飛ばし屋は2回右に乗る!?「右→左→右→左」の体重移動 鈴木真緒
「効率のいい体重移動を知らない人」をレスキュー♪
【アマチュアゴルファーKさんの悩み】
「飛距離を伸ばすには、スイング中に効率よく体重移動する必要があると思いますが、ドラコンプロはどんな意識で振っていますか?」
【鈴木真緒のレスキュー回答】
“体重移動”といえば、バックスイングで右足に体重を乗せ、切り返し以降は左足へと移すイメージが一般的です。クラブの勢いを最大限に引き出すためにも、この体重移動は欠かせません。ですが、私の場合は少し異なる感覚を持っています。意識としては、インパクトにかけて左足に乗せたあと、もう一度右足に戻ってから再度左足へ──つまり「右→左→右→左」という順序。このイメージを持つことで、ヘッドスピードをより効率的に引き出せると考えています。
1. 右股関節を意識してバックスイング
バックスイングでは、しっかりと右足に体重を乗せます。ポイントは右足の付け根である「右股関節」。右股関節に体重を乗せ、ひざを左右に揺らすような無駄な動きを避け、上半身を回転していきます。注意点は、体の軸が股関節側に寄るだけで、股関節そのものが右方向へズレるわけではないこと。右にズレるとスウェーの現象が起こり、切り返し以降で左に戻しきれない原因となります。
2. 体重を右に戻しながらジャンプ!
切り返し以降では、左股関節に体の軸を移動させながら、力の配分を横ではなく縦方向(下から上)に爆発させます。左足に体重を一瞬乗せる=ジャンプのための準備という認識。左足寄りに移った重心が、もう一度右足に戻る瞬間に地面を両足で蹴り上げ、爆発力を生みます。体重移動が逆戻りすることで、体の勢いが前方(飛球方向)ではなく真上に昇華し、ジャンプするような感覚。地面を蹴り上げてインパクトを迎えます。
3. 左右移動に回転を加えてフィニッシュ
体重を右に戻しながら、地面反力を使ってジャンプした直後、フィニッシュに向けてしっかり上体を回転していきます。右に行きかけた体重を再度左に移動させつつ、しっかり骨盤を前方(飛球方向)に向ける。左右の移動を繰り返しながら、回転も同時に行う必要があります。
ボールを右から見続ける
スイング中に「右→左→右→左」なんて無理…、体重移動の意識がなかなか持てないという人には、ボールを右から見続けるだけでもOKです。左足に体重を乗せながら、ボールより頭を目標方向に出さない(ビハインド・ザ・ボールの)意識だけでも同様の効果が得られます。確実に上体が前方に突っ込まないことで、その場でしっかり立ち止まるからこそ、上方向にパワーを持っていけることになります。
【今回のまとめ】やや難度高めな思考法なので発想のヒントに!
・右股関節を意識してバックスイング。
・体重を右に戻しながらジャンプ!
・左右移動に回転を加えてフィニッシュ。
取材協力/ロイヤルスターゴルフクラブ