ELYTE X ドライバーを西川みさとが試打「大きな動きでつかまりアップ」
石川遼も選んだドローバイアス設計 HS40m/s未満の女子プロ評価は!?
ELYTE X ドライバーをHS40未満の女子プロが試打したら…【西川みさと】
AIを駆使し、コントロールポイントを前作比10倍の2万5000個にして補正精度をより上げたキャロウェイ「ELYTE」シリーズ。ドローバイアスモデル「ELYTE X ドライバー」は、やさしさ重視というイメージが強かったが、先週の「ニュージーランドオープン」にて石川遼のバッグに入っていたことで、中上級者からの関心も集まっている。そんなプロにも選ばれるつかまりのいいモデルを、HSの異なる有識者3人が採点。まずは、1WがHS40m/s未満の女子プロ・西川みさとが試打評価を行った。
「“キャロ顔”度は抑えめ HS30台後半~40m/s前後が恩恵を受ける1W」
―率直な印象は?
「従来の“キャロ顔”と呼ばれる丸みを帯びたヘッド形状より、若干スッキリして見えます。後方の面積が横長(フェースと最後部までが長い)ではなく、操作性が劣りそうな大き過ぎるシルエットには見えませんでした。同社ユーザー以外でも違和感なく構えられるヘッド形状だと思います。これまでの流れからは少し変化を感じるドローバイアスモデルといえるかもしれません」
―前作で“キャロ顔”の特徴は少し薄らいだと言っていましたが?
「確かに、2023年発売の前々作『パラダイム X ドライバー』が特徴的だったので、そこから比べれば前作『パラダイム Ai スモーク MAX D ドライバー』も今作もかなり薄まった感じはあります。ですが、キャロウェイ独自の特徴はしっかり継続されていて、フェース面の丸み(バルジとロール)が小さく、他社と比べてストレートに見えるところは同社ならでは。色味もシンプル過ぎず、前作の明るいグレーからややダークに締まった感じにはなっていますが、前シリーズ『パラダイム』同様にそこまで真っ黒でハードなイメージは湧かない。程よくアスリートで程よくやさしさを感じる絶妙なデザインに仕上がっています」
―実際に打ってみた感想は?
「インパクトゾーンでのヘッドの返る動きが強いというか、大きな弧を描くイメージが湧きました。ボールのつかまり具合はやや強め。ドローヒッターの私にはその動きがやや大き過ぎて、弾道は少し低く左に行っている感じがありました。ですが、逆を言えばそこはモデルの特徴であるドローバイアスがしっかり効いている証拠。スライスに悩む人の立場で考えると、しっかりボールをつかまえる性能に仕上がっているといえます」
―コアモデル「ELYTE ドライバー」と比べると?
「同時期発売のテーラーメイド『Qi35』シリーズは、コアモデル『Qi35』と慣性モーメントの大きい『Qi35 MAX』の関係性がかなり近づいたとお伝えしましたが、同社コア『ELYTE』と『ELYTE X』は、それぞれモデルごとの特徴をキープしていて区分けが明確。今作『―X』のほうがヘッドの返る動きが強く、コアはそれに比べて動きは抑えめ。ただ、低スピン性能は共通していて、球質が強いところは類似しています。強弾道で飛ばしていける性能は、シリーズの一貫した特徴なのかもしれません」
―純正シャフトの印象は?
「今回は『VENTUS 50 for Callaway』を使用しましたが、このままのモデルで硬さだけ替えればアジャストしてくれそうです。もう少ししなり量があれば、ぴったりハマってくれそう。ボールが左に低く飛び出るということは、もうちょっとタイミングをズラしてシャフトのしなりを利用して、打ち出し方向を右に高く上げれば問題なし。それを自分で意識して行うのではなく、クラブの性能でロフト角通りに出せれば理想的なので、適正の硬さはRかSRでしょうか。ロフト角も、今回使用した10.5度より上げてもいいのですが、シャフトをやわらかくするだけで出球が上がるかもしれないので、まずはフレックスのみ変更して試してみたいと思いました」
―どのような人向き?
「ヘッドの大きな動きをうまく使うなら、ボールのつかまりに悩んでいる人向けになるでしょう。もちろん以前から同社ファンで、同社製ドライバーを使い続けている人がメイン対象にはなるのですが、特にすごく特徴のあるモデルでもないため、シンプルにボールのつかまりで悩んでいる人は、試してみてもいいかもしれません。私のHS(平均34m/s)より速い人が打てば、より弾道は上がって飛ばせる確率は上がると思います。また、HSが遅ければ遅い人ほど、ヘッドの大きな返りでしっかりサポートしてくれる。大幅な飛距離アップを期待するなら、HS30台後半~40m/s前後が一番恩恵を受けそうな気がしました」
やはり対象はスライサーか ドローヒッター西川にはややつかまり過ぎ…【総合評価3.9点】
【飛距離】3.5
【打 感】4.0
【寛容性】4.0
【操作性】4.0
【構えやすさ】4.0
・ロフト角:10.5度
・使用シャフト:VENTUS GREEN 50 for Callaway(硬さS)
・使用ボール:リトルグリーンヴァレー船橋専用レンジボール
取材協力/トラックマンジャパン株式会社、リトルグリーンヴァレー船橋
