シャフトの“しなり”を活かす15cm タメは作るものでなく生まれるもの 鈴木真緒
「効率のいいシャフトのしならせ方を知らない人」をレスキュー♪
【アマチュアゴルファーNさんの悩み】
「飛距離を伸ばすには、よく“タメ”が必要と聞きます。シャフトをしならせてタメを作り、クラブに仕事をさせるべきだと思うのですが、どうすればできるのでしょうか?」
【鈴木真緒のレスキュー回答】
“タメ”を生むシャフトのしなりは、スイング中に作るのが理想です。スイングした結果、上体とクラブに時間差ができることでしなりが生まれ、大きな飛距離につながると思います。そんなズレを作るために私が意識しているのが、切り返し~ダウンスイングでの腕と手首の動かし方です。
1. タメは意識しない
ただし、いわゆる“タメ”=ダウンスイング時にクラブと腕の角度が鋭角になる現象は、結果的に自然と生まれるものであり、意図的に作るものではないと考えます。無理に作ろうとすると、手首の角度が毎回不安定になり、解放のタイミングもバラつきやすくなってしまうからです。タメは、切り返し以降に生じる上体とクラブの戻りの時間差によって自然に表れる動きであり、正しいリズムと順序の中で生まれるものです。
2.“15cm”ほど腕で引っ張り下ろす
では、どのように時間差を作るべきか――。タイミングとしては切り返しの直後、トップの手の位置から真下(地面)へ約15cmの間、腕の力でクラブを引き下ろす意識を持ちます。腕とクラブの関係は保ったまま、強引に引っ張り下ろしてくるイメージ。10cm以下ではコック(親指側に曲げた手首)を解くタイミングが早すぎてしまい、20cm以上では振り遅れにつながる。経験上、15cm前後が最も適度だと感じています。
3. 手首をしなやかに動かす
“15cm”以降では、ほんの一瞬ですが、ヘッドが戻ってくる感覚を“待つ”瞬間が訪れます。引っ張り下ろした反動で、シャフトが急速にしなり戻るのを感じながら“待つ”のです。ポイントは手首の使い方。静止して待つのではなく、手首を柔軟にしならせながら待つ。スナップを効かせるように“クイッ”と動かすことで、シャフトのしなり戻りを邪魔せずに、勢いを増したままインパクトへ導くことができます。
【今回のまとめ】ドラコン女王独自の“しなり”の新解釈
・タメは意識しない。
・15cmほど腕で引っ張り下ろす。
・手首をしなやかに動かす。
取材協力/ロイヤルスターゴルフクラブ
鈴木真緒(すずき・まお) プロフィール
1999年生まれ、東京都出身。小学生時代に習いごとのひとつとしてゴルフを始めるが、中学時代は陸上、高校~大学ではライフセービングに熱中。大学3年生のときに出場したドラコン大会をきっかけにゴルフを再開。趣味は映画鑑賞。ニックネームは、小学生のときに同名「まお」が3人いたことから「すずまお」に。