最新ゴルフシューズを気ままにレビューする季節もの連載。今季からゴルフテックコーチ・300ヤードヒッターの稲場智洋が、スイング技術面のレビュー担当として加入。シューズマニア室井、元中古ショップ店長の桂とともに新シューズ3兄弟を結成した。「25秋冬モデル編」の第4回はナイキの人気モデル「ヴィクトリーツアー 4」だっ！
マキロイのマスターズ制覇に貢献
【桂】
前回紹介したのはナイキの「ヴィクトリープロ4」でしたが、今回、試し履きするのはナイキの「ヴィクトリーツアー4」です。
【室井】
えっ、名前もデザインも似てますけど…。どっちがよりアスリートモデルなんですか？
【桂】
どちらかが上などはなく、2モデルともトップ選手が履くツアーモデルです。前回紹介した「ヴィクトリープロ4」はスコッティ・シェフラーが着用。今回の「ヴィクトリーツアー4」は、ロリー・マキロイ（北アイルランド）が履いています。
【稲場】
ことしのマスターズでのキャリアグランドスラム達成に貢献したシューズですね。
「ヴィクトリープロ 4」とは全く異なる履き心地
【桂】
履いた印象はどうでしたか？
【室井】
まず、ビックリするくらい履き心地が違いました。ミッドソールのクッションもアウトソールのグリップも全然違います。
【稲場】
マキロイが「ヴィクトリーツアー 4」を好きな理由がわかりました。シェフラーモデルの「ヴィクトリープロ4」はどちらかと言えば横方向の動きに強かったですけど、こちらは縦方向にパワーを使いやすい。地面を蹴って飛ばすマキロイのスイングと相性が良いと思います。
【桂】
「ヴィクトリープロ 4」はサイド方向のストッパーになる「Fly Wing」が搭載されていましたが、「ヴィクトリーツアー4」はカーボンプレートの「Fly Plate」を搭載。これは歩行時に曲がる水平方向は柔軟で、スイング時に負荷がかかる垂直方向は反発する構造になっています。
アウトソールの「星」は新感覚のグリップ
【室井】
どちらかと言えば、私は「ヴィクトリーツアー 4」の方が好きです。アウトソールのグリップが新感覚で、今までになかった発想でした。
【桂】
アウトソールの中央が星型になっていますね。
【室井】
この“星”がすごく効きます！体重をかけたときに星の周辺部分が荷重されて星の部分がたわむことで地面をつかめる。フルスイングして体重がかかったときにグリップ力が最大になるシューズです。
【稲場】
ヘッドスピードの速いゴルファーには安心感のあるシューズですね。
【桂】
傾斜から打ったときでも全くズレませんでした。
地面の情報が足にビンビン伝わる
【稲場】
グリップ力が高いだけではなく、地面を感じやすいのも魅力的です。
【桂】
同感です。足と地面の接地感が良かったです。
【室井】
地面を感じやすいシューズには2タイプあります。ひとつは高さを抑えて、アウトソールと地面との距離を低くしたシューズですが、このシューズはそうではなかった。カカトの高さもしっかりあるのに地面を感じやすい。“地面と会話できる”シューズでした。
【稲場】
フェアウェイを歩いているだけでアンジュレーションがわかりますし、グリーンでは傾斜や硬さが足にビンビン伝わってきました。
【室井】
マキロイもオーガスタの傾斜とグリーンを敏感に感じていたと思います。
気になるサイズ感は？
【桂】
サイズ感はどうでしたか？
【室井】
私はハーフサイズアップしてちょうど良かったです。指周りの余裕や高さは「ヴィクトリープロ4」よりあると思います。
【稲場】
私みたいに足型がワイドな人は通常もしくはハーフサイズアップがいいと思いました。
【桂】
逆に私は足幅がかなり狭いのでいつも通りで大丈夫でした。カカトが浮きにくい感じがしてフィット感も良かったです。
3人の評価はいかに
製品スペック
●鋲タイプ：ソフトスパイク
●締め付けタイプ：レース
●アッパー素材：合成皮革、合成繊維
●重さ：440g(27.0cm／片足)
●サイズ：24.0cm～29.0cm／0.5cm刻み
●カラー：ブラック／ホワイト／ダークスモークグレー、サミットホワイト/チームレッド（記事内の写真はブラック／ホワイト／ダークスモークグレー）
撮影／有原裕晶
撮影協力／ベルセルバカントリークラブ 市原コース
