ボールを指で押さえてレーキを取り除いた。コレいいの?/ルールQ&A
ボールは斜面を転がってバンカー方向に。行ってみるとバンカー横にあったレーキにぴったり寄り添っていた。レーキは動かせる障害物だが、取り除くとボールがバンカーに落ちてしまいそうだったので、ボールを指で軽く押さえてレーキを取り除いた。これ、何か問題ありますか?
動かせる障害物に関する問題
■1
レーキを取り除くとき、その方法は自由なのでボールを押さえても問題ない。無罰。
■2
レーキを取り除くときボールを押さえると、故意にボールに触れたことで1罰打。
■3
レーキを取り除くときボールを押さえると、(動くかもしれない)ボールの動きを止めたことになり2罰打。
レーキは動かして大丈夫でしょ?ならボールが落ちないように押さえるのはいいんじゃない?
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正解は「2」
■2
レーキを取り除くときボールを押さえると、故意にボールに触れたことで1罰打。
レーキは動かせる障害物です。動かせる障害物は取り除く際にボールが動いても罰はなく、ボールは元の位置にリプレースすればOKです(規則15.2a)。ですから、今回のケースはボールに触らずにレーキを取り除いて、その時にボールが動いたら無罰で元あった場所にリプレースする処置をすれば良かった。規則書には「動かせる障害物は罰なしでコース上のどこででも取り除くことができ、その方法は問わない」とありますが、ボールを指で押さえてレーキを取り除くことはできません。
今回のケースは、プレーヤーがストロークする前のインプレーのボールに故意に触れたことにより1罰打を受けます。ボールが動いた場合はリプレースします(規則9.4b)。「その方法は問わない」のはレーキ本体の取り除き方法であって、ボールに先に触れてはいけません。つまらない勘違いでペナルティを受けないよう気をつけましょう。(イラスト&ルール解説/小山混)
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<ゴルフ規則>(抜粋)
規則9.4bー球を拾い上げること、故意に球に触れること、球を動かす原因となったことに対する罰。
プレーヤーが止まっている自分の球を拾い上げたり、故意に触れたり、動かす原因となった場合、そのプレーヤーは1罰打を受ける。
しかし、5つの例外がある:
例外1-プレーヤーが球を拾い上げたり、動かすことが認められる:プレーヤーが次の規則に基づいて球を拾い上げたり、動かす原因となる場合、罰はない:
・球を拾い上げ、その後で元の箇所にリプレースすることを認めている規則。
・動かされた球を元の箇所にリプレースすることを要求する規則。
・プレーヤーに球を再びドロップやプレースする、または違う所からプレーすることを要求する、認めている規則。
例外4-規則を適用している間のパッティンググリーン以外の場所での偶然の動き:プレーヤーがパッティンググリーン以外の場所で次の合理的な行動をとっている間に偶然に球を動かす原因となった場合、罰はない:
・球の箇所をマークする、または球を拾い上げる、リプレースすることが認められているときにそうする(規則14.1と規則14.2参照)。
・動かせる障害物を取り除く(規則15.2参照)。
規則15.2aー動かせる障害物からの救済
(1) 動かせる障害物の取り除き。
罰なしに、プレーヤーはコース上やコース外のどこででも動かせる障害物を取り除くことができ、その方法は問わない。
しかし、次の2つの例外がある:
例外1-球をティイングエリアからプレーするときにティマーカーを動かしてはならない(規則6.2b(4)と8.1a(1)参照)。
例外2-動いている球に影響を及ぼす動かせる障害物を故意に取り除くことに関する制限(規則11.3参照)。
プレーヤーの球が動かせる障害物を取り除いている間に動いた場合:
・罰はない。
・その球を元の箇所(分からない場合は推定しなければならない)(規則14.2参照)にリプレースしなければならない。
出典/(公財)日本ゴルフ協会発行2023ゴルフ規則より