「なぜ人はセンターシャフトに惹かれるのか?」を中古クラブで考えた
プロツアーではセンターシャフト(CS)のパターを愛用する選手が絶えない。シャフトがヘッドの真ん中に装着されたモデルに魅了される上級者は少数派だとしても、いつの時代にも存在する。中古市場に眠る逸品から最新テクノロジーを搭載したパターを探そう。
センターシャフトのメリットと現在地
CSパターはシャフトの延長線上に芯があるため、ボールを指先で突くような感覚が得られる。芯で球をとらえやすく、打感もダイレクトに手に伝わる。打点のズレや、インパクトの感触が分かりやすく、距離感を養うフィードバックを得られやすい。ブレードタイプでも、マレット型でも、ヘッドの形状が違っても繊細に操作しやすいのが特長だ。
最近のパター業界を席巻しているのが、「L.A.B. Golf(ラブ・ゴルフ)」に代表される“ゼロトルク(トルクレス、ライ角バランス)”の概念である。シャフトが重心位置に挿さったCS形状がほとんど。ストローク中のフェースの開閉が抑えられ、ターゲットに向けて球を転がしやすい特性がある。シャフトがフェースから離れた位置にあるため、一般的なCSとは打感が異なるが、オートマチックに打ちやすい。
デメリットはミスヒットへの寛容性
センターシャフトには弱点もある。芯の左右でヒットすると、ヘッドが回転する動きをするのでミスヒットにはシビア。また、フェース面がシャフトの装着位置より前にあるため、クランクネックや、ダブルベントシャフトのパターに慣れていると、はじめのうちはボールがつかまらない。
ゼロトルクの場合はネック位置がフェースからさらに遠い。ハンドファーストになるようにシャフトを傾けて装着しているとはいえ、構えにくいと思うゴルファーもいるだろう。このデメリットを克服するために、プロギア「シルバーブレード Centered 01OS」(2023年)などは、独自のネックを採用することでオフセットの度合いを少なくした。
筆者の選ぶオススメのCSパター
オデッセイ「ホワイトホット2ボール センターシャフト」(2002年)は銘品シリーズのCSタイプ。販売数が少なく、今では滅多にお目にかかれない。実はGDOの中古ショップで超美品を9980円で発見したのだが、この記事を書いている間に売れてしまい、ゲットできず後悔している。見つけたら迷わずポチっとすべきだ。「ホワイトホット#5CS」もレア度が上がってきたから注意しよう。
最近のパターは打感の柔らかさが追求され、フェースインサートに軟らかい素材を使うことが多い。これではCSのメリットである“ダイレクト感”が損なわれてしまうが、スコッティキャメロン「ファントム 5S」(2024年)は、ステンレスのボディでガッツリとしたフィードバックが楽しめる。5万円台前半から見つかる。
先述のプロギア「シルバーブレード Centered 01OS」はオフセットがなく、“シャフトで打つ”イメージが湧きやすく、右へのミスが出にくい。1万円台前半から探せるだろう。
オデッセイ「Ai-ONE Square 2 Square DOUBLE WIDE」(2024年)はゼロトルクモデルだが、打点とシャフトの位置が近く、オフセットも少ない。ただブレードタイプなので、ミスヒットには少々シビア。2万円台前半からが相場だ。
CSはミスヒットしたときに素直にミスだと教えてくれる。そのフィードバックこそがパッティングの真髄であるタッチを養ってくれるのだ。伝統的なCSで感性を研ぎ澄ますか、最新のゼロトルクで物理の恩恵を受けるか。パターコーナーで手に取った瞬間、あなたのゴルフの第2章が始まるかもしれない。(文・田島基晴)
田島基晴 プロフィール
1963年生まれ。ゴルフギア好きが高じて、地元広島に中古ショップ「レプトン」のゴルフ部門を設立。現在は店舗で得たギア知識を活かし、ゴルフライターとして活躍。YouTube動画の企画編集やブログ執筆など活動は多岐にわたる。