クラブは“顔”が命! 2019秋の最新アイアンを見比べ隊(前編)
アイアン総勢16本! 前編(8本)は“外ブラ”中心に
国産ブランドの話題作が連発した今秋のドライバー編に続き、アイアン編は外国産ブランドも入りまじり、注目商品が勢ぞろい。選りすぐりの16本を集め、クラブ設計家・松尾好員氏の解説付きでご紹介。前編ではタイトリストTシリーズ、テーラーメイドP790、キャロウェイ エピックといった“外ブラ”を中心に8本をお届けする。
上下左右への操作性抜群「T100」
タイトリスト「T100 アイアン」はプロモデルらしく、短いフェース縦の長さとストレートネックで操作性の高さを感じます。ストレートなトップラインは、アドレスした際に“逃げ感”をもたせ、フェード系弾道をイメージしやすいといえます。明確な“洋顔”で操作性が良く、ドローやフェードまた弾道の高低も操れるクラブです。
「T100」よりややつかまり感がある「T200」
タイトリスト「T200 アイアン」は、「T100 アイアン」よりフェース縦の長さが長く、グースネック(シャフトに対してフェースが後方)で、球をつかまえるイメージをもたせています。Tシリーズ3種類の中では一番オーソドックスではあるものの、トウ先から頭、ヒールまでのストレートなトップラインはシャープな印象を与えています。
ストレートネックなやさしい形状「T300」
タイトリスト「T300 アイアン」は、フェース縦が非常に長く、トウ寄りのミスヒットに強い印象です。他メーカーのモデルと比べても長めで、重心距離が長く、MOI(慣性モーメント)が高いことが想像できます。ただ、グースはそれほど入っておらず、ストレートネックに近い形状で、スクエア感をもたせているのが特徴です。
やや縦の長さがある洋顔「P790」
テーラーメイド「P790 アイアン」は、やや長めのフェースで、ストレートなトップラインが特徴です。フェースのヒール側を低めに設定し、アドレスでの“逃げ感”をもたせているのは、タイトリストTシリーズと同じ。典型的な“米国人が好む洋顔”でもあり、全体的に三角形に見える形状でフェード系弾道をイメージさせてくれます。
分厚さのあるキャロ顔「エピック フォージド スター」
キャロウェイ「エピック フォージド スター アイアン」は、トップラインが厚く、フェース面の上目の打点に強そうなイメージがあります。丸いヘッド形状のいわゆる“キャロウェイ顔”で、強めのグースが球をつかまえる印象を出しています。ストロングロフト設定で球が上がりにくい懸念を、中空構造の厚みで払拭したモデルです。
ロフトが立って見えない「X フォージド スター」
キャロウェイ「X フォージド スター アイアン」は、フェース縦の長さは短く、操作性が良いイメージがもてます。フェース全体に高さがあり、フェース面を目視しやすいため、アドレス時にロフト角がついて、やさしい印象を受けます。ロフトが立っているロングアイアンでも、ボールがやさしく上がる安心感につなげています。
フォージドでもやさしい「egg フォージド」
プロギア「NEW egg フォージド アイアン」は、全体的にシャローフェース(上下の高さが低い)で、すわりの良さを感じさせます。フェース縦の長さがあり、トウ寄りのミスヒットにも強そうな印象。トップラインに丸みがあり、球を包み込むようなイメージが出ており、eggらしくやさしく打てるイメージがあります。
鋭く見える“和”の代表格 「オノフ 黒」
グローブライド「オノフ フォージド アイアン 黒」は、オーソドックスなプロモデル形状で、全体的に鋭く見えるのが特徴です。トップラインの角がシャープに成形され、ヘッド全体のシャープ感を演出。感性の鋭さを反映し、芝の抵抗に負けない力強さを印象づけています。格好いいマッスルバック感が味わえる顔つきといえます。
後編はこちら→→クラブは“顔”が命! 2019秋の最新アイアンを見比べ隊(後編)

松尾好員(まつお・よしかず) プロフィール
神戸大学工学部卒業後、住友ゴム(ダンロップ)に入社し、クラブの設計開発に携わる。世界4大メジャーで最も多くの選手にクラブを提供した日本人クラブデザイナーとして知られる。現在ジャイロスポーツを主宰。