スイング中の安定感がハンパない!デイのエキスがたっぷり入った ペインター「Eighty Seven SC」試し履き
GDOのシューズ3兄弟(シューズマニア・室井、セールスプランナー・塩田、元中古ショップ店長・桂)が、最新のゴルフシューズを気ままにレビューする恒例企画。「25春夏モデル編」最終回は、米国で生まれた新進気鋭のメーカー、ペインター「Eighty Seven SC」だっ!
ペインターって知ってますか?“87”の理由は
【塩田】
みなさん、そもそもペインターはご存知ですか?あまり聞き慣れないメーカーかもしれませんが…。
【室井】
2023年の秋冬モデルで「X」シリーズを取り上げましたよね。
【塩田】
そうなんです。過去にこのコーナーでも取り上げたことはありますが、もう一度おさらいしましょう。ペインターは2021年にアメリカで創業され、翌年には全米No.1のゴルフギア情報サイト「MyGolfSpy」で「間違いなく検討すべき一足」とコメントされたことで一躍有名になりました。日本市場では2023年の秋冬モデルから展開を開始しました。
【桂】
まだ日本での展開が始まってから2年弱なんですね。私は今回初めて履きました。
【塩田】
そういう方も多いと思います。しかも、今回紹介するモデルは同社の出資者の1人でもあるジェイソン・デイ(オーストラリア)と共同開発したことでも有名なんです。
【桂】
なぜモデル名が「Eighty Seven(87)」なのでしょうか?
【塩田】
彼が生まれた年(1987年)でラッキーナンバーだからと聞いています。このシューズへの強い思いを感じるネーミングですよね。
第一印象は“硬い”でも履いていく内に…
【塩田】
シューズのシルエットですが、全体的に丸みを帯びていて柔らかい雰囲気を持っています。アッパーは柔らかい人工皮革ですが、対してソールは大型のカーボンプレートが搭載されていてガッチリ感があります。しっかりとスイングのパワーを受け止めてくれる設計になっています。
【桂】
アウトソールを見ると内部のカーボンプレートが透けて見えます。デザイン的にもおしゃれです。
【塩田】
他の特徴として、シュータンと履き口が一体化した「インナーブーティ構造」があります。これによりスイング中や歩行中に足がブレることなく、従来モデルを超えた安定感を得られます。
【桂】
なるほど。室井さん、実際に履いてみた感想はいかがでしたか?
【室井】
第一印象は“硬い”です。足入れした瞬間、アッパーもソールも硬さを感じました。ですが、ラウンドしている内に馴染んできたことに驚きました。注意していただきたいのが、馴染むまでに時間が必要なので店頭での試し履きだけで判断してほしくない、ということです。近年流行っているニット系アッパーのシューズと比べると第一印象がかなり違うので…。そこはきちんと理解して試し履きをしていただきたいです。
【塩田】
アッパーには「クラリーノ」と呼ばれる柔らかい人工皮革を採用していますが、履き始めはどうしても硬さを感じてしまいますよね。
【室井】
逆に柔らかい素材が苦手な方、シューズにしっかり感を求める方にはうってつけのモデルだと思います。
【桂】
私も最初は「硬いかな?」と思ったのですが、数ホール歩くと違和感がなくなりました。履き始めと履き終わりで全く印象が違うシューズでした。
柔らかさがちょうどいい!完成度の高いソール
【室井】
あとはミッドソールにも注目しました。これがかなり心地良いんです。
【塩田】
クッション性と反発性の高い「PMX NITRO+」というミッドソールなのですが、これはインソールの素材にも使用されています。
【室井】
特に踏み込んだ時の柔らかさがちょうど良く、足裏の力をしっかり受け止めてくれるイメージです。スイング中のグラつきを一切感じませんでした。ソール自体に特に厚みがあるわけではないのですが、抜群の安定感です。
【塩田】
先ほど説明したインナーブーティ構造も相まって高い安定感を担保しているようです。
【室井】
二重構造のアッパーなのに、素材の厚みを感じないのも良い点ですよね。
突き上げ感はナシ!だが、気になる点も…
【桂】
逆に、気になった点を強いて挙げるとすればどこでしょうか?
【室井】
これは素材の硬さ故かもしれませんが、私は歩行時に少しかかとが浮くのが気になりました。
【塩田】
それは私も感じました。
【室井】
ですが、最近の主流になっている厚底特有のフワフワ感はありません。トラディショナルな形状の中に、カーボンプレートなどの最新技術を詰め込んでいる。大げさかもしれませんが、伝統と革新の融合とでも言いましょうか。
【塩田】
確かにフワフワ感はなく、どちらかというとソールは薄い部類だと思いますが、クリーツ(鋲)の突き上げ感はありません。これも快適に感じる要因のひとつです。
気になるサイズ感は
【桂】
サイズ感はいかがでしたか?
【塩田】
私はいつものサイズだとゆったりしている感じがしたので、ハーフサイズ落として25.5cmを選びました。
【室井】
私はいつも通りの25.5cmで大丈夫でした。
【桂】
私も塩田さんと同じく若干余裕を感じたので、ハーフサイズ下げて27.0cmにしました。まずはマイサイズか、もしくはハーフサイズ小さめを試すと良いと思います。
3人の評価はいかに
製品スペック
●発売日:2024年10月25日
●鋲タイプ:ソフトスパイク(FTS)
●締め付けタイプ:レース
●アッパー素材:人工皮革
●重さ:約405g(片足/27.0cm)
●サイズ:25.0-28.0cm/0.5cm刻み
●カラー:ホワイト/ブラック
撮影/有原裕晶
撮影協力/ベルセルバカントリークラブ 市原コース

GDO室井 プロフィール
GDOゴルフショップの新規事業担当。シューズ愛は中学時代の「エア ジョーダン」シリーズから始まり、学生時代には定期テストの時間が余ると問題用紙のウラにシューズの絵を描いて時間を潰していた。自宅の部屋に靴屋を真似たディスプレイ棚を設置し、それを見に来るだけの友人がいたほど。現在も約60足のシューズを所有している。

GDO塩田 プロフィール
GDOゴルフショップセールスプランナー。担当範囲はゴルフギア、シューズ、距離測定器等と多岐にわたる。ラウンド前には必ずコースレイアウトやコース設計家を確認し、マッチするシューズを選んでイメトレをするのが楽しみ。所有シューズは普段履きよりもゴルフシューズの数の方が多い。

GDO桂 プロフィール
GDOゴルフショップで中古クラブのセールスプロモーションを担当。188cmと長身で普段は28.0cmを履いているが、スポーツにおいては27.5cmがジャストフィットすることが多い。シューズが好きで気に入ったものをとことん履き続けるタイプ。ゴルフにおいてクラブ以上にシューズの重要性を実感している。