【緊急指令!】アマチュア向けの「やさしいスプーン」を捜索せよ(中古でね)
3番ウッド(3W)を打ちこなすのは難しい。地面から打つクラブの中で、クラブ長が最も長く、ロフト角が最も小さいことを考えれば、これは紛れもない事実である。最近はキャディバッグから抜いてしまうゴルファーも少なくない。しかし実際には、コースセッティングや季節を選べば大きな武器になる存在だ。みんなの強い味方になる“やさしいスプーン”とはどんなものか。
そもそも3番ウッドを使うシーンは?
3Wにある様々な役割をまずは整理しよう。地面から打てる3Wは、長いパー4やパー5の2打目で活躍する。また、ティショットで使う選択肢もある。飛距離が出るゴルファーやスライス気味のゴルファーだと、1Wよりロフト角が大きいメリットを生かし、狭いホールでリスクを抑えた攻め方ができるからだ。購入する際には「自分が主にどこで3Wを使いたいのか」をはっきりさせることが大切になる。
ツアープロやハードヒッターが好む3Wは、低スピン・強弾道により飛距離が出るモデルが多い。地面から打つには技術とパワーが必要だ。地面から気持ちよくボールが上がって、かつティショットは低スピンで飛ばせるというのは相反する特性なので、そういった3Wは残念ながら存在しない。求める用途を明確にすることで3W導入の成功率を高めようではないか!
2打目で狙える、飛ばせるおススメモデル
3Wが地面から打ちにくい理由は、ロフト角が小さいことによる球の上がりにくさにある。ボールを上げるためにはまず、打ち出し角を高くすればいい。また、重心深度を深くすることでインパクトロフトが増し、打ち出し角とともにスピン量も増える。飛距離的には不利だが安定したキャリーを稼げる。
ミスヒットに対する強さも忘れてはならない。慣性モーメントの大きさもポイント。フェースの厚み(高さ)も打点位置に影響を及ぼすため、フェースが薄い、つまりシャローフェースの方が有利だ。
以上の点を踏まえたうえで、おススメモデルを紹介しよう。タイトリスト「GT1」(2025年)は高慣性モーメント、深重心でミスにも強くボールも上がりやすい。残念ながら流通量が少ないので4万円台と高値で推移している。
テーラーメイド「Qi10 MAX」(2024年)は同社では最大級の慣性モーメントを誇る。16度という絶妙なロフト設定も上がりやすさに良い影響を与えている。2万円台後半が相場。
ブリヂストン「B2HT」(2023年)は、慣性モーメントはさほど大きくないが、重心深度が深く、シャローフェースでボールを浮かせやすいイメージが湧く。フェース表面のギザギザが打ち出しのラインの出しやすさに繋がる。2万円台前半から見つかるだろう。
「これぞ、ティショット用」の3Wは
ツアープロに人気の3Wはアマチュアが地面から打つには不向きと言える。しかし、ティアップすればボールを上げることができるし、打点も安定する。ヘッドが大きくても芝の抵抗を受けにくい。
タイガー・ウッズやコリン・モリカワらが長年愛用していたテーラーメイド「SIM」(2020年)は、同社の3Wの中でもヘッドサイズが大きめで安心感もある。発売から5年経過して価格も下降気味。2万円を切る価格で見つけることもできるだろう。
ヤマハ「RMX VD」(2021年)も契約外のツアープロの使用者が多かったモデル。状態によっては1万円台前半から見つかる。
発売時に10万円を超える定価 (税込み)に驚かされたのが、ピン「G440 LST」(2025年)。ドライバーと同じ素材、構造のため、どうしても高価になってしまったとのこと。中古なら6万円台で見つかるだろう。
3Wはやはり難しい。スコアに貢献させるためには、欲張らず用途を限定し適したモデルを選ぼう。まずは致命的なミスが出ないものをチョイスしてもいい。筆者自身も最近になって3Wを復活させてみたのだが、改めて「こんなに使えるのか」と驚かされた。スコアメークを考えたとき、ミスしても最低150yd以上飛ばせれば、十分戦力になると気づいたことがカムバックの理由である。中古市場にはやさしい名器が多く、コストを抑えてリベンジするチャンスは十分にある。気負わず3Wをバッグに戻してみてほしい。(文・田島基晴)

田島基晴 プロフィール
1963年生まれ。ゴルフギア好きが高じて、地元広島に中古ショップ「レプトン」のゴルフ部門を設立。現在は店舗で得たギア知識を活かし、ゴルフライターとして活躍。YouTube動画の企画編集やブログ執筆など活動は多岐にわたる。