バンカー内でプレー前方の砂をならすのは…アリ?ナシ?/ルールQ&A

バンカー内でプレー前方の砂をならすのは…アリ?ナシ?/ルールQ&A

グリーンサイドのバンカーにボールが入った。ボールの数ヤード前方にある足跡が気になるのできれいにならした。これを見た仲間が「それ、プレーの線の改善では?」とクレームをつけたところ、「さっき君だってフェアウェイ横のバンカーでボールを打つ前に砂をならしていたじゃん?」と反論。バンカーの砂をならすルーリングの正解は?

バンカーの砂をならす際のルーリング

■1
バンカーの砂はいつでもならせる。ボールを打つ前に前方の砂をならしても罰はない。

■2
グリーンサイドのバンカーでは、ボールを打つ前に前方の砂をならすと1罰打。

■3
グリーンサイドのバンカーでは、ボールを打つ前に前方の砂をならすと2罰打。

バンカー内でプレー前方の砂をならすのは…アリ?ナシ?/ルールQ&A

そもそも打つ前に砂をならしちゃいけないんじゃないの?どうだったっけ?

◇◇◇◇

正解は「3」

グリーンサイドのバンカーとフェアウェイバンカー、それぞれバンカーの種類によってルールが違います。正確には「グリーンまでの距離」によって異なります。今回の設問である「グリーンサイド」のバンカー内からすぐ近くのグリーンを狙う場合は、プレー線上の足跡をならすと「プレーの線およびスイング区域の改善」で2罰打が科せられます(規則8.1a)。

ただし、ボールがバンカー内にあるときでもプレーに直接関係ないところなら「バンカーをきれいにする目的でプレー前にならしても問題ない」という規則もあります。(規則12.2b(2))。

一方、バンカー内のプレーの線上にある足跡をならしても「罰を受けない」ケースがあります。それは距離のある「フェアウェイバンカー」にボールが入ったとき。この場合、プレーヤーの狙いは150ヤード以上先のグリーンなので、ボールの数ヤード先の足跡をならしてもプレーに影響がなく「潜在的利益となる可能性が低い」とされ、砂に触れた罰は科せられません(規則8.1a/2)。

では、「中間の70ヤードはどうなの?」となりますが、バンカー内では基本的に砂に触れるのは禁止。砂の状態を知るために砂をテストしたとみなされると違反で2罰打を受けるので、プレー前は砂には触れない方が無難でしょう。(ルール解説&イラスト/小山混)

ーーーーーーーー
<ゴルフ規則>(抜粋)
規則8ーコースはあるがままにプレー
規則8.1ーストロークに影響を及ぼす状態を改善するプレーヤーの行動
「コースはあるがままにプレー」という原則を守るために、次の「ストロークに影響を及ぼす状態」(コース内外を問わず)は保護される。したがって、この規則はプレーヤーが行う次のストロークに対してその状態を改善することを制限している:
・止まっているそのプレーヤーの球のライ、
・そのプレーヤーの意図するスタンス区域、
・そのプレーヤーの意図するスイング区域、
・そのプレーヤーのプレーの線、
・そのプレーヤーが球をドロップまたはプレースすることになる救済エリア。
規則8.1aー認められていない行動
プレーヤーはストロークに影響を及ぼす状態が改善されてしまう場合には次の行動をとってはならない。ただし、規則8.1b、c、dで認められた限定的な方法を除く。
(3) 次のことを含め、地面を変える:
・ディボットをディボット跡に戻す。
・すでに戻されているディボット、またはすでに所定の位置にある他の切り芝を取り除いたり、押し付ける。
・穴、窪み、起伏のある面を作ったり、なくす。
(4) 砂やバラバラの土を取り除く、または押し付ける。
(5) 露、霜、水を取り除く。
規則8.1aの違反の罰:一般の罰。

規則12.2bーバンカーの砂に触れることに関する制限
(1) 砂に触れた結果、罰を受ける場合。バンカー内の球に対してストロークを行う前に、プレーヤーは次のことをしてはならない:
・砂の状態をテストしたり、次のストロークについての情報を得るために手、クラブ、レーキ、その他の物でそのバンカーの砂に故意に触れること。
・次のときにクラブでそのバンカーの砂に触れること:
・球の直前、直後の区域(ただし、球をフェアに捜すときに規則7.1aに基づいて認められる場合、または規則12.2aに基づいてルースインペディメントや動かせる障害物を取り除く場合を除く)に触れるとき。
・練習スイングを行うとき。
・ストロークのためにバックスイングを行うとき。

規則8.1a/2 潜在的な利益となる可能性が低い行動の例
ストロークに影響を及ぼす状態を改善しそうもない(つまり、プレーヤーに潜在的な利益を与える可能性が低い)行動の例は次の場合を含む:
・ジェネラルエリアから150ヤードのアプローチショットを行う前に、プレーヤーが自分の球の数ヤード前方のプレーの線上にあった小さなピッチマークを修理したり、バンカー内の足跡をならしたり、あるいはディボット跡にディボットを戻した。
・プレーヤーの球が縦に長くて浅いフェアウェイバンカーの真ん中にあり、その球の数ヤード前方のプレーの線上にあった足跡を長い距離のショットをプレーする前にならしたが、そのプレーヤーはそのならした区域を越えてプレーするつもりであった(規則12.2b(2)参照-砂に触れた結果、罰を受けない場合)。

出典/(公財)日本ゴルフ協会発行2023ゴルフ規則より

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小山混 プロフィール

イラストレーター、ゴルフルール研究家。東京生まれ。立教大学卒。新聞・雑誌・Webで複雑なゴルフルールをやさしく解説。ゴルフは鹿沼CCの月例競技会にエントリー。HDCPは17。著書に『はじめてのゴルフルール』『New! いちばんたのしいレクリエーションゲーム』(主婦の友社)、『英語とゴルフ一石二鳥』(ゴルフダイジェスト社)がある。

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