【MISSION】5万円で90が切れるアイアンを捜索せよ!(もちろん中古でね)
「100の壁」を越えると、ゴルフがいっそう楽しくなってくる。ギアへの興味も増し、次のハードル「90切り」を目指すためにクラブの変更も考え始めるころ。どうにかして低価格で買い替えたい…。そんな時こそ中古ショップの出番。実は5万円あれば、80台を出すのに十分なアイアンセットが転がっている。
90切りを目指すゴルファーが持つべき視点
スコア「100」前後でプレーしているゴルファーは、ショットにまだ安定感がないケースが多い。トップしたり、ダフったり、左右へのミスも多い。壁にぶち当たって久しい方には、アイアンセットに固執せず、ミドルアイアン以降はロフト角の大きいユーティリティなどを積極的に活用することを勧める。
ところが、90切りとなるとミドルアイアンまでは使いこなしたい。80台を出すためには「どんな状況でも、ある程度グリーン近くまで運んでくれる寛容性のあるクラブ」が必要な性能と言える。ただし、90切りはゴルフの最終目標ではなく、通過点と考えるゴルファーも多いはず。その場合は、ただやさしさを求めるだけでなく、「上達しても使い続けられる操作性」を備えたモデルを選ぶ視点も備えておきたい。
シャフトと番手選びを慎重に
中古アイアンの購入時には、シャフト選びに注意したい。自分のポテンシャルにマッチしたスペックを選ぼう。お気に入りのシャフトがあるならば、妥協せずにとことん探すといい。今回のテーマである「予算5万円」のケースでは特に状態をしっかり確認しよう。
5番からPWのセットでも構わないが、ロフト角の大きいUTなども使うことを前提にすると、6番から、あるいは7番からのセットもアリだ。見つかればコスパ良く新しめのアイアンセットが手に入るかもしれない。
とにかくやさしいモデルは
まずは寛容性を一番に重視するゴルファーに推薦するのが、アイアンとしては最大級の慣性モーメントでミスヒットに強いヤマハ 「RMX VD40」(2021年)だ。独特の形状だが、構えると違和感がないのもうれしい。6本セットで3万円台からある。
ピンのGシリーズはアベレージクラスから使えるやさしいアイアン。なかでも「G25」(2013年)は国内男子ツアー優勝者も使用していたモデル。ロフト角が7番で32度と“立ちすぎていない”点も評価ポイントだ。こちらも6本セットで3万円台から。
シニアイメージの強いダンロップのゼクシオだが、2017年の「ゼクシオ フォージド」は、現在の「ゼクシオ エックス」シリーズの前身的なモデルで、ミスヒットへの強さがありつつ、軟鉄鍛造ボディでライ・ロフト調整もできる。6本セット4万円台でも手に入る。
上級者チックなモデルも
90切りのその先を見据えるゴルファーへのおススメモデルも紹介しよう。ミズノプロシリーズには少々、難しそうなイメージを抱きがちだが、「ミズノプロ 719」(2018年)は少し大きめの軟鉄鍛造ボディに深いキャビティと、ミスにも強く打感にもこだわったモデル。ロフトも7番で32度だ。6本セット4万円台が相場だ。
やさしいプロモデルの代表であるピン「i210」(2018年)も、最新モデル「i240」が発売され5万円以下で見つかるようになってきた。ある程度の操作性もありつつ、ソール幅もしっかり。ピンらしいバウンス角も十分に付いている。ロフト角は7番で34度。
「プロギア 02」(2020年)はアスリートが好むヘッド形状だが、重心の配置が特徴的で、7番で29度というロフト加減が絶妙。こちらも6本セット4万円台で見つかる。
90切りに必要なアイアンは、必ずしも最新モデルである必要はない。セットで5万円以下でも十分に戦える選択肢は多く存在する。こだわって欲しいのはシャフト選びと、自分にとってライ角が最適であるかだ。
ゴルフは練習しないとなかなか上達しない。ただし、ラウンド数が少なく、練習場にもなかなか行けないとしても、90は切れるチャンスがある。そのためには徹底したコースマネジメントと、効率の良い練習、そして適切な道具が求められる。決して、コースと戦う以前に「難しい」と思うクラブと戦ってはいけないのだ。
その先に見えるシングル入りを目指すなら、固まってきた自分のスイングに合うようにカスタムできることも大切。今回推薦したモデルはライ・ロフト調整ができる軟鉄鍛造ボディがほとんど。練習量とラウンド数に応じてチョイスしよう。あとは練習あるのみ。健闘を祈る!(文・田島基晴)

田島基晴 プロフィール
1963年生まれ。ゴルフギア好きが高じて、地元広島に中古ショップ「レプトン」のゴルフ部門を設立。現在は店舗で得たギア知識を活かし、ゴルフライターとして活躍。YouTube動画の企画編集やブログ執筆など活動は多岐にわたる。