「ステンソン×レガブラ」「ケプカ×ヴェイパー」…プロの替えられない“骨董品”探し ギアマニアが代行

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ステンソンが愛してやまない「LEGACY BLACK」

2016年「全英オープン」王者のヘンリック・ステンソン(スウェーデン)には、失ったら引退するかもしれないというクラブがある。長年使用しているキャロウェイの「レガシーブラック アイアン」がそれだ。彼に限らず、ツアープロには替えが効かないギアというものがある。トッププロのバッグに収まる“骨董品”のような愛用モデルをギアマニアが中古ショップで探してみた。

ヘンリック・ステンソンのレガシーブラックは現在9代目

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実際のステンソンのアイアン。シャフトもずっとNSモーダス ツアー120X

ステンソンのレガシーブラック アイアンは、キャロウェイ・ジャパンとロジャー・クリーブランドが上級者向けに共同設計した2011年発売のモデルだった。2013年の「全米オープン」でラフからのフライヤーに悩んだステンソンに欧州のツアー担当者がこのモデルを用意。打感や見た目が気に入り、欠かせない存在となったという。現在使っているのは9セット目だそうだ。

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通称“レガブラ”は遠藤製作所がS20C素材から鍛造し、サテン仕上げにより上質な打感、美しい見た目を実現した。トップラインとソールが薄く、オフセットも少なく、トウ形状は高い。スピン性能を上げる19本の溝と、打感を高める免震ラバーを採用。寛容性も確保されている。7番のロフト角が34度とイマドキのアイアンと比べるとロフトは寝ている。筆者は広島の中古ショップで発見。3万円を切る価格だった。ステンソン選手!日本でなら地道に探せばまだまだ見つかる。一緒に探そう!

ブルックス・ケプカのヴェイパー

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ナイキ時代から愛用するアイアン

メジャー5勝のブルックス・ケプカは、かつてクラブ使用契約を結んでいたナイキの「ヴェイパー フライ プロ」(2016年)の3番アイアンを今でも使っている。そもそもこのモデルはヒットに至らず、3番は別売りだった。ロフト角は19度で中空構造、ケプカはシャフトもカーボンにしてアイアン型UTっぽく使用している。フリマ、オークションサイトでは1本4万円前後と驚くほど高価だ。

谷口徹のホワイトホットとSM5

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谷口徹が25年使い続ける#5

現在はレギュラーとシニアツアーでプレーする57歳の谷口徹。彼の代名詞的なパターがオデッセイ「ホワイトホット#5」(2000年)で、25年も使っている。同じヘッドでも生産ラインの違いにこだわりがある。ロゴのHの左縦線の黒字に、小さな突起が2つある「2ドット」と呼ばれる個体の据わりが良いらしい。比較させてもらったことがあるが、違いが分からなかった。据わりならシャフトの曲げ具合などで調整できる気がするのだが…。古い名品のため状態の良いものは新品時の定価を上回るものもある。使い込まれているものは5000円前後。

谷口はウェッジにもこだわりがある。ロフト58度のモデルはタイトリスト「ボーケイSM5」(2014年)から替えられない。52度は最新の「SM10」だが、58度は高重心過ぎないSM5にこだわっているようだ。こちらも5000円前後で見つかる。生涯現役で活躍してほしい。

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今平周吾の910H

今平周吾もクラブをなかなか替えない選手として有名。中でもタイトリストのユーティリティ「910H」(2011年)の使用歴が長い。ソールもフェースも塗装も剥がれている。特別レアでもないが14年も経過すると見つかりにくい。約6000円が相場だろう。

久常涼のブラックシリーズ

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久常涼は再び使い慣れた#9に戻した

PGAツアーを主戦場にする久常涼のパター、オデッセイ「ブラックシリーズix #9」(2009年)も中古ショップで目にすることが激減している。石川遼が使用して大ヒットしたため流通量は多いが、中古ショップでなかなか出会えない逸品。軟鉄ボディかつフランジ(ソール部の出っ張り)にタングステンを採用した凝った構造。見つかれば1万円以下だが、状態の良いものはかなりレアだ。

慣れ=信頼=性能

飛距離性能が問われるドライバーと比較すると、アイアン、ウェッジ、パターは正確性と距離感が試されるため、新しければ良いというものではない。ステンソンも「2日前に選んだクラブと、5000発打ったクラブ。最終日最終ホールでどちらを使いたいか?」とゴルファーに問うている。慣れ=信頼、信頼=性能と言っていいだろう。クラブは使い続けることで性能がどんどん向上するのだ。

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9作目のレガブラを手に持つステンソン

私たち一般アマチュアは週末のゴルフでパットが入らないと、すぐにショップでパターを物色してしまう。「このクラブでダメならゴルフをやめる!」くらいの決意で使い続ける勇気が上達に繋がるかもしれない。ステンソンを見習って、使い倒す1本を見つけよう。(文・田島基晴)

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田島基晴 プロフィール

1963年生まれ。ゴルフギア好きが高じて、地元広島に中古ショップ「レプトン」のゴルフ部門を設立。現在は店舗で得たギア知識を活かし、ゴルフライターとして活躍。YouTube動画の企画編集やブログ執筆など活動は多岐にわたる。

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