修理地のボールを救済を受けずに打ちたい…これってアリ?/ルールQ&A
ボールが修理地の白線内に入った。ライがいいので救済なしでそのまま打とうとアドレスしたら、「修理地は芝の張り替え中だから救済を受けなければダメなのでは?」とクレーム。こんな場合は?
修理地に止まったボールの話
■1
修理地に入ったボールは救済が受けられるが、状況次第でそのままプレーでもよい。
■2
修理地を守るため、修理地に入ったボールは救済を受けなければならない。違反は1罰打。
■3
修理地を守るため、修理地に入ったボールは救済を受けなければならない。違反は2罰打。
うーん、これはどっちだったっけかなー?
◇◇◇◇
正解は「1」
■1
修理地に入ったボールは救済が受けられるが、状況次第でそのままプレーでもよい。
【解説】
修理地は「異常なコース状態」で、青杭や白線で表示され、ここに入ったボールは救済エリアにドロップすることで、罰なしで救済されます(規則16.1b)。ただし修理地の救済を受けるかどうかはその状況によってプレーヤーが選択することができます。
「そんなことは分かっているよ」と言う方も多いと思いますが、張り替え中の芝生や植栽区域を守るために、時期やホール番号を指定して、ローカルルールで修理地を「プレー禁止」にしているコースもあり(ローカルE-8)、それを知らずに修理地内でプレーすると一般の罰(2罰打)が科されます(規則16.1f)。
また、会員の意識が高いメンバーシップのコースでは、修理地に入ったら「必ず救済を受ける」が暗黙の了解という話も聞きます。
「プレー禁止」でなければペナルティは付きませんが、養生中の芝生と気づかないでプレーしちゃった、なんてことのないようにスタート前に掲示板をチェックするようにしましょう。(イラスト&ルール解説/小山混)
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<ゴルフ規則>(抜粋)
規則16ー異常なコース状態(動かせない障害物を含む)、危険な動物の状態、地面にくい込んだ球からの救済。
この規則は動物の穴、修理地、動かせない障害物、一時的な水による障害から認められる罰なしの救済を扱っている:
規則16.1ージェネラルエリアの球に対する救済
プレーヤーの球がジェネラルエリアにあり、コース上の異常なコース状態による障害がある場合、プレーヤーは、次の救済エリアに元の球か別の球をドロップすることによって罰なしの救済を受けることができる(規則14.3参照):
・基点: ジェネラルエリアの完全な救済のニヤレストポイント。
・基点から計測する救済エリアのサイズ: 1クラブレングス。しかし、次の制限がある:
・救済エリアの場所に関する制限:
・ジェネラルエリアでなければならない。
・基点よりホールに近づいてはならない。
・その異常なコース状態によるすべての障害からの完全な救済でなければならない。
規則16.1fー異常なコース状態の中のプレー禁止区域による障害から救済を受けなければならない
次の各状況では、球はあるがままにプレーしてはならない:
(1) 球がペナルティエリア以外のコース上のプレー禁止区域にある場合。
・ジェネラルエリアのプレー禁止区域。プレーヤーは、規則16.1b
に基づいて罰なしの救済を受けなければならない。
規則16.1に違反し誤所から球をプレーしたことに対する罰:規14.7aに基づく一般の罰。
出典/(公財)日本ゴルフ協会発行2023ゴルフ規則より

小山混 プロフィール
イラストレーター、ゴルフルール研究家。東京生まれ。立教大学卒。新聞・雑誌・Webで複雑なゴルフルールをやさしく解説。ゴルフは鹿沼CCの月例競技会にエントリー。HDCPは17。著書に『はじめてのゴルフルール』『New! いちばんたのしいレクリエーションゲーム』(主婦の友社)、『英語とゴルフ一石二鳥』(ゴルフダイジェスト社)がある。