なりきりテーラーメイド“契約プロ” ギアマニアが中古で選んだ俺のテーラー14本は?
テーラーメイドと契約するタイガー・ウッズ、ロリー・マキロイ(北アイルランド)、スコッティ・シェフラーはいずれも世界トップクラスの実力を持つスターであり、クラブ選びにも妥協がない。彼らのクラブセッティングを中古で再現するとしたらどうなるのか。今回は「契約プロになったつもり」で、現実的かつ夢のある14本を選んでみた。
ドライバーは前作「Qi10」が人気
2025年に発売された最新モデル「Qi35」のドライバーを使用する契約プロはもちろん多いが、マキロイもシェフラーも「Qi10」でメジャーを制した。「前作のほうが良いのか?」と思う気持ちもわかるが、2人が使うのは、“バージョン2”と言われるプロトタイプで、ロフト表示の横にドットが印刷される特別モデルだ。
「Qi35」のスタンダードモデルは投影面積が「Qi35 MAX」とほぼ同じで、見た目の大きさに違和感を持つこともある。「Qi10 LS」と「Qi10 MAX」の中間のサイズ感はいまや稀有な存在になってしまった…。
それでも、Qi35は低スピンなのに安心感があるヘッドサイズであるとも言える。トミー・フリートウッド(イングランド)や契約外の申ジエ(韓国)も使用中。5万円台前半から見つかるが、ことしは例年に比べて価格の下がり幅が小さい。予算が乏しい場合、「M2」(2017年)等がコスパ抜群でオススメ。
名作ぞろいのフェアウェイウッド
テーラーメイドのフェアウェイウッドは名機がそろう。ウッズやコリン・モリカワが長年替えられないことで知られるのが「SIM」(2020年)。チタンボティ、ソールにタングステンが入った低重心モデル。ヘッドサイズが大きいのでティショットにも向く。価格も2万円台を切るようになってきた。
松山英樹も使った「SIM2」(2021年)や、「ステルス」(2022年)などもいまだに人気がある。マキロイ、シェフラーはフェアウェイウッドも「Qi10」(2024年)がエース。初速性能が高く、地面からでも強い球が打てるため、アマチュアにも扱いやすい。2万円台で見つかるだろう。フェアウェイウッドが苦手なゴルファーには「ステルスグローレ」(2023年)等が、ボールが上がりやすく使い勝手が良い。
アイアンはコンボセットをつくる
アイアンはツアー系の「P7」シリーズと、中空系の「P770」「P790」シリーズが両輪となっている。タイガー・ウッズの「P7TW」(2019年)やマキロイの「RORS PROTO」(2025年)といった限定発売のツアーモデルは憧れだ。どちらも中古ではレア。新品なら10月にオープンしたテーラーメイド フィッティングラボTOKYOで販売していたので手に入る可能性もある?
扱いやすさを考えると、モリカワが使うキャビティの「P7CB」(2024年)、永峰咲希の中空タイプ「P770」(2024年)などが現実的だろう。最近は契約プロも積極的にヘッドの形状の違うモデルをコンボセットにしている。テーラーメイドはアイアンも1本から購入できるようになった。いずれは中古でもオリジナルのセットが作れるようになるだろう。
ウェッジは好みの形状で
ウェッジは「ミルドグラインド(MG)」シリーズと、「HI-TOE」シリーズの2本柱。ここは筆者の愛するウッズのイニシャルが入ったMGシリーズを選びたい。MG3から限定店舗での販売となり、中古でも見かけるようになってきた。通常のMG3と価格差も小さい。1万円を切る価格で見つかるだろう。とはいえ、ウェッジはスコアづくりの要。誰が使っているかということよりも、好みのヘッドとソール形状で選ぶことをオススメする。
パターはスパイダーで決まり!
パターは何と言っても「スパイダー」シリーズ。ネオマレット形状の安定感、寛容性、操作性を絶妙なバランスで融合させている。ツアープロの信頼も厚い。ショートスラントのマキロイ、クランクのシェフラーといったように、ネック形状こそ違うが、2人とも「スパイダーツアーX」(2025年)を愛用。日本ではトラスパターのヒットにより、すべてのモデルをトラスネック化しているので、中古市場では少ないが、見つかれば3万円台が相場。
ちなみに米国ではトラスネックのパターは販売されていない。今人気のゼロトルクの「スパイダー ZT」(2025年)なども面白い存在だが、まだ中古では見かけることはほとんどない。
【結論】ギアマニアが中古テーラーメイドで選ぶ14本
筆者が同社のクラブを自由に選ぶのであれば、1Wは「Qi35バージョン2」(R&Aの適合リストで発見)。フェアウェイウッドは「Qi10」の3HL、「Qi35」の7Wに9W(日本未発売)にする。
アイアンは6、7番は「P8CB」、8番からPWは 「RORS PROTO」。ロフト50度のウェッジに「MG5」を入れ、56度と60度は「MG5 TW」。パターは「スパイダーツアーX」のクランクネックモデルがイイ。
ああ、妄想が止まらない。テーラーメイドの14本でバッグを埋めれば、気分はすでにPGAツアー。中古で組む「俺のツアーセッティング」、その第一歩を踏み出そう。(文・田島基晴)
田島基晴 プロフィール
1963年生まれ。ゴルフギア好きが高じて、地元広島に中古ショップ「レプトン」のゴルフ部門を設立。現在は店舗で得たギア知識を活かし、ゴルフライターとして活躍。YouTube動画の企画編集やブログ執筆など活動は多岐にわたる。