コブラ DS-ADAPT LS ドライバーを小山内護が試打「今季で最もやさしいLS」
適応力抜群のスタンダードモデル ジャンボ軍団の元祖300ydヒッター評価は!?
コブラ DS-ADAPT LS ドライバーをジャンボ軍団の飛ばし屋が試打したら…【小山内護】
コブラ史上最速かつ最適なフィッティング設定を備えた「DS-ADAPT」シリーズ。革新的テクノロジー「FutureFit 33」を備え、ロフトとライ角を独立して動かせることにより33通りの弾道調整を可能にした。そんなADAPT(適応)力抜群のシリーズから、ロースピンモデル「DS-ADAPT LS ドライバー」を、ヘッドスピード(以下HS)の異なる有識者3人が採点。ジャンボ軍団の元祖300ydヒッター・小山内護が試打評価を行った。
「LSっぽさがないLS しっかり上がってつかまるプロモデル」
―率直な印象は?
「シャフト選びさえ間違わなければ、構えやすくて扱いやすい高評価なモデルです。そこまでロースピンという感じではなく、しっかり弾道が高く上がってくれます。見た目は私の好きな顔で、フェース面のトウ側が逃げていて、ヒール側が少し(前に)出ている安心感を抱けるフォルム。『LS』=上級者向きというイメージを払しょくするほど、基本的には中上級者が好むドライバーですが、アベレージゴルファーも使用できるやさしさを持ち合わせています」
―そこまでやさしい…?
「はい。はっきり言ってしまうと、ロースピン性能はそこまで特化しているようには感じません。他の兄弟モデルも打ちましたが、全機種そろってボールの上がりやすさを感じます。『LS』と他モデルとのスピン性能の差がないからこそ、シンプルにつかまりやすさのみで選べる4機種といった雰囲気。『DS-ADAPT MAX-D ドライバー』<『DS-ADAPT MAX-K ドライバー』<『DS-ADAPT X ドライバー』<『LS』の順で、だんだんとつかまりを抑えた性能になっています。顔立ちで大別するなら『X』と『LS』は上級者向けのルックス、『MAX-D』『MAX-K』は誰でも扱えるやさしいルックス。2本(XとLS)、2本(MAX-D、MAX-D)で分けられます」
―『―X』と同じ目線で選んでいい?
「そうですね、プレーヤーの好みでどちらも使える仕様です。顔的にはそれほど変わらないので、あとは振り心地と微小なつかまりの差で選べる幅の広い2モデルに仕上がっています。打感はどちらもやわらかく、ボールの上がり具合もほぼ一緒。最近の低スピンボールの傾向を踏まえたヘッドなのか、あえて競技志向の強い人からアベレージゴルファーまで使えるモデルとなっています。これまでのハードで強弾道が出るコブラのイメージとはちょっとかけ離れたドライバーになっています」
―“じゃじゃ馬”な感じは全くない?
「低スピン性能に特化した“じゃじゃ馬”的性能は影を潜め、どちらかと言うと国内ユーザー向けの地クラブメーカーに近い印象です。主要の外ブラ(テーラーメイド、キャロウェイ、ピン)と比べても、かなり日本人ゴルファー向けな感じがします。だからこそ私には、4機種中1つくらいは、よりロースピン性能に長けた高さを抑えるクラブであってほしかったというのが本音。見た目がブラックで締まって見え、プロ仕様の外観の割には、性能面でギャップを抱く人もいるのかなと思いました」
―競技仕様にするならどうカスタムする?
「まずロフト角は9度を選び、自分のマイシャフトであるグラファイトデザイン『Tour AD DI』を挿れてみたいです。同時期発売のテーラーメイド『Qi35 LS ドライバー』、キャロウェイ『ELYTE ◆◆◆ ドライバー』、ピン『G440 LST ドライバー』と比べても、最もやさしさがあるので、同じセッティングでもまた違った飛びを得られる気がします。『LS』でもビッグキャリーで攻めたい層にリーチできるのではないでしょうか」
―どのような人向き?
「今まで『LS』モデルを使いたいと思っていても、なかなか手を出せず、スタンダードモデルを使い続けてきた競技者ゴルファー。まだまだ自分は『LS』を使いこなせるレベルではないと諦めていたゴルファーに、明日からすぐに使える一本として最適だと思います。また、弾道的には全般的に低めで、たまにスライスボールが出てしまう中級者も当てはまるでしょう。あとは、組み合わせるシャフト次第だと思うので、好みのシャフトで間口の広がった『LS』ヘッドを味付けしてもらうのがいいのではないでしょうか」
間口の広がったコブラのLS 打感と構えやすさで満点【総合評価4.4点】
【飛距離】4.0
【打 感】5.0
【寛容性】4.0
【操作性】4.0
【構えやすさ】5.0
・ロフト角:10.5度
・使用シャフト:SPEEDER NX for COBRA(硬さS)
・使用ボール:リトルグリーンヴァレー船橋専用レンジボール
取材協力/トラックマンジャパン株式会社、リトルグリーンヴァレー船橋

小山内護(おさない・まもる) プロフィール
1970年6月19日生まれ、東京都出身。日体荏原高校時代にゴルフを始め、卒業と同時にジャンボ軍団入り。豪快なドライバーショットを武器に98年「サントリーオープン」、翌年「日本プロゴルフマッチプレー選手権」を含むツアー通算4勝を飾る。現在シニアツアーに参戦しながら、プライベートゴルフスタジオ「Favorite J-Golf」を運営。