地面にわずかにつながっていたディボットを引きちぎってしまった/ルールQ&A
フェアウェイど真ん中へ行ったボールは、運悪くディボットホール(跡)へ。ホール横にはディボット(打った後はがれた芝)が残っていた。プレーの邪魔になるので、ディボットをルースインペディメントとして取り除いたところ、わずかに地面とつながっていたのを引きちぎってしまった。これって問題あり?
ディボットに関する問題
■1
わずかに地面とつながっていても、はがれたディボットはルースインペディメントなのでとり除いてもOK。無罰でそのままプレー。
■2
わずかでも地面とつながっていたディボットを引きちぎると1罰打。ディボットを元のようにディボットホールの横に置き戻してプレー。
■3
わずかでも地面とつながっていたディボットを引きちぎると2罰打。そのままプレー。
地面にくっついているとなるとダメじゃない?どうなんだっけ?
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正解は「3」
打った後はがれた芝の破片を「ディボット」、芝がはがされた地面の跡を「ディボットホール」または「ディボットマーク」といいます。ディボットが地面から完全に分離されている場合、それはルースインペディメント(=分離された自然物)となり、どこででも罰なしでとり除くことができます(定義)。
プレーヤーはディボットが分離しているかどうかを確認するために動かしてみることができ、それが地面に付着していることが分かった場合は、付着したままにしておかなければなりません(規則8.1b(11) )。このケースでは、一部でも地面とつながっていたのでディボットはルースインペディメントではなく、うっかり引きちぎるとストロークに影響を及ぼす状態の改善で2罰打が科せられます(規則8.1a)。
引きちぎってしまったディボットはすぐ元に戻しても罰は同じなので、プレー後にホール(跡)に戻し目土しておきましょう。(ルール解説&イラスト/小山混)
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<ゴルフ規則>(抜粋)
<定義>ルースインペディメント
分離した自然物。例えば:石、分離した草、葉、枝、小枝。
次のものは分離した自然物(つまりルースインペディメント)として扱わない:
・付着している、または生長している。
規則15.1b/ルースインペディメントはコース上やコース外のどこにあっても罰なしに自由な方法で取り除くことができる。
規則8.1aー認められていない行動
プレーヤーはストロークに影響を及ぼす状態が改善されてしまう場合には次の行動をとってはならない。ただし、規則8.1b、c、dで認められた限定的な方法を除く。
(1) 次の物を動かす、曲げる、壊す:
・生長または付着している自然物。
(3) 次のことを含め、地面を変える:
・ディボットをディボット跡に戻す。
・すでに戻されているディボット、またはすでに所定の位置にある他の切り芝を取り除いたり、押し付ける。
・穴、窪み、起伏のある面を作ったり、なくす。
規則8.1aの違反の罰:一般の罰。
規則8.1bー認められる行動
ストロークの準備をしているときや、ストロークを行っているときに、プレーヤーは次の行動をとることができる。そして、その結果として、たとえそのストロークに影響を及ぼす状態を改善したとしても罰はない:
(11) 自然物が分離しているかどうかを知るために動かす。
しかし、その物が生長または付着していることが分かった場合、付着しているままにしておかなければならず、できるだけ元の位置に戻さなければならない。
出典/(公財)日本ゴルフ協会発行2023ゴルフ規則より