アイアンに大事な3つの『D』知ってますか? NEW Tシリーズに見る「アイアンショット最前線」
■「3D」のバランスがスコアを左右する
――同じ打ち方で「T150」のほうが飛距離が出るなら、そちらのほうがいいということですか?
そこはどんな性能を重視するかによって変わってきます。確かに他の3モデルと比べると「T100」はキャリー飛距離は出ていませんが、「ばらつき」の「D (ispersion)」のほうで考えると着弾点の範囲円は4モデルの中でもとくに小さいです。それに、7番アイアンでキャリー「170yds」というのが、自分にとって「不足」なのか「十分」なのかということも考える必要がありますね。
――3つの「D」の兼ね合いで、どれが自分のゲームをいちばんアシストしてくれるかが大事ということですね
その通りです。そういう視点で最後の「落下角度」の「D(escent)」を見ていくと、ロフトが立っている「T250」、「T350」でも十分な落下角度が確保されていて、ピークハイトも高いことがわかります。
■ストロングロフトでも止まる! Tシリーズのヘッド性能
一般的にストロングロフトアイアンは前に飛ぶ推進力が強い分、弾道は低めでグリーンに止まりにくいという弱点を持っていますが、たとえば「T250」ぐらい落下角度45度以上高く上がって、5500rpmくらいのスピン量があれば、普通のグリーンならちゃんと止まるはずです。
――それはヘッドの性能によるものでしょうか
ヘッドの形状、構造、内部のタングステン分割配置などによって、モデルごとに最適な位置に重心がコントロールされているというのが大きいと思います。今回は7番アイアンで比較していますが、もちろん番手によっても求められる性能は少しずつ変わります。
■モデルを自在にブレンドできる魅力
実際、「T100」と「T350」だと場合によっては同じ7番でも2番手くらい飛距離が変わるということですから、他のモデルの7番の次に「T350」の7番を入れるという選択肢も出てくるかもしれません。
バッグの中でモデルを自由に「ブレンド」できるというのも「Tシリーズ」の魅力ですので、次回は「ブレンディング」についてお話します。
目澤秀憲(めざわ・ひでのり)
1991年、東京生まれ。日大(ゴルフ部)卒業後に、米国での語学留学を経てインストラクター養成の権威であるTPI(タイトリスト・パフォーマンス・インスティテュート)の最高水準であるレベル3を複数科目で取得。2021年には松山英樹のマスターズ優勝をサポート。常に世界最先端の技術をインプットしているコーチとして知られ、今季は金子駆大、永峰咲希、櫻井心那の優勝をサポート。
協力:タイトリスト フィッティング センター(ザ・カントリークラブ・ジャパン総合練習場内)
テキスト:菅原大成
撮影:有原裕晶
イラスト:酒井恵理
























