クロカゲXT、パンチ、W、エボ4…ギアマニアが指名買い 中古シャフトをリストアップ

クロカゲXT、パンチ、MT、エボ2…ギアマニアが指名買い 中古シャフトをリストアップ
ギアマニアがおすすめするコスパのいいシャフト

多くのゴルファーがもう忘れかけているのに、中古ショップで熱心に探されている玄人向けのシャフトがある。すでにお手頃価格になっていながら、まだまだ魅力がたっぷり詰まったモデルを紹介したい。

覚えていますか?クロカゲXT

三菱ケミカルの「クロカゲXT」は2014年に米国市場向けに登場したカーボンシャフト(当時の社名は三菱レイヨン)。もともと、PGAツアー選手のフィードバックをもとに開発されたプロ向けモデルで、日本国内では2015年以降に一部のモデルが流通し始めた。

広告の後にも続きます
広告の後にも続きます

「XT」はXtreme Tipの略。その名の通り、先端部分の剛性を極限まで高めた設計が特徴だった。PGAツアーの選手が心置きなく振っても左へのミスが出にくく、スピンも増えすぎないという、まさにパワーヒッター仕様の暴れないシャフトだった。「つかまらないけど、振れば飛ぶ」という特性は、当時としては珍しく、ヘッドスピードが速いマニアに支持された。近年の製品で言えば、三菱ケミカルのTENSEI(テンセイ)や、藤倉コンポジットのVENTUS(ベンタス)とターゲットを同じにしたものと言える。

クロカゲXT、パンチ、MT、エボ2…ギアマニアが指名買い 中古シャフトをリストアップ
ロリー・マキロイも使って話題になったクロカゲXT

どうやら最近、シニアツアーの選手の中でクロカゲXTを探しているプロが多いらしい。ドライバー用なら1万円前後で見つかるだろう。ヘッドが重く、慣性モーメントが大きいイマドキのドライバーに装着すると、ちょっとハードだったシャフトがちょうど良いと感じるのかもしれない。

懐かしいシャフト いま使っても大丈夫?

そもそも約10年前のシャフトを装着しても機能的に問題がないのだろうか。答えは「問題ない」だ。カーボンシャフトは非常に劣化しにくい。鉄(スチール)にくらべて剛性が高く、金属のようにさびもしない。メーカー側も通常使用(週1~2回のプレー)で10年以上の耐久性を前提に設計している。

広告の後にも続きます
広告の後にも続きます

ただし、中古品は要注意。それぞれの“生い立ち”によって極端に個体差が出る。一度でもリシャフトの工程で高熱にさらされると強度はかなり落ちる。中古車なら整備記録簿などで確認できるが、中古シャフトは履歴がわからないのでリスクがあるのだ。購入前には変色やヒビ、傷を確認しよう。特に、強度の弱い先端部のチェックを忘れないように。

クロカゲXT、パンチ、MT、エボ2…ギアマニアが指名買い 中古シャフトをリストアップ
昔のPTのコスメ(写真下)を見つけたら即買い必至

性能面に関しては、最新モデルに比べると素材や製法は開発時のもので古い。が、クロカゲXTのようにプロが未だに探すシャフトは、十分に“賞味期限”は残っていると言えるだろう。例えば2009年発売のグラファイトデザイン「ツアーAD DI」は松山英樹が未だに使い続けているシャフト。「ツアーAD PT」も2006年発売で使用者は多くいる。どちらもコスメは3回変わったが中身は変わっていない。DI、PTともに、昔のコスメはかなりコスパが良いのでオススメしたい。

PUNCH、MT、W、エボ2…振れるシャフトを求めて中古ショップへ

地味だけど人気があったシャフトは、操作性・安定性・しなり感を重視したモデルが多い。例えばUSTマミヤ「ATTAS PUNCH」(2016年)は手元がしなって先端剛性が高い。筆者の周りのチーピン持ちがこぞって使っていたものだ。最近の深重心のヘッドとも相性が良いだろう。これでもチーピンが出るという方は「ATTAS 3」(2011年)をどうぞ。ヘッドの戻りがさらに抑えられている。

グラファイトデザイン「ツアーAD MT」(2014年)は、松山が15年以上愛用するDIに弾き感をプラスした製品。“ダブルキック”のような動きをするが扱いやすい。価格もDIよりやさしい。

三菱ケミカル「ディアマナW」(2013年)も手元のしなり感があるが、戻りにスピード感があり、ハードな印象が薄い。見た目のデザインも古さを感じない。藤倉コンポジット「スピーダーエボリューション2」(2015年)は、手元はしっかり目だが、タイミングは取りやすく弾き感もある。スピーダーという名前から連想させる先端の走りは抑えられている。

クロカゲXT、パンチ、MT、エボ2…ギアマニアが指名買い 中古シャフトをリストアップ
申ジエが使っていたスピーダーエボリューション4

申ジエ(韓国)が昨シーズンまで使用し、なかなか替えられなかった「スピーダー エボリューション4」(2017年)も同じような特性を持っており、こちらもオススメだ。上記のシャフトはエボリューション4が少しお高いものの、その他はどれも1万円以下で見つかるだろう。

昨今は飛び系のシャフト全盛時代。今回紹介したモデルは、「シャフトが走ってくれる」とか、「ボール初速がアップする」といった類のシャフトではない。ゴルファーが思い切って、気持ちよく振ることで飛距離が期待できる製品ばかりだ。

そもそも、「飛ぶシャフト」というのは幻影のように感じられる。振りやすく、安心感のあるシャフトこそがゴルファーが持つエンジンをフル回転させ、結果的に飛距離が伸びる。過去のモデルが飛距離競争に疲れた心を癒やし、好みのフィーリングを思い出させてくれるかもしれない。(文・田島基晴)

この記事の画像をすべて見る

田島基晴 プロフィール

1963年生まれ。ゴルフギア好きが高じて、地元広島に中古ショップ「レプトン」のゴルフ部門を設立。現在は店舗で得たギア知識を活かし、ゴルフライターとして活躍。YouTube動画の企画編集やブログ執筆など活動は多岐にわたる。

広告の後にも続きます
広告の後にも続きます
広告の後にも続きます

アクセスランキング

  • 総合
  • ツアー
  • レッスン
  • ギア情報

SPECIALコンテンツPR

特集記事PR

こちらもおすすめ

GDOサービス

GDOのサービス