鍋谷太一プロが明かす「ヨネックス」と契約した“真の理由”
■「優勝してヨネックスファミリーでワチャワチャしたい」

今季はオーストラリアツアー、アジアツアー共催の「ニュージーランドオープン」(2月)で15位タイと好スタート。ただ、国内ツアー開幕後は思うような成績が残せていない。「ショットがいいとパットが悪いみたいな噛み合わないラウンドが続いていますけど、感覚的には悪くないですね。いつも春先良くなくて、そこが課題なんですけど、今年もその課題が継続しちゃったなって感じ。季節の変わり目で風が強く、回るんで、そこが手こずってる部分かなと思います」
決して調子が悪いわけではないだけに、不安を感じるどころか、今後に向けては前向きだ。「優勝してヨネックスファミリーの皆さんとワチャワチャしたいですね。狙っている試合ですか? ありますけど、口にしちゃうとできなさそうなんで、優勝できたらその時に『実は狙ってました』って言います」。自身のプレーにも、新たに手にしたクラブにも手応えを感じているのは間違いない。
■岩井姉妹のカラーに対抗する鍋谷カラーは?

契約プロとして今後、ヨネックスのクラブに期待することを尋ねると意外な答えが返ってきた。
「性能面はどんどん進化していくと思うんで、カッコいいクラブをつくってほしいというのが一番ですね。ヨネックスの方はすごくコミュニケーションを取ってくださるんですけど、ボクから最初に言ったのはクラウンの(芯の位置を示す)点を『yy』(ヨネックスのロゴ)のマークにしてほしいってことなんですよ。そのほうがメーカーの色が出るし、絶対カッコ良くなる。今後のモデルがそうなったら、『これはオレが言ったんやで』ってみんなに自慢しますよ(笑)」。すでに性能に絶大の信頼を置いているということだろう。

色といえば、同じくヨネックス契約選手の岩井姉妹は明愛プロがターコイズブルー、千怜プロがマゼンタとオリジナルカラーのドライバーを使用している。鍋谷カラーをつくるとしたら何色だろう?
「好きな色は白と紺なんですけど、ヘッドの色は全然思いつかないな…。まあ自分はトークで色を出していきますよ(笑)」。これからはプレーだけではなく、軽妙なトークにも注目しておいた方が良さそうだ。
「ヨネックスは男子の契約選手が少ないのも自分としては良かった。大勢の契約選手の中の一人ではなく、ヨネックス=鍋谷という感じになりたいなと思っています」。EZONE GTシリーズ、そしてファミリーとともに思い描いた通りの優勝シーンを実現させることができれば、多くのファンに“ヨネックスの鍋谷”を印象付けられるはずだ。

鍋谷太一(なべたに・たいち)
1996年6月19日生まれ。大阪府出身。ゴルフ練習場を経営していた父の影響で8歳からゴルフを始める。16歳でプロ転向を宣言。プロ11年目の2022年シーズンで初シードを獲得。23年「カシオワールドオープン」で初優勝を果たした。ツアー1勝。
撮影:沼田侑悟
協力:ヨネックス フィッティングスタジオ東京(東京都港区新橋1-4-5 FPGリンクス新橋ビル3階)