ELYTE X ドライバーを小山内護が試打「DIを挿して打ってみたい」
石川遼も選んだドローバイアス設計 ジャンボ軍団の元祖300ydヒッター評価は!?
ELYTE X ドライバーをジャンボ軍団の飛ばし屋が試打したら…【小山内護】
AIを駆使し、コントロールポイントを前作比10倍の2万5000個にして補正精度をより上げたキャロウェイ「ELYTE」シリーズ。ドローバイアスモデル「ELYTE X ドライバー」は、やさしさ重視というイメージが強かったが、先週の「ニュージーランドオープン」にて石川遼のバッグに入っていたことで、中上級者からの関心も集まっている。そんなプロにも選ばれるつかまりのいいモデルを、HSの異なる有識者3人が採点。ジャンボ軍団の元祖300ydヒッター・小山内護が試打評価を行った。
「つかまり過ぎることなし! 対象HS違いのコア同等性能」
―率直な印象は?
「オール5点満点だったコアモデル『ELYTE ドライバー』と同等に、抜群のフィーリングと低スピン性能を有しています。ドローバイアスモデルとしても、同シリーズの一貫した飛距離性能は共通していると思います。コアより若干弾きが強く、球離れが速い部分はありますが、適正HSで振ればそこもマイナス点にはならないでしょう。私のトップスピードであるHS50m/s近くになると、若干バックスピン量が増えて操作性が落ちてしまう印象は受けましたが…」
―コアのときに抜群だったフィーリングは同じ?
「そうですね。心地よくボールがフェースに乗る食いつき感は同等に味わえ、程よく弾いて飛んでいく感じも類似しています。ただ、それもHS45m/s前後までという条件付き。今回、HSを調整して打ってみましたが、50m/s近くになるとさすがに弾きも強く、打感の良さまでを感じるに至りませんでした…。HS45m/s以下なら、私がコアに満点を付けたように最高の評価となるでしょう」
―コアとの見た目の違いは?
「比較すると、今作はコアよりトウ側にボリュームがあり、全体的にひと回り大きく感じます。フェースの見え方にも違いがあり、今作はほぼストレートで真っすぐな分(上から見ると)ロフトはやや立って見受けられ、ターゲットに向けやすくシンプルで構えやすく感じます。コアは、トウ側が逃げていてヒール側に盛り上がりのある形状。ヒール側の面が視認できて安心感を抱ける一方、トウの逃げでつかまり過ぎる感を出していないところが、中上級者やプロといった玄人向けの顔立ちといえます」
―ドローバイアス設計『―X』は、正直つかまり過ぎる?
「いいえ、そんなことはありません。基本的に左右どちらかに曲がる可能性はあっても、適正HSで振れば低スピン性能であるので、極端に左につかまり過ぎることはないです。スピンが多いから曲がるわけで、スピン量が少なければサイドスピンも減るわけだから直進性は高い。私のように長年ゴルフをしている人には、良くも悪くも最新の低スピントレンドを踏襲していると感じられます。昔は自身でフックを打とうとすれば、90度くらい曲げられましたから(大笑)」
―カスタムするなら、どのように調整する?
「HSが40m/s台後半の人は、組み合わせるシャフトを慎重に選んでほしいです。しなる量もタイミングも、自分のスイングにマッチしたモデルで、HSにばっちり合ったシャフトを挿れるべき。そうでないと満点なヘッド性能は引き出せず、飛距離も伸びないでしょう。私がいま使用しているグラファイトデザイン『ツアーAD DI』を入れれば、化ける可能性は大いにあると思います。ツアー系ハードなシャフト×ハードなヘッドで、スイングでどうにかしていた時代は過去の話。いまやツアー系シャフト×やさしいつかまりのいい今作のようなヘッドの組み合わせが主流です」
―どのような人向き?
「年齢関係なく、HSが35~45m/sまで。30m/s台後半でも、シャフトスペックを40Rまたは50Rで合わせれば、ボールの上がりにくさは解消できる。また、カチャカチャ機能でロフト角を-1~+2度まで調整できるので、対象ゴルファーは本当に幅広いと思います。ロフト角+2、シャフトの硬さRを選べば、男性だけでなく女性ゴルファーもターゲット層に入るでしょう。それほどやさしく飛ばせるモデルだと思います」
オール5のコアに続き高得点! 飛距離&打感を評価【総合評価4.6点】
【飛距離】5.0
【打 感】5.0
【寛容性】4.0
【操作性】4.0
【構えやすさ】5.0
・ロフト角:10.5度
・使用シャフト:VENTUS GREEN 50 for Callaway(硬さS)
・使用ボール:リトルグリーンヴァレー船橋専用レンジボール
取材協力/トラックマンジャパン株式会社、リトルグリーンヴァレー船橋

小山内護(おさない・まもる) プロフィール
1970年6月19日生まれ、東京都出身。日体荏原高校時代にゴルフを始め、卒業と同時にジャンボ軍団入り。豪快なドライバーショットを武器に98年「サントリーオープン」、翌年「日本プロゴルフマッチプレー選手権」を含むツアー通算4勝を飾る。現在シニアツアーに参戦しながら、プライベートゴルフスタジオ「Favorite J-Golf」を運営。