OB杭が邪魔なので抜いた…白杭はアリだっけ?/ルールQ&A
ボールがOBの白杭に寄り添って止まった。「確か杭がプレーの邪魔になるときは、抜いてプレー後に戻せば大丈夫だったはず」と、ひっこ抜いたところ仲間からクレームが。OB杭のルーリングは?
OB杭にまつわるルール
■1
OB杭は動かせる。抜いたり動かしても、プレー後に元に戻せば罰はない。
■2
OB杭は抜いたり動かせないが、プレー前に元に戻せば罰は免除される。
■3
OB杭は抜いたり動かせない。プレー前に元に戻しても違反で2罰打。
青杭とか赤杭は動かしていいよね。白杭はどうだったっけかな…?
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正解は「2」
旧ルールでは、OB杭は「固定物」で抜いたり動かすことはできず、たとえプレー前に元に戻しても違反で2罰打を受けました。
2019年の改正で、OB杭は定義上「境界物」に変わりましたが、以前と同様に抜いたり動かすことはできません。プレーの邪魔になるからと、抜いてプレーすると「意図するスタンス区域やライの改善」で2罰打を受けます。プレー前に違反に気づいて元どおりに戻せば、罰は免除されることになります(規則8.1c(1))。ただし、OB杭そのものや現状を大きく破損して元の状態に戻せなくなった場合は、プレー前に戻したとしても2罰打は消えないので注意しましょう。
ちなみに「杭」にはOB杭のほかに、修理地を示す青杭や、ペナルティエリアの黄杭・赤杭、グリーンまでの距離を示すヤーデージ杭などがあります。これらは「動かせる障害物」なので、プレーの障害になる場合は抜いたり動かしてもOK。プレー後に元に戻せば罰は科せられません。(ルール解説&イラスト/小山混)
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<ゴルフ規則>(抜粋)
規則8.1cー規則8.1a(1)や規則8.1a(2)に違反して改善した状態を復元することによって罰を免れる
規則8.1a(1)に違反して物を動かしたり、曲げたり、壊したりして、または規則8.1a(2)に違反して物を所定の位置に動かすことによってプレーヤーがストロークに影響を及ぼす状態を改善した場合:
・次のストロークを行う前にプレーヤーが次の(1)と(2)が認める方法で元の状態を復元することによって改善を無くした場合、罰はない。
・しかし、プレーヤーが規則8.1a(3)~(5)によって扱われている行動をとることによりストロークに影響を及ぼす状態を改善した場合、そのプレーヤーは元の状態に復元しても罰を免れることはできない。
(1) 物を動かす、曲げる、壊すことにより改善した状態を復元する方法。ストロークを行う前に、元の物を元の位置にほぼ同様に復元することによって違反により生じた改善をなくせば、プレーヤーは規則8.1a(1)の違反の罰を免れることができる。例えば:
・取り除いた境界物(例えば、境界杭)を元に戻すこと、または角度を変えるために押した境界物を元の位置に戻すこと。
しかし、次の場合、プレーヤーは罰を免れることはできない:
・改善がなくならない場合(例えば、境界物や枝を著しく曲げたり、壊したりしたので、元の位置に戻すことができない)。
・状態を復元しようとして元の物以外の何かを使用する場合。例えば:
・違う物や追加の物を使用する(例えば、境界杭を取り除いた穴に違う杭を入れる、または取り除いた枝を元の場所に結ぶ)。
(2) 物を移動することによって改善した状態を復元する方法。ストロークを行う前に、所定の位置に動かした物を元に戻すことによってプレーヤーは規則8.1a(2)の違反の罰を免れることができる。
規則15.2aー動かせる障害物からの救済
(1) 動かせる障害物の取り除き。罰なしに、プレーヤーはコース上やコース外のどこででも動かせる障害物を取り除くことができ、その方法は問わない。
しかし、次の2つの例外がある:例外1-球をティイングエリアからプレーするときにティマーカーを動かしてはならない(規則6.2b(4)と8.1a(1)参照)。
例外2-動いている球に影響を及ぼす動かせる障害物を故意に取り除くことに関する制限(規則11.3参照)。
プレーヤーの球が動かせる障害物を取り除いている間に動いた場合:
・罰はない。
・その球を元の箇所(分からない場合は推定しなければならない)(規則14.2参照)にリプレースしなければならない。
規則15.2に違反して誤所から球をプレーしたことに対する罰:規則14.7aに基づく一般の罰。
出典/(公財)日本ゴルフ協会発行2023ゴルフ規則より