“+1.5度”の恩恵を…ロフトで考えるフェアウェイウッド選び「4W」or「3HL」を中古でゲット
ドライバー(1W)などウッド系の低スピン化が進む近年、3番ウッド(3W)で球が上がらないという声が多い。では、5番ウッド(5W)という選択肢も出るが、飛距離を心もとなく思うゴルファーが少なくない。この連載でも何度か書いているが、注目されているのがその間の4番ウッド(4W)である。ロフト角はおよそ16.5度、かつて「バフィー」と呼ばれたクラブ。中古ショップで探してみよう。
改めておさらい「4W」、「3HL」のメリットとは
4Wの最大の利点は、3Wより球が上がりやすく飛距離も確保できるところにある。打ち出し角が3Wに比べて高く、比較的、曲がりにくい。地面からも、ティアップした状態でも使える万能性を備えており、アマチュアが扱いやすいフェアウェイウッドである。ただし、あくまで「3Wよりは打ちやすい」点を覚えていてほしい。
中古市場では4Wや3HL(3番ウッドのハイロフト)の流通量が非常に少ない。そもそも新品で16.5度前後のロフトをラインアップしているメーカーやモデルが限られているからだ。特に日本のブランドよりも、キャロウェイ、テーラーメイド、ピンなど海外メーカーの方が積極的に展開している。
そもそも4Wはやさしいモデルが多い
4Wがラインアップされているシリーズは“尖ったアスリートモデル”はほとんどなく、ミスに強いモデルが多い。自分の持ち球と、ヘッドの特性をかけ合わせて選びたい。
例えばキャロウェイのニュートラルな「パラダイム」シリーズには、ボールのつかまりが良い「パラダイムX」もある。装着されているシャフトのチェックも忘れずに。純正シャフトはクセのない特性のものが多いが、自分の好みのシャフトが入っていたらラッキー。重量は1Wよりも10gほど重いものが目安になる。
5Wほどはやさしくないし、3Wと同じくらい飛距離が出ることはない。欲張らず、ボールを上げようとせずに「ハーフトップでもいい!」くらいの気持ちで振り切るのがコツ。3Wのロフト“+1.5度”が効いて、自然と出球が高くなる。
16.5度のおススメモデル
最新モデルで比較的、発見しやすいのはピン「G440 MAX」(2025年)の17度モデル(4W)。2025年、ぶっちぎりで売れているフェアウェイウッドだ。タイトリスト「GT2」(2024年)も人気があり、16.5度も見つけやすい。どちらもミスに強く、ボールも上がりやすい。他のロフトバリーションも豊富。4万円台前半から見つかるだろう。
キャロウェイ「パラダイム」(2023年)、テーラーメイド「ステルス2」(2023年)の16.5度はどちらも3HLの表記。ニュートラルで扱いやすい。2万円台前半が相場だ。
低価格で探したいなら、本間ゴルフ「ツアーワールド TW747」(2018年)の3HL、住友ゴム工業(ダンロップ)の「ゼクシオ エイト」(2013年)の4Wなら1万円以下で見つかるだろう。
3Wで球が上がらない、5Wでは飛距離が物足りないと感じているゴルファーは、今こそロフトを見直す価値がある。実は筆者も4Wや3HLを何本も試した経験がある。トライ&エラーを繰り返し、素晴らしいフェアウェイウッドに出会ってほしい。(文・田島基晴)
田島基晴 プロフィール
1963年生まれ。ゴルフギア好きが高じて、地元広島に中古ショップ「レプトン」のゴルフ部門を設立。現在は店舗で得たギア知識を活かし、ゴルフライターとして活躍。YouTube動画の企画編集やブログ執筆など活動は多岐にわたる。