「ELYTE」FWシリーズを打ち比べ HS40m/s未満の女子プロ評価は！？
ELYTE X フェアウェイウッドをHS40未満の女子プロが試打したら…【西川みさと】
ボールを補正してくれるコントロールポイントが前作比10倍となる「Ai 10x FACE」を搭載した「ELYTE」シリーズ。同シリーズFWは、打点のバラつきとフェース下部でのインパクトに着目して開発され、スピードと寛容性を高い次元で両立させた。そんな同社自信作を、ヘッドスピード（以下HS）の異なる有識者3人が採点。まずは、HS40m/s未満(1W)の女子プロ・西川みさとが、高弾道ドローモデル「ELYTE X FW」を試打評価する。
「ドローバイアス抑えめ 同シリーズ1Wとは違った印象」
―率直な印象は？
「ドローヒッターの私には、同シリーズの『ELYTE X ドライバー』はドローバイアスがかかり過ぎていてうまく打つことができなかったのですが、FWではそのつかまり具合が抑えられ、ミスを怖がることなく打ちやすく感じました。ドライバーのときに出ていた左へ巻き込むミスがなくなり、思い切って振っていける。“高弾道ドローモデル”ということですが、高弾道はそのままにほぼストレートに近い曲がり幅の小さいドローが打てる印象です」
―見た目の評価は？
「性能面とは裏腹に外見では、微小な“つかまり顔”が気になってしまいました。これがメリットと感じ、安心感につながるという声は多いはずですが、私にはどうしてもボールが左に飛んでいきそうなイメージが湧いてしまう…。サイズはコアモデル『ELYTE FW』より若干大きく、ちょっぴり安心感を抱ける。ドライバーのコアと『―X』の関係性に比べたら微差ですが、性能面よりも見た目からのドローモデルイメージを感じました」
―ボールの拾いやすさは？
「同時期発売のテーラーメイド『Qi35』シリーズの『Qi35 MAX FW』はかなりシャロー形状で拾っていけるイメージが湧きましたが、今作も同じようなシャローな顔立ち。やさしくボールを拾い上げられそうなフォルムです。15.5度というやや寝ているロフト設定“+0.5”のメリットを語りましたが、それと変わらないくらい打ち出しの高さが出ていました（平均15.3度 / ※Qi35 MAXは15.8度）。比較的につかまるヘッドのほうがボールは上がりやすいので、私には『MAX』『X』のカテゴリーがマッチしているのだと再認識しました」
―他の兄弟モデルと比べると？
「プロ上級者向け『ELYTE ◆◆◆ FW』が一番小ぶりで、次がコアとフルチタンモデル『ELYTE TITANIUM FW』、そして一番大きいのが『―X』。それでも今シリーズのコアと『―X』は、『Qi35』シリーズのコアと『―MAX』ほどの大きさの違いほどかけ離れていません。比べると、ちょっと安心できるかなと思える程度の差。実は性能面も近く、ボールの上げやすさは全モデル総合的に上がりやすい。比較的に兄弟モデルの関係性は、他社と比べて近いように感じます」
―4機種から選ぶとしたら『―X』？
「うーん…、迷いますが少しの差で『―TITANIUM』ですかねー（笑）。もちろん『―X』もすごく良いのですが、よりシャープ顔でスマートに見え、打感もチタンヘッド特有の適度に当たりのしっかりした感じが心地いい。以前、オノフのチタンヘッド『KURO』シリーズFWを使用していたせいもあって、チタンのフィーリングが忘れられないだけかもしれません。ただ、やさしさで選ぶなら断然『―X』なので、実際に選ぶとしたらどちらにしようか相当悩むと思います」
―どのような人向き？
「今作がユニークな点は、対象が真逆となるユーザー双方に向いているところ。FWが苦手でボールがつかまらず、スライスで悩んでいる人向きでありながら、私のようにドローヒッターでしっかりつかまえられるけれど、逆につかまり過ぎを恐れている人にもマッチする。ちょうどよく気持ちよくつかまる性能なので、かなりターゲット層が拡大した印象。『―X』だけどX、Xし過ぎず、コア寄りだけどコアより見た目の安心感が抱ける。同シリーズドライバーとはまた違った性格なので、組み合わせる際は少し注意が必要です」
「X、Xし過ぎない」ところが逆に高評価【総合評価4.2点】
【飛距離】4.5
【打 感】4.5
【寛容性】4.0
【操作性】4.0
【構えやすさ】4.0
・ロフト角：15度（3W）
・使用シャフト：VENTUS GREEN 50 for Callaway（硬さS）
・使用ボール：リトルグリーンヴァレー船橋専用レンジボール
取材協力／トラックマンジャパン株式会社、リトルグリーンヴァレー船橋
