ELYTE MAX FAST ドライバーを小山内護が試打「ゴルフが好きになる1W」
日本人向けにフィットさせたELYTE ジャンボ軍団の元祖300ydヒッター評価は!?
ELYTE MAX FAST ドライバーをジャンボ軍団の飛ばし屋が試打したら…【小山内護】
弾道を補正するポイントを前作比10倍に増加させた「Ai 10x FACE」によって、飛びとやさしさを両立したキャロウェイ「ELYTE」シリーズ。軽量モデル「ELYTE MAX FAST ドライバー」は、アジア人のスイングデータのみをAIに活用し、日本人のスイング特性によりフィットさせるプロダクトとなっている。そんな振りやすさを増したモデルを、ヘッドスピード(以下HS)の異なる有識者3人が採点。ジャンボ軍団の元祖300ydヒッター・小山内護が試打評価を行った。
「テーラー『MAX LITE』よりやさしい! 完全ビギナー限定モデル」
―率直な印象は?
「軽いけれどヘッドがブレにくく、レディスほど軟(やわ)ではない、同時期発売のテーラーメイド『Qi35 MAX LITE ドライバー』とほぼ同レベルのやさしさを感じます。ピンでいえばHL(『G440 HL MAX ドライバー』『G440 HL SFT ドライバー』)と、最近では各社から新商品のシリーズが出る際は必ず軽量モデルがラインアップされている。各メーカーそれぞれが、これからゴルフを始めようとしている人へのアプローチも、しっかり考えていることが分かる傾向といえます」
―やはり初級者向け?
「そうですね。HSも30m/s台後半で振ればいい球が出ていたので、パワーに自信がなくて、腕前は平均スコア100前後が対象。90~120くらいで、たまに90台で回れるようなユーザーがメインターゲットになるでしょう。男性より女性ゴルファーが多く当てはまるかもしれません」
―「Qi35 MAX LITE」と悩んだ場合、どこを基準にするべき?
「『Qi35 MAX LITE』と同類と言いましたが、厳密には、その扱いやすさは微小な違いがあります。初級者がどこまでゴルフをしたいか、どこまでうまくなりたいかが選択のポイントになるでしょう。比較的に今作はかなりビギナーに照準を絞っていて、『MAX LITE』よりつかまりが良く、ボールは上げやすい。競技に出るくらいまで使えるアスリート派向けの『MAX LITE』に対し、コースは年4~5回くらいで、日頃は練習場に行かないエンジョイ派向けが『MAX FAST』。将来的に買い替えを考えたくない人なら『MAX LITE』、ドライバーショットが楽に飛ばせてゴルフがすぐに好きになりたいなら『MAX FAST』という選び方でいいと思います」
―他の兄弟モデルと比べると?
「今作は同シリーズの他3モデル(『ELYTE ドライバー』『ELYTE X ドライバー』『ELYTE ◆◆◆ ドライバー』)とは、結構かけ離れた性能に感じます。コアと『―X』はかなり近しい関係性で、顔の好みで選んでも支障が出ないくらい近しい間柄。『―◆◆◆』はもちろんプロ向けの上位モデルですが、それでもコアor『―X』とかけ離れている印象はありません。初級者が今作を購入した場合、ある程度上達した段階でコアか『―X』への買い替えは必須。逆にロースピンモデル『―LS』が他3モデルとかけ離れたテーラーメイド『Qi35』シリーズとは違った性能分布になっている印象です」
―意外とアベレージゴルファーの真ん中(ボリュームゾーン)が空いている?
「いえいえ、今作が離れているだけで、ボリュームゾーンはコアと『―X』の2モデルがカバーしてくれています。逆を言えば、男性の初級者ゴルファーなら、コアか『―X』が十分に選択肢に入る。今作がかなり使用者を絞った性能というだけで、決して真ん中が空いているわけではありません。それだけ今作が初級者に絞って、ビギナーに完璧なパフォーマンスを発揮する性能ということです」
―初級者以外、どのような人向き?
「レディスでは満足できない女性、または年齢を重ねてHSが落ちてきた70歳以上のシニアゴルファー向き。楽に弾道が高く上がり、しっかり飛んでくれるのでゴルフへの熱を冷まさず持続してくれる。ティショットが曲がったり、飛ばなくなってしまって挫折して、ゴルフが嫌いになってしまっては本末転倒です。ゴルフへの好奇心をキープしてくれるので、一緒に趣味を共有したい未経験の友人や彼女へのプレゼントに最適だと思います」
似ているけれど違いあり! MAX LITE評(4.6)とは違う採点【総合評価4.0点】
【飛距離】4.5
【打 感】4.0
【寛容性】4.0
【操作性】4.5
【構えやすさ】4.5
・ロフト角:10.5度
・使用シャフト:LIN-Q GREEN 40 for Callaway(硬さS)
・使用ボール:リトルグリーンヴァレー船橋専用レンジボール
取材協力/トラックマンジャパン株式会社、リトルグリーンヴァレー船橋

小山内護(おさない・まもる) プロフィール
1970年6月19日生まれ、東京都出身。日体荏原高校時代にゴルフを始め、卒業と同時にジャンボ軍団入り。豪快なドライバーショットを武器に98年「サントリーオープン」、翌年「日本プロゴルフマッチプレー選手権」を含むツアー通算4勝を飾る。現在シニアツアーに参戦しながら、プライベートゴルフスタジオ「Favorite J-Golf」を運営。