「Qi35」FWシリーズを打ち比べ HS40m/s未満の女子プロ評価は！？
Qi35 MAX フェアウェイウッドをHS40未満の女子プロが試打したら…【西川みさと】
今回は、カーボンウッドで“10K”時代をリードするテーラーメイドのフェアウェイウッド（以下FW）を打ち比べる。ツアープロだけでなく多くのアベレージゴルファーから支持を得ている「Qi35」シリーズ。オールラウンドなパフォーマンスを発揮する同社自信作を、ヘッドスピード（以下HS）の異なる有識者3人の採点。まずは、HS40m/s未満(1W)の女子プロ・西川みさとが、高弾道で直進性に優れた「Qi35 MAX FW」を試打評価する。
「見た目も打感もマイルドに とにかくボールを拾ってくれるFW」
―率直な印象は？
「見た目は大型すぎるくらい大型サイズで、試打前はやさしすぎてしまうかなと危惧していたのですが、そんな心配はご無用。FW、特に試打した3Wは、芝の上から打つ前提のクラブの中では最も長い番手で（※市販では滅多に見ない2Wを除く）、やさしく見えることに越したことはないと、再認識させてくれるモデルでした。非常に上下の厚みが薄いシャローヘッドで、ソールしたときにペタッと地面に貼り付くように落ち着く分、ボールを拾ってくれるイメージがすごく湧く。実際に打っても、ボールは高く上がってくれて、打つ前から安心して振っていけるFWになっています」
―同シリーズ「Qi35」のドライバーと同じ評価？
「そうですね、ドライバーも前作よりボールが上がりやすいと評価しましたが、FWも同様のやさしさが備わっている気がします。特にクラウンの色味が明るいグレーの配色で、ブラック一色より軽く見える分、最初にパッと構えた第一印象からマイルドな雰囲気を感じる。ドライバーと同じように、やさしさをカラーリングで連想でき、安心感を抱けくことができました」
―他の兄弟モデルと比べると？
「4機種ともヘッドサイズが分かりやすいほど違い、それぞれ明確に特徴を表現しています。ロフト角では、今作『―MAX』と軽量モデル『Qi35 MAX LITE FW』は3Wで15.5度となっていて、従来モデルの設定(15度)より0.5度寝ているからか、ボールを拾いやすく感じました。コア『Qi35 FW』は、もちろんやさしい性能ではありますが、思っていたより精悍。『―MAX』との差を顕著にしたかったのか、予想以上に小ぶりな操作性のいいヘッドに仕上がっています。ツアーモデル『Qi35 TOUR FW』はコア以上に小ぶりで、思っていた通りの難しさ。見た目からして、パワーがないとボールが上がり切らないのは、イメージそのままです。『―MAX LITE』は、もちろんより振り心地が軽快で高さも出やすい、やさしさを有した性能。ただ、意外なほど『―MAX』に類似していて、実はそこまで大きな違いは感じなかったです」
―3Wで15.5度という設定は魅力的？
「はい。ドライバーの次にロフト角が立っている3Wは、14本の中で一番難しいクラブだと思っています。芝の上から打つ場面は限られ、余程ボールが浮いている状況か、左足上がりなどでボールが上がるライくらい。そこでこの“+0.5”の設定は、少しでも安心感を抱かせてくれる要素として、気持ちの面で大きな拠り所になり得ると思いました。数値としてはほんのわずかな微差ですが、プレーヤーのメンタル的にかなり大きな意味のある設定と感じました」
―最近では、女子ツアーでも3Wはバッグに入れていない？
「レギュラーツアーに出ている選手らは、HSが速く（1WのHS41～42m/s)パワフルなスイングなので3Wに苦手意識はなく、バッグインしています。私らレジェンドツアーのプロは、最近よく『もう15度はキツい』と話していますよ（笑）。3Wで頑張って打って上がり切らない弾道と、5Wでしっかりキャリーが出せた弾道では、距離はほぼ一緒。ティショット限定で使うならアリだと思いますが、最近では、ロングホールのセカンドなら迷わず5Wか7W、もしくはユーティリティを選びます。それでも飛び姿が変わらないと思う今日この頃です…」
―どのような人向き？
「アマチュアの皆さんのプレーを見ていると、FWをなかなかうまく打てずに悩んでいる人が多い印象を受けます。今作は、そういう人にぜひ使ってもらいたい。ドライバーはコア『Qi35 ドライバー』を使っていても、FWは『―MAX』という風にコンボしてもいいですし、3Wだけ『―MAX』にしてもいいでしょう。FWは意外とコアとの違いが大きく、やさしさで選ぶなら断然『―MAX』。その要因が“+0.5”の差にあるのか、ヘッドの大きさなのかは分からないですが、同シリーズドライバーのコアとの関係性より、だいぶ性能差は開いている印象です」
やさしさMAXがどハマリ 西川納得のオール4.5【総合評価4.5点】
【飛距離】4.5
【打 感】4.5
【寛容性】4.5
【操作性】4.5
【構えやすさ】4.5
・ロフト角：15.5度（3W）
・使用シャフト：Diamana BLUE TM50（硬さS）
・使用ボール：リトルグリーンヴァレー船橋専用レンジボール
取材協力／トラックマンジャパン株式会社、リトルグリーンヴァレー船橋
