「シニアプロも手こずる戦略高き北陸の雄」小松カントリークラブ/ゴルフ場Gメンが行く#7

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さあ、北陸随一のトーナメントコースを徹底調査だっ!

全国に散らばるゴルフ場営業のスペシャリスト、通称「ゴルフ場Gメン」(GGM)たちによる新企画がスタート。全国各地のゴルフ場に潜入し、コース攻略のポイントやグリーンの特徴、ラウンドに必要なマル秘情報を徹底調査する。その詳細なレポートを、ラウンド前の予習に、もしくは予約のきっかけに役立てて欲しい。第7回は北陸の名門「小松カントリークラブ」(調査Gメン/サカイG)。

ティショットは広く見えるが、しかし…

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9番ホールのティショット。気持ちよく打てるが…罠がひそんでいる

こんちは~、中部地区担当のサカイGです。今回は北陸の小松空港にほど近い、小松カントリークラブを調査してきました。名前を聞いてピンと来た方も多いでしょう。そう、毎年プロシニア競技「コマツオープン」が行われる会場でもあります。18ホールいたるところにシニアプロのエピソードが詰まっているんですよ。

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小松空港に近いといっても、以前紹介した片山津GCとは違って日本海からは直線距離で約8km近く内陸に入ります。場所は丘陵地帯、背後には霊峰白山がそびえるなど、雄大な景色が広がっています。広大な土地に造成されたゴルフ場なので、コースは意外とフラット。上り下りの激しいホールはほぼありません。

セーフゾーンが広いためか、ティイングエリアでのプレッシャーはさほど感じません。ですが、ラフエリアが広い上にラフの密度・強度が強いため、入りどころによっては“1ペナ”確定。出すだけになることも多々ありました。

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5月の時点でラフは長め。そして抵抗が強くて手ごわい印象だった

調査時期は5月でしたが、すでに芝の密度が濃く、ひとたびラフに入るとめちゃくちゃ抵抗が強いのが印象的でした。それでも、一緒にラウンドをした営業企画部長の北芳光(きた・よしみつ)さんによると、「こんなのまだまだですよ」とのこと。10月のコマツオープンに向けてどんどんと伸ばしていくんでしょうね。ラフに入れない技術も求められそうです。

コマツオープンはことしで18回目を迎えます(10月2日~)。数々の歴史を作ってきた大会。クラブハウスには過去大会の“こぼれ話かわら版”が掲示されています。ラウンド後に、大会エピソードを振り返るのも一興ですよ。

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9番ホールは2オンを狙うかどうかの駆け引き

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9番ホール(トーナメントの18番)は数々のドラマが生まれる

さて、コースを見ていきましょうか。

総距離はそれほど長くはありません。4つあるパー5も短めなので、2オン可能なホールもあります。フェアウェイは広くてフラット。一見、スコアは出しやすそうですが、そうは問屋が卸しません。グリーン周りもハザードが効いていて、どちらか一方がトラブルになるように上手く造られているホールが多いです。

そんな特徴をまさに表したホールが9番パー5です。トーナメントではアウトインが入れ替わるので、コマツオープンでいう最終ホールになります。距離はフロントティで485yd。2打目の距離はだいたい200~250ydが残り、ライが良ければ2オンを狙っていく方は多いです。それでも、花道はフロントエッジまで70yd地点で終わり、グリーン手前には2つのガードバンカー、そしてデコボコとしたラフのエリアが広がっているので、グリーンを外すと容易でないアプローチが残ります。スコアを出させない罠が潜んでいるんです。

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9番ホール3打目地点。花道の先端からエッジまでは約70yd

「攻めるか守るか」

まさにそんな駆け引きが、試合で見られた年がありました。2012年のコマツオープン、最終日に尾崎直道プロと植田浩史プロが首位タイで並びホールアウト。この9番ホールを使用してのプレーオフに突入しました。果敢に2オンを狙う尾崎プロに対し、植田プロは花道先端のピンまで残り100yd地点にレイアップ。その両者の対照的な攻め方は今でも語り草。最終的にはプレーオフ3周目、尾崎プロが2オンに成功して。攻めた尾崎プロに軍配が上がりました(この話もかわら版に載っています)。

皆さんだったら、どっちの攻め方で行くげん?(げんは石川県で使われる終助詞。標準語の「~の」にあたる)

8番ホールはあのマークセンも2回OBした逸話

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8番ホールのバックティ裏からの見た目。やや右ドッグしている(左上図参照)

個人的に難しいと思ったのが、8番ホールパー4(433yd)です。このホールはそもそも距離が長い上に、比較的ティショットが狭い。コースがやや右ドッグレッグなので、右のギリギリを狙っていきたいところ。右の丘からドローボールを打っていけるかが攻略のカギになってきます。

さらに2打目もやっかいなんです。距離が180yd近く残るばかりか、グリーン左サイドのOBゾーンがせり出してきて、けっこう浅い。かといってグリーン右サイドもがっつり落ちていて、そこからのアプローチも簡単じゃない。つまりピンポイントでグリーンを狙っていかなきゃいけないわけです。2打目でOBする人も多いと聞きます。

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グリーン周りは左が浅く、右は広いがアプローチが難しい

このホールにもトーナメントのこぼれ話があります。2019年のコマツオープン。順調にスコアを伸ばしていた、プラヤド・マークセンプロ(タイ)が、この8番ホール(トーナメントの17番)を迎えました。ティショットを左にOB。そして打ち直し後、シャンクして再度OB。まさかの1ホール2OBで、このホールを「8」としました。2位と4打差あったので、誰もがマークセンプロの優勝を疑っていませんでしたが、結局優勝したのは、帰り支度をしていたというタワン・ウィラチャンプロ(タイ)でした。

百戦錬磨のマークセンプロがそれだけ手こずるんですから、我々がここをすんなりと抜けられるとは思いません。ほんと慎重な攻め方が必要ですよね。

最終18番ホールでショット力が試される

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18番ホールは池との戦いになる

もうひとつ印象に残ったホールがあります。それは18番のパー4(399yd)。やや右ドッグレッグしているホールです。

ティショットの狙い目はフェアウェイ右サイド。グリーン手前に大きな池がありますが、池までは280yd以上あるため、飛ばし屋以外は気にする必要はありません。ただし、ティショットが左サイドにいくと、2打目が池越えになってしまう。なるべく右サイドから攻めていきたいところ。ですが、右サイドの木の先は谷になって狭いので、なかなかそこを狙うのも勇気がいります。実際、私のティショットは左サイドに行ってしまい、残り130ydの難しい池越えが残りました(なんとかそこから2オンしてバーディとりました!)。

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名物の石灯籠。うまくパーオンできた人は、ゆったりと眺めてほしい

ちなみに池の中央には、兼六園にあるものを模した石灯篭があり、見た目にも楽しめます。ただ、その石灯籠を見ている余裕があるかどうか…。ティショットがうまいこといった人は、石ん灯籠ながめてってくれんけ?

サカイGメンの「これは伝えたい!」ゴルフ場のプチ情報

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14番ホールは左のガードバンカーが効いている

・10番ホールは、グリーンまで行ってティイングエリア方向を振り返ると絶好の白山ビュー(通称見返り美人)
・過去のエピソード。海外の富豪が来場することになり、移動手段にヘリコプターのリクエスト。急きょ、手続きを踏んで、臨時着陸許可が下りたのが練習場でした(飛来する方向に障害物がないことなど案外着陸許可が厳しかった)
・昼食の名物は「えび天おろしそば」

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一番人気の昼メニュー。越前そばを使用した「えび天おろしそば」

・グリーンは基本的にフラットで奇をてらうようなアンジュレーションはなし。逆にどちらに曲がるかメンバーさんでも間違えるようなラインがあり一筋縄ではいかない。刈り高でスピードを出す調整をしていて、コンプレッションは低め

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ガードバンカーからも一筋縄ではいかない
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9番のグリーン上から
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コマツオープンの雰囲気。毎年ギャラリーが大勢詰めかける
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VIPのロッカールーム
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18番のグリーン上。しびれるパーパット

さあ、プレーしてみたくなったかな?コース情報はこちらをCheck!

小松カントリークラブ

・18ホール パー72/6972yd(OUT・IN)/コースレート73.9
・設計者:清水建設㈱ 監修:新井規矩雄
・練習場15打席 250yd/リモコン乗用カート
・グリーン:1グリーン/ベント/平均スピード10ft*9~11月の晴天時
・フェアウェイ芝:コーライ ラフ芝:野芝
・バンカー数:66 池が絡むホール数:6
・アクセス:北陸自動車道 小松IC 9km
・住所:石川県小松市木場セ-1/TEL:0761-43-3550

GDO予約総合評価★★★★4.2

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