嗚呼…ハマったら抜け出せない魔性のクラブ「チッパー」 とりあえず中古で始める?

グリーン周りの世界が一変する魔性のクラブ「チッパー」 とりあえず中古で始める?
まさに一度ハマったらやめられない魔性のクラブ

同じ組のプレーヤーのキャディバッグにチッパーが入っていると、「アプローチが苦手なんだな」と感じると同時に、「思い切ったな!合理的だな!」という、多少の羨ましさも湧いてくる。アマチュアゴルファーの多くが、使えばスコアが良くなりそう…と感じるところがあるからだ。そんな魔性のクラブも、中古でなら気軽に試せる。

市民権を得たチッパー

プロツアーではまず見ることがないチッパーは、かつて、名も知れないメーカーが製造し、パター売り場の片隅にひっそり置かれるマイナーな存在だった。そんなチッパーに“市民権”を与えたのが、2005年に登場したプロギア「R35」。大手ブランドが本腰を入れて作ったことで、イメージは一変した。

クロムモリブデン鋼の精密鋳造にミーリング加工、専用グリップまで搭載した本格仕様で、「チッパー=安物」という先入観を払拭した。ロフト角は35度、当時の7番から8番アイアンの間のロフト相当で、「キャリー1:ラン3」という理想的な転がしのアプローチを簡単にした。2010年には溝規制対応モデルが発売され、今もなお売れ続けるロングセラーとなっている。

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チッパー使うなら今でしょ「プロギア R35」(左)と「アナライズ R25」

2022年に登場したピン「ChipR」は、その流れを加速させた一本。ロフト角38度、高級感ある仕上げにより、チッパーっぽく見えない。発売当初は欠品が相次ぎ、オークションで高値がつくほど人気。この2つクラブが、チッパーを「初心者向けの便利クラブ」というイメージから「合理的にスコアメークするための武器」へと変えた。

ゴルフでプレッシャーがかかるのは、「寄せて当然」と思われる状況。あるシニアプロが「アプローチで一番難しいのは、花道やグリーンカラーのように、当たり前に寄せなければならない場面だ」と話していたのを思い出す。チッパーは、そういったケースでこそ力を発揮する。打ち方はパターのように構えてシンプルに転がすだけ。再現性を高めるよう設計されており、構えてから考えすぎなくていい。

主要ブランドにも意外とラインアップされている

「気にはなるけど、いきなり新品を買うのは…」と迷っているゴルファーにこそ、中古チッパーを試してもらいたい。実は流通量も多く、価格も手頃なのだ。

プロギア「R35」(2010年モデル)は、溝規制対応モデルでも1万円台前半で購入できる。ちなみに発売当時の新品価格は1万8000円(税抜)だった。規制対応以前のモデルはさらにお手頃で、1万円を切ることも多い。

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左下から時計回りに「R35」、「X-ACTチッパー」、「ChipR」、「スマートソール3 TYPE-Cウェッジ」

オデッセイの「X-ACT チッパー」(2021年)は37度のロフト角。同ブランドの製品とあって、パターのようにストロークしやすい工夫が満載だ。1万円前後で入手できるが、純正グリップの劣化には注意したい。

クリーブランドの「スマートソール 3 TYPE-C ウェッジ」(2017年)は、ロフト角が42度とやや大きめで、状況を選ばず使える万能型。こちらも1万円を切る価格帯で見つかる。

ピン「ChipR」(2022年)は、中古でも2万円弱とやや高めだが、高級感と完成度の高さから選ぶ価値は大きい。レディースモデルがあるのも魅力だ。

「とりあえず中古で試してみる」が正解かも

グリーン周りの世界が一変する魔性のクラブ「チッパー」 とりあえず中古で始める?
昨年成田美寿々もプロギアのチッパーを入れた

筆者はこれまで、チッパーはライがややこしくなる冬場使いをオススメしてきたが、本当の出番は「寄せて当たり前」のシーンだ。もちろん、使いこなすには最低限の練習は必要。コースで投入する前に、しっかり打ち込み、距離感を体に染み込ませておきたい。

「使ってみたいけど踏み出せない」クラブの代表格であるチッパーこそ、中古で気軽に試すのが最適解。合わなければすぐに手放せるし、一度ハマればグリーン周りの世界が変わるかもしれない。スコアメークを合理的に追求するなら、これほど頼もしいクラブはないだろう。(文・田島基晴)

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田島基晴 プロフィール

1963年生まれ。ゴルフギア好きが高じて、地元広島に中古ショップ「レプトン」のゴルフ部門を設立。現在は店舗で得たギア知識を活かし、ゴルフライターとして活躍。YouTube動画の企画編集やブログ執筆など活動は多岐にわたる。

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