「堀琴音入ってたな~」長尺・中尺パターが気になる人へ ギアマニアがおくる中古最新事情

「堀琴音入ってたな~」長尺・中尺パターが気になる人へ ギアマニアがおくる中古最新事情
長尺パターで日本女子オープン優勝をつかんだ堀琴音(撮影/村上航)

パッティングに悩んだとき、頭に思い浮かぶのがパターのスイッチである。その“極み”とも言える長尺・中尺パターは、日本女子オープンを制した堀琴音の愛用パターとして印象強く、さらに国内外のシニアツアーで高い使用率を誇る。実際、長尺に替えることで、おもしろいように入るゴルファーもいるだけに試す価値はある。その際はやはり中古ショップを利用するのがおススメだ。

長尺・中尺のメリットとは

一般的に中尺パターは38~43インチ、長尺はそれ以上の長さを持つパターだ。レギュラーモデルよりもストローク全体が安定しやすいのが特長。特に長尺は体全体で振るイメージが養われるため、手首の余計な動きを抑えられる。ショートパットの安定感も抜群だろう。

中尺はアドレスで違和感が少ない利点がある。重量があるためヘッドをゆっくり動かしやすい。イップスの症状が出始めたゴルファーには有効だ。アームロックというグリップを左腕に固定するスタイルは、ストローク軌道がいっそうブレにくい。なお、インパクトをハンドファーストで迎えやすいため、ロフト角が大きいのが特徴だ。長尺を身体に固定するアンカリングがルールで禁止され、以前よりも使用者が多くなった。

長尺、中尺ともに、慣れるとまずはショートパットの成功率が上がるはずだ。ストロークがシンプルになり、肩や体幹で打つイメージができる。“パンチが入りやすい”ゴルファーにオススメしたい。筆者も試した限りでは、長尺、中尺から通常の長さのパターに戻してもストロークが安定した。練習器具としての効果も期待できる。特にアームロックの場合はより時間がかかるだろう。

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稲垣那奈子は長尺パターをストロークの練習用に使っている

ちなみに、中尺は中古ショップで比較的発見しやすいが、長尺は希少性が高い。新品でも限定発売のケースが多く“即完売”になる。それゆえ、高価で取引されている。

狙い目モデルと中古相場

オデッセイ 「2-BALL TEN ARM LOCK」(2021年)は、人気のTENシリーズをアームロック化したもので2万円を切る価格が魅力。「Ai-ONE Square 2 Square CRIUISER JAILBIRD」(2025年)は今人気のトルクレス(ゼロトルク)パターの中尺(38インチ)だ。パターを機械的に打つには最強の組み合わせだろう。3万円前半から見つかる。

ピン「スコッツデール CRAZ-E 中尺モデル」(2025年)も大型ヘッドで安心感がある。3万円前後が相場だ。

長尺だと、オデッセイ 「Ai-ONE Square 2 Square JAILBIRD Broomstick」(2025年)や テーラーメイド 「スパイダーZT LONG」(2025年)などを狙いたいところだが、中古ではほとんど見つからない。

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アダム・スコットのラブゴルフの長尺パターヘッド

中古で購入する際のチェックポイント

長尺・中尺パターは特殊なカテゴリーゆえに、中古で買う際にはいくつか注意点がある。公称スペックより短くカットされているケースがあるので必ず実測値を確認すること。長尺・アームロック用は専用グリップが多く、劣化すると交換が難しい場合もある。通常のシャフトを2本合わせるなどして長尺に改造した中古モデルもあるので要注意だ。

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筆者も改造して長尺・中尺を作った。シャフトやグリップ探しに難航。さらにヘッドに鉛を貼ったりとかなり大変

もちろん自分で改造する手もあるが、長尺・中尺用グリップは意外と高価(5000円前後する)かつ希少。ヘッド重量もかなり違うのであまりオススメしない。「長さ」「グリップ」「改造歴」は必須のチェック項目だ。

長尺・中尺パターは地味だが結果につながるクラブである。特にシニア世代やイップスに悩むゴルファーにとっては強力な武器になるはず。手先のフィーリングを先行させるのではなく、機械のようにシンプルにストロークしたい人に向いている。繰り返しになるが、長尺の中古は数が少なく、見つけたら迷わず手に入れたい。次の一手として、ぜひこの“地味に効く”カテゴリーをチェックしてみてはいかがだろうか。(文・田島基晴)

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田島基晴 プロフィール

1963年生まれ。ゴルフギア好きが高じて、地元広島に中古ショップ「レプトン」のゴルフ部門を設立。現在は店舗で得たギア知識を活かし、ゴルフライターとして活躍。YouTube動画の企画編集やブログ執筆など活動は多岐にわたる。

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