プロギア 03 アイアンを筒康博が試打「飛距離ダウンの駆け込み寺」

さらなる“飛び”を図った2代目「03」 ご意見番クラブフィッターの評価は！？

プロギア 03 アイアンをご意見番クラブフィッターが試打したら…【筒康博】

プロギアのフラッグシップモデル「プロギア アイアン」シリーズより、新たにリニューアルした「03 アイアン」。飛距離性能とスマート形状を両立したモデルの2代目として、今作はバックフェースの外周をぐるっと囲った「オーバルキャビティ」構造を採用した。重量配分も最適化され、さらなる低重心&フェースセンター重心を達成。そんな同社自信作をヘッドスピード（以下HS）の異なる有識者3人の採点。ご意見番クラブフィッター・筒康博が試打評価を行った。

• HS40未満の女子プロ・西川みさとの場合

「構造変化でフィーリングが大幅向上 スコアか飛距離に悩んだらコレ！」

―率直な印象は？
「飛距離性能や見た目のシャープさはもちろん目を引きますが、一番印象的だったのは打感です。インパクトの瞬間にボールがフェースに食いつき、想像以上に気持ちよさを得られます。何より打感がやわらかく、スイートエリアが広く感じられる。ロフト角が立っている設定なので（7Iで26度）、他モデルと比べてそこまで高さが出る感じはない。5番あたりになると思うように上がり切るかが心配…。ただ、7番ではしっかり飛距離は稼げていましたし（平均167.8yd）、打感の感触がとにかく良かったので、総合的にマイナスに思うほどではありませんでした」

―見た目の評価は？
「前作（2022年発売モデル）同様にヘッドサイズは大きめで、安心感を抱けるサイズ感です。アイアンにやさしさを求めるゴルファーが増えた今、ちょうど人気が集まりそうなミッドサイズ。しかも、見た目の安心感がある半面、ソール面の当たりが適度に抑えられていて抜け感は抜群。幅広ソールの邪魔な部分を一切感じません。フェース長は私の好みより若干長めで、操作性より直進性を重視している部分は見受けられます。ですが、そもそものコンセプトが真っすぐ飛ばすモデルなので、特に気にするところではないでしょう」

―バックフェースの変化はどう影響している？
「そうですね。構えたときのフェースの見え方は変わりませんが、ポケット→オーバルキャビティへの変化は大きいと思います。ポケットキャビティのデメリットは、空間があることで反響音が生まれ、弾きの強い硬い打感のイメージを受けてしまうところ。一方、今作は明らかにゴルファーの求める気持ちよさを引き出してくれています。フィーリングは明らかに改善された印象を受けました」

―重量配分の最適化の効果は？
「うーん…そうですねぇ。前作から構造を変え、当然重心は下がっていると思いますが、重量配置が絶妙で際立っているとは言い切れません。それよりもフィーリング向上のほうが印象は強く、ボールの食いつきを得られるメリットのほうが大きい。ユーティリティっぽく飛距離が出る結果とは裏腹に、軟鉄鍛造のやわらかさが得られる。そこが海外ブランドにはない、国産だからこそのメリットが凝縮されている気がしました」

―あえて気になるデメリットは？
「以前も同じことを言ったかもしれませんが、ネーミング『03』がどのポジションでどういう立ち位置かが、不明瞭で分かりにくい点。『01』～『05』まで全モデルをじっくり打ち比べる機会のある人はいいのですが、情報だけで『03』の特徴をつかもうとしている人には把握しにくいでしょう。同じ番号の付け方で販売しているメーカーがないため、同社アイアンシリーズに余程詳しい人以外は、どのような特性のモデルなのかが少し分かりにくい気がしました」

―どのような人向き？
「基本的にスコアか飛距離に悩んでいるゴルファー向け。これからスコア100を切りたい、7番で150yd出せるように戻したいという願望をかなえてくれるアイアンです。メインターゲットは、簡単に振り切れて飛ばせるアイアンを求めている人になるでしょう。例えるなら、悩みを全て救済してくれる“駆け込み寺”。とにかくアイアンショットに悩んだら、一度はぜひ試してほしいです」

打感向上を実感！ 飛距離とともに5点満点【総合評価4.5点】

【飛距離】5.0
【打 感】5.0
【寛容性】4.5
【操作性】4.0
【構えやすさ】4.0

・ロフト角：26度（7I）
・使用シャフト：Diamana M FOR PRGR、スペックスチールIII Ver.2（どちらも硬さS/M-43）
・使用ボール：リトルグリーンヴァレー船橋専用レンジボール

取材協力／トラックマンジャパン株式会社、リトルグリーンヴァレー船橋

• 西川みさとは…「アイアンの飛びに悩んだら」