化したことで弾道調整機能「QTS」の搭載が可能となりました。
【コウタロウ】
他にも変更点ありますか?
【ミタさん】
ヘッドの性能的に最も変わったのはフェースです。実はゼクシオのフェースは2006年発売の「ゼクシオ4」から2023年「ゼクシオ13」までずっと同じ素材だったのですが、「ゼクシオ14」ではゴルフクラブ初採用となるシリコンを加えた「VR-チタン」フェースになっています。
【シオさん】
約20年間も変えなかったフェースを変更したのは大きな決断ですね。
【ミタさん】
シリコンを加えたことでフェースの強度が約42%も上がって、粘性(粘り)も向上。その結果としてフェースを薄肉化できました。
【コウタロウ】
打球や打感がどういうふうに変わっているのか楽しみです。
「ゼクシオ」でボールスピード70m/sを超えたのは初!
【ミタさん】
「ゼクシオ14」を構えた印象はどうですか?
【コウタロウ】
デザインだけではなく、顔も変わりました。ネック付近のボディ外側に膨らみがあって、フェースがシャフトより前に出ています。
【シオさん】
ホントだ。ヒール側のボリュームがかなり強調されていますね。そのせいか、より丸型の形状になった気がします。
【ミタさん】
打った印象は?
【コウタロウ】
ちょっと顔が気になるなと思いながら打ちましたが、結果はすごく良かった。今までの「ゼクシオ」よりスピン量が抑えられていて、ボールスピードが速い。調整機能がついたので、私は「スピーダーNXゴールド」のシャフトで打ったらボールスピードが70m/sを超えました。過去の「ゼクシオ」もこの連載で試打してきましたが、70m/sをしっかり超えたのは初めて。アスリートゴルファーでも使えるヘッドです。
【シオさん】
私は純正シャフト(MP1400)で打ちましたが、いつものゼクシオより打ち出しが抑えられていて、初速が出ました。「ゼクシオ」ならではのやさしさや振りやすさは継承されていますが、「飛ぶゼクシオ」になった印象が強いです。
【ミタさん】
ゼクシオサウンドと呼ばれている打感や打球音はどうでしたか?
【シオさん】
爽快感はありますけど、打感もちょっと変わってきました。いつもより、打球音が控えめになっていて大人しい。「ゼクシオ7」とかの時代の音や打感とはかなり違います。
【ミタさん】
どんなゴルファーに向いていますか?
【コウタロウ】
今までのゼクシオユーザーはもちろんですが、シャフトを変えればアスリートゴルファーや30・40代のゴルファーでも使えます。スピン量、つかまりを抑えたことでターゲット層の幅が広がりました。
【シオさん】
どちらかと言えばスライサー向けの印象が強かった「ゼクシオ」ですが、「ゼクシオ14」はスライサーだけではなく、ドローヒッターでもフェードヒッターでも使えます。ただし、弾道はそこまで高くないので、今までのような超高弾道でキャリーを出す「ゼクシオ」とはちょっと違いますね。
【ミタさん】
「ゼクシオ14」はデータを計測してもスピン量が少なくなって、ボールスピードが上がっているので飛距離性能が進化しています。今までの「ゼクシオ」と比較すると、つかまりやすさや上がりやすさを控えめ。シャフトが脱着式なので、従来のボールのやさしさが欲しい方はスリーブでの調整で対応可能です。また、シャフトを変えればヘッドスピード45m/s以上のアスリートゴルファーからヘッドスピード35m/s前後のシニアゴルファーまで使える対応幅の広いドライバーになったと思います。
【コウタロウ】
月例などの競技に出ているアスリートシニアが、50グラム台のカスタムシャフトを入れると1番ハマりそうです。
まとめ
■ 試打したクラブのスペック
ダンロップ ゼクシオ14ドライバー
●ロフト角:10.5度 ●シャフト:MP1400(シオさん)、スピーダーNXゴールド50(コウタロウ) ●硬さ:共にS
■ マイクラブ情報
シオさん:スリクソン ZXiドライバー
●ロフト角:10.5度 ●シャフト:ディアマナ BB 53 ●硬さ:S
コウタロウ:コブラ DS-ADAPT LSドライバー
●ロフト角:9.0度 ●シャフト:Tour AD DI HM-6 ●硬さ:X
ミタさん プロフィール
1978年生まれ。かつてのサッカー少年が父の影響でゴルフを始めたのは高校生のとき。2014年にゴルフテックに入社し、レッスンコーチ兼クラブフィッターとして活躍した。現在はギア知識を活かして、コンテンツの企画を担当。洋服や車など好きな「モノ」への探求心が人一倍強く、作り手の素材や製法へのこだわりが大好物。デニムやスニーカーへの知識も豊富。
コウタロウ プロフィール
1985年生まれ。「日本一の漫才師」を夢見た幼少期を経て、学生時代はゴルフに没頭。日本アマなどに出場した。日本プロゴルフ協会(PGA)ティーチングライセンスを取得した2012年にゴルフテックに入社。長年、レッスンコーチを務めていたが、現在はコンテンツに出たり、作ったりしている。ヘッドスピードは50m/s前後。持ち球はフェード。最近は四十肩との付き合い方を模索中。
シオさん プロフィール
1967年生まれ。GDOでは古参の編集部員。若い頃は小ぶりヘッドのドライバーとマッスルバックのアイアンを愛用していたが、近年ではミスに強く、飛ばせるギアを好んで使用している。ヘッドスピードは40m/s前後。ミドルアイアンでグリーンに止まる球が打てないことが最近の悩み。持ち球は低めのドロー。平均スコアは80くらい。