仲間のボールが当たりそうになったので拾い上げた…ダメ?/ルールQ&A
仲間のロングパットが勢いよく、自分のボールに当たりそうになった。急いでマークして拾い上げたが…ルール上どうなる?
グリーン上のあるあるルール
■1
同組プレーヤーがパットしたボールが動いている最中に、マークしてボールを拾い上げても問題ない。無罰。
■2
同組プレーヤーがパットしたボールが動いている最中に、マークしてボールを拾い上げる行為はルール違反。1罰打。
■3
同組プレーヤーがパットしたボールが動いている最中に、マークしてボールを拾い上げる行為はルール違反。2罰打。
だって当たりそうになったんだから仕方ないじゃん…って、そんなの通用しないのかな?
◇◇◇◇
正解は「1」
■1
同組プレーヤーがパットしたボールが動いている最中に、マークしてボールを拾い上げても問題ない。無罰。
【解説】
通常は、動いているボールに影響を及ぼすために故意に物を取り除いたり、物理的状態を変えることはできません。これが2019年のルール改正により、グリーン上に限り、パットしたボールが動いている最中でも、グリーン上に止まっているボール、プレーヤーの用具、抜かれた旗竿などに当たりそうになったとき、これらを動かしたり取り除いても罰が科せられなくなりました(規則11.3 例外)。
ただしボールの場合は、拾い上げるとき、マークしないと1罰打を受けるので注意しましょう(規則14.1a)。(ルール解説&イラスト/小山混)
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<ゴルフ規則>(抜粋)
規則11.3 動いている球に影響を及ぼすために故意に物を取り除いたり、または状態を変える。
球が動いている場合、プレーヤーはその球(プレーヤー自身の球か別のプレーヤーの球であるかにかかわらず)が止まる可能性のある場所に影響を及ぼす目的で、次のことを故意に行ってはならない:
・規則8.1aに規定されている行動をとることにより物理的状態を変える(例えば、ディボットを戻す、または盛り上がった芝の区域を押さえつける)。
・次のものを拾い上げる、または取り除く: ≫ ルースインペディメント(規則15.1a例外2参照)。 ≫ 動かせる障害物(規則15.2a例外2参照)。 その行動が球の止まる場所に影響を及ぼさなかったとしても、プレーヤーはその故意の行動をしたことに対して罰を受ける。
規則11.3 例外-旗竿、パッティンググリーンに止まっている球、プレーヤーの用具を動かすこと:この規則はプレーヤーが次のものを拾い上げたり、動かすことを禁止していない:
・取り除いた旗竿。
・パッティンググリーンに止まっている球(罰が適用となるかどうかは規則 9.4、規則9.5、規則14.1参照)。
・すべてのプレーヤーの用具(パッティンググリーン以外の場所に止まっている球やコース上のボールマーカーを除く)。
出典/(公財)日本ゴルフ協会発行2023ゴルフ規則より

小山混 プロフィール
イラストレーター、ゴルフルール研究家。東京生まれ。立教大学卒。新聞・雑誌・Webで複雑なゴルフルールをやさしく解説。ゴルフは鹿沼CCの月例競技会にエントリー。HDCPは17。著書に『はじめてのゴルフルール』『New! いちばんたのしいレクリエーションゲーム』(主婦の友社)、『英語とゴルフ一石二鳥』(ゴルフダイジェスト社)がある。