「憧れるのをやめましょう」ロブウェッジ それでもどうしても入れたいなら…中古で始めたら?

正直「ロブウェッジ」は必要ないでしょ…それでも入れたいなら中古で始めたら?
まずは中古で始めてみてはいかが

PGAツアーでプレーするトッププロたちは、高確率でロフト角60度前後のロブウェッジ(LW)をキャディバッグに入れている。高く上げて止めるショットを打ったり、アゴの高いバンカーを攻略したりと様々な用途がある。一般的なアマチュアゴルファーにとっては出番が少ないクラブだが、中古品であれば気軽に楽しめるはずだ。

正直なところ…あなたにロブウェッジは必要ない

ロフトが60度にもなるLWは、日本のエンジョイゴルファーにとって必要かと問われれば、筆者は「ノー」と返す。よほどのトップアマでない限り、56度、58度のウェッジで十分だ。そもそもロブウェッジの出番は限られている。グリーン周りで高く上げて止めたいとき、バンカーからピンまで距離がないとき、下り傾斜で転がすと止まらないとき、低く出して強烈なスピンで止めたいとき…。クラブはもとより、それぞれかなりの技術が求められる。

正直「ロブウェッジ」は必要ないでしょ…それでも入れたいなら中古で始めたら?
同じメーカー同じシリーズのLWを追加すると成功率は高まる(アーチザンウェッジ)

フェースが寝すぎた(ロフトが大きすぎる)クラブは扱いが難しい。ロフト角が0度であればフェースはボールと正面衝突して効率よく力を伝えることができる(パターは4度前後)。しかし、ロフト角が大きくなれば大きくなるほど、ダフったり、トップしたりというミスが発生しやすくなる。また、ボールが高く上がる分、ヘッドスピードが速くないと球は前に飛ばない。

それでも、「プロみたいに高い球で止めたい」「ロブショットを操りたい」「鋭いバックスピンでボールを戻したい」と憧れるゴルファーは少なくない。新品で手を出すにはハードルが高くても、中古なら数千円から入手可能。遊び感覚で試せる。

超一流プロのトレンドは?

先週行われた欧米対抗戦「ライダーカップ」では出場した全員が60度前後のウェッジをキャディバッグに入れていた。バウンス角は10度以下のローバウンスモデルが主流。彼らはフェースを開閉することで、自在にバウンスを調節できるからこその選択だろう。

タイトリストのボーケイウェッジで言えば、Kソールというワイドソールを選んでいる選手が目立った。キャメロン・ヤングスコッティ・シェフラーロバート・マッキンタイア(スコットランド)、ジャスティン・ローズ(イングランド)ら。ザンダー・シャウフェレはTソールモデルと使い分けていた。フェースをあまり開かないというアマチュアには、バウンスがしっかりあるものを選ぶことをオススメしたい。

価格は意外とやさしい「LW」

正直「ロブウェッジ」は必要ないでしょ…それでも入れたいなら中古で始めたら?
左からPM グラインドウェッジ、TA588、プレミアムグラインドウェッジ、初代ボーケイウェッジ

いま使っているウェッジと同じシリーズに60度の設定があれば、試してみても違和感が少ない。ボーケイシリーズを愛用していたら、少し前のモデル「SM7」(2018年)なら1万円以下、「SM9」(2022年)も1万円前半で見つかる。フォーティーンなら「RM-α」(2022年)や「DJ-5」(2021年)なら相場は1万円前後だろう。

ギアマニアがオススメしたいLWは、キャロウェイ「PM GRIND」(2019年)。PMは発売当時契約プロだったフィル・ミケルソンのイニシャル。彼の“超絶ロブショット”に憧れて筆者も購入した。60度はレアスペックだ。

この原型と思われるのがピン「EYE 2 GORGE」(2013年)。こちらは名機EYE2の復刻版。GORGE溝というスピン性能の高い溝が掘られている。5000円前後で見つかるだろう。

何度も言うけど、60度は難しい

繰り返しになるが、LWはアマチュアに必須のクラブではない。ロフトがないためコンタクトが難しく、平均スコアを落とす可能性すらある。しかし「憧れを形にしたい」「練習で遊んでみたい」という気持ちを満たすには最適な存在である。

正直「ロブウェッジ」は必要ないでしょ…それでも入れたいなら中古で始めたら?
フィル・ミケルソンのロブに憧れて購入したマックダディ PMグラインド

ラウンドで使いこなすためにまず大切なのは、難しいことを極力しないこと。LWはフェースを大きく開かなくても十分に球が上がる。打ち込むよりも、ソールを滑らせるイメージで打つのがポイント。アプローチ練習場で遊ぶように使い倒してみるのもいいだろう。練習で60度を振り続けているうちに、いつのまにか56度や58度のウェッジが格段にやさしく感じられるという効果も期待できる。

筆者は初心者の頃、ゴルフ雑誌の連載マンガに出てきた“必殺のロブショット”をマスターすべく練習しまくり、無駄なリストワークを覚えて上達を遅らせてしまった。今も後悔しているが、ロブショットは得意になった。この際、LWにやさしさを求めることはやめ、究極のウェッジ使いを目指すという手もあるにはある…。(文・田島基晴)

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田島基晴 プロフィール

1963年生まれ。ゴルフギア好きが高じて、地元広島に中古ショップ「レプトン」のゴルフ部門を設立。現在は店舗で得たギア知識を活かし、ゴルフライターとして活躍。YouTube動画の企画編集やブログ執筆など活動は多岐にわたる。

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