間違ってレディスティからティショット。えっ、罰打つく?/ルールQ&A
バーディ奪取後、気分よく次のホールのティイングエリアに上がった。絶好調は続き、オナーで打った球はフェアウェイど真ん中へ。すると、同組プレーヤーが「そこはレディスティだよ」と一言。こんな時、ルール上どうなる?
今回はティイングエリアの問題
■1
間違ったティイングエリアでのストロークは無効で2罰打。改めて正しいティイングエリアから打ち直す。
■2
ティイングエリアを間違ってもインプレーではないので罰はない。改めて正しいティイングエリアから打ち直す。
■3
ティイングエリアを間違っても罰なし。同組プレーヤーも全員レディスティから打てば問題なし。
間違いやすいところに赤ティがあったんだから、仕方ないでしょ?えっ、ダメ?
◇◇◇◇
正解は「1」
■1
間違ったティイングエリアでのストロークは無効で2罰打。改めて正しいティイングエリアから打ち直す。
ホールはプレーヤーのレベルに合わせて距離や難易度に差がつけられています。それはティイングエリアの前方に2つあるティマーカーの色で表示されており、青色はプロや上級者用、白色は「フロントティまたはレギュラーティ」と呼ばれ一般男性用、赤色は「レッドティ」で一般女性用。他にも黒やシルバーなどがあります。白色からティオフ(スタート)したプレーヤーは18ホールすべて白色のティイングエリアからプレーするのが決まりで、途中で赤色や青色のティイングエリアに変えることはできません。
間違ったティイングエリアからプレーした場合はティ区域外からのプレーとなり、そのストロークは無効で2罰打が科せられ、改めて正しいティイングエリアから打ち直しとなります(規則6.1b)。
打ち直さないでそのままプレーを続け、次のホールでティショットを打つと失格になります。(ルール解説&イラスト/小山混)
【ゴルフ用語】最初に打つ人を「Honour=オナー」と呼ぶ。オナーは「栄誉ある人/名誉」という意味で、通常は、前ホールで一番スコアが少なかったプレーヤーが担う。Honour はイギリス英語の綴り。アメリカ英語ではHonor。
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<ゴルフ規則>(抜粋)
規則6.1a
ホールをスタートするとき
プレーヤーはホールを始めるためにストロークを行ったときにホールをスタートしたことになる。ストロークをティイングエリアの外から行ったり(規則6.1b参照)、ストロークが規則に基づいて取り消された場合であってもホールをスタートしたことになる。
規則6.1b
球はティイングエリアからプレーしなければならない
プレーヤーは規則6.2bに基づいてティイングエリアから球をプレーすることによって各ホールをスタートしなければならない。
ホールをスタートするプレーヤーがティイングエリアの外(同じホールや別のホールの異なるティイングエリアにある間違ったティマーカーからプレーした場合を含む)からプレーした場合:
(2) ストロークプレー。プレーヤーは一般の罰(2罰打)を受け、ティイングエリアから球をプレーすることによってその誤りを訂正しなければならない:
・ティイングエリアの外からプレーされた球はインプレーではない。
・そのストロークと、誤りを訂正する前に行ったストローク(行ったストロークと単にその球をプレーしたことに対する罰打を含む)はカウントしない。
・プレーヤーが別のホールを始めるためのストロークを行う前に、またはそのラウンドの最終ホールではそのプレーヤーのスコアカードを提出する前にその誤りを訂正しなかった場合、プレーヤーは失格となる。
出典/(公財)日本ゴルフ協会発行2023ゴルフ規則より
小山混 プロフィール
イラストレーター、ゴルフルール研究家。東京生まれ。立教大学卒。新聞・雑誌・Webで複雑なゴルフルールをやさしく解説。ゴルフは鹿沼CCの月例競技会にエントリー。HDCPは17。著書に『はじめてのゴルフルール』『New! いちばんたのしいレクリエーションゲーム』(主婦の友社)、『英語とゴルフ一石二鳥』(ゴルフダイジェスト社)がある。