最近じゃ「ブレンディング」とも言うが…中古で始めるアイアン“コンボセットづくり”

最近じゃ「ブレンディング」とも言うが…中古で始めるアイアン“コンボセットづくり”
青木瀬令奈の8番(ZXi5)と9番アイアン(ZXi7)。ブレンディングしている

プロのアイアンセットを観察すると、番手ごとにモデルを変えたコンボセット(最近では“ブレンディング”なんて言い方も)が増えている。近年の製品にはそれを前提としたシリーズも登場。今回は最新モデルでなくとも、中古クラブを最大限に利用してコンボセットづくりに挑戦する際のポイントを整理してみたい。

コンボアイアンのメリット

コンボアイアンの利点は番手ごとに必要な機能に特化できるところにある。ロングアイアンにはやさしさを、ショートアイアンには距離感と操作性を求めるといった具合。ゴルファーのこだわりが前面に出るため、セットの所有感はより高まるだろう。

タイガー・ウッズもアマチュア時代に2番から4番までがミズノ「MP-29」、5番からPWまでが「MP-14」という組み合わせを駆使していた。どちらもブレード形状だが、MP-29はMP-14よりも寛容性が高く、全体のオフセットを整える意図があったという。つまり、コンボセットは性能面の最適化だけでなく、見た目やフィーリングまで自分好みに調整するのにも有効だ。

最新モデルにはコンボにしやすいモデルが多数

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242CB+と241CBをセットで使う選手もチラホラ

ブレンディングという異名とともにコンボセットがトレンドになりつつあるとは言え、タイトリストの「Tシリーズ」や、ピンの「ブループリント S」「ブループリント T」、ブリヂストンの「241CB」「242CB+」「258CBP」…といった、それを前提とした商品はまだまだ限定的。ウッドを番手ごとに異なるメーカーやモデルを使うのとは違い、基本的にはメーカーが想定した組み合わせに限られる。

しかし、中古クラブなら2セットを購入して組み合わせることだって容易。バラ売りの単品アイアンも有効活用できる。PGAツアーの選手のように、ロングアイアンだけ深いキャビティや中空タイプにしてもイイ。メーカーやモデルに縛られないコンボセットをつくるために、中古ショップを利用しない手はない。

コンボセット入門編のクラブはコレだ

最近じゃ「ブレンディング」とも言うが…中古で始めるアイアン“コンボセットづくり”
同一ブランドならばやりやすい。AP2とAP3の組み合わせや、CBとMBの組み合わせも

まずは同一ブランド内でのコンボを考えてみよう。ミズノだと長い番手を「MP-64」(2012年/キャビティバック)、短いモデルを「MP-4」(2013年/マッスルバック)にしてみてはどうだろう。

タイトリストだと「716 CB」(2015年/キャビティ)に「716 MB」(2015年/マッスル)を合わせる。寛容性を重視するなら、「718 AP3」(2017年/複合素材キャビティ)+「718 AP2」(2017年/軟鉄鍛造)といったところだろうか。発売時期が同じだと、デザインにも統一感があり構えたときの違和感も少ない。

いま持っているセットに単品アイアンを足すのも有効だ。たとえばピン「i525」(2022年)やダンロップ「スリクソン ZX4」(2021年)の中空タイプや、ヨネックス「EZONE CB 702フォージド」(2021年)やテーラーメイド「グローレF」(2014年)のディープキャビティタイプをロング、ミドルアイアンに加えるのもいい。

ただし、こういった中空やポケキャビモデルはストロングロフト設計が多いため、表記上、5番アイアンが2本あるといった“かぶり”が発生することも。それを「プロっぽいこだわり」と捉えるか、「ややこしい」と感じるかはプレーヤーの美意識次第である。

コンボセットをつくるときの注意点

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米澤蓮もアイアンはブレンディング

別モデルを組み合わせる際のチェック項目を並べたい。まずはヘッドのロフト角の差だ。同じ番手でもモデルによってロフト設定が異なるため、飛距離の流れに不自然な空白が生まれる場合がある。

次にシャフトの種類、硬さをそろえること。そして、見落としがちなのがライ角だ。中古アイアンは前のオーナーがライ角を調整していたり、リシャフトしていたりする場合があるのをお忘れなく。もちろん、長さも要チェック。同一シリーズでも年式が違うとシャフト長の設定が違う場合がある。

現状ではコンボセットをつくるのに適したアイアンの選択肢は限られており、価格面での制約も大きい。しかし「アイアンは同一モデルでそろえるもの」という固定観念を外すだけで、クラブ選びの自由度は高まる。中古市場をフル活用したコンボセットづくりは、コストを抑えながらプロ顔負けのセッティングを楽しめる、アマチュアにとっての新しい選択肢である。(文・田島基晴)

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田島基晴 プロフィール

1963年生まれ。ゴルフギア好きが高じて、地元広島に中古ショップ「レプトン」のゴルフ部門を設立。現在は店舗で得たギア知識を活かし、ゴルフライターとして活躍。YouTube動画の企画編集やブログ執筆など活動は多岐にわたる。

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