木を揺すって落としたボールをそのまま打った…。この処置はアリ?/ルールQ&A

木をゆすって落としたボールをそのまま打った…。この処置はアリ?/ルールQ&A

ボールが木の上に乗ったが落ちてこない。高い位置の枝の間に見えたが、自分のボールかどうか確認できない。(1罰打でアンプレヤブルとして)木を揺すったらボールが落ちて転がった。確認すると自分のボールだったので、あるがままにプレーした。処置はあってる?

木の上に“なった”ボール その後の処置は?

■1
木を揺すって落ちて転がったボールをそのまま打っても無罰。アンプレヤブルのみの1罰打。

■2
木を揺すって落ちて転がったボールをそのまま打つと1罰打。アンプレヤブルを加えて計2罰打。

■3
木を揺すって落ちて転がったボールをそのまま打つと2罰打。アンプレヤブルを加えて計3罰打。

木をゆすって落としたボールをそのまま打った…。この処置はアリ?/ルールQ&A

通常、ボールを捜索中にうっかり動かしても罰なしでリプレースです(規則7.4/2)。

◇◇◇◇

正解は「3」

■3
木を揺すって落ちて転がったボールをそのまま打つと2罰打。アンプレヤブルを加えて計3罰打。

木の上のボールの捜索は、ボールが自分のものと確認できたときはアンプレヤブルでボールの真下地点からプレーできます。今回のようにボールが見えない場合、あるいはボールは見えるが、自分のボールかどうか確認できない場合は本来なら紛失球ですが、いずれも、捜索&確認のため、木を揺らしてボールを落としても、自分のボールだったときは、ボールを動かした罰は科せられず「アンプレヤブルの1罰打」のみを受けプレーすることができます。

プレー方法。木から落としたボールは元の高枝にリプレースできないので、ボールが落ちた真下地点を基点に、ホールに近づかない2クラブレングス以内の救済エリアにドロップしてプレーするのが正解です(規則19.2c)。

設問の、木を揺すって落下したボールが転がって止まった地点からプレーすると、誤所からのプレーで2罰打追加となり、計3罰打を受けますが、プレーは続行できます。

落ちてきたボールが自分のではなかったり、落ちてこなかったり、あるいは3分以内に見つからない場合は「紛失球」となり、前打地点に戻り、1罰打を受け、基点から1クラブ以内にドロップして打ち直し(規則18.2)。ローカルルールを採用している場合は、2罰打を受け、木の横のフェアウェイの2クラブ以内にドロップしてプレーできます(E-5)。(ルール解説&イラスト/小山混)

ーーーーーーーー
<ゴルフ規則>(抜粋)
規則19.1ープレーヤーは、ペナルティエリア以外のどこででも、アンプレヤブルの球の救済を受けることを決めることができる。
プレーヤーは、規則19.2や規則19.3に基づいて罰ありの救済を受けることにより自分の球をアンプレヤブルとして扱うことを決定できる唯一の人である。アンプレヤブルの球の救済は、ペナルティエリアを除き、コース上のどこででも認められる。

規則19.2
ジェネラルエリアやパッティンググリーンでのアンプレヤブルの球に対する救済の選択肢。
プレーヤーはいずれも1罰打となる規則 19.2a,b,cの3つの選択肢の1つを使用してアンプレヤブルの球の救済を受けることができる。
・元の球が見つからなかったり、確認できなかったとしても、プレーヤーは規則19.2aに基づいてストロークと距離の救済を受けることができる。
・しかし、規則19.2bに基づく後方線上の救済や、規則19.2cに基づくラテラル救済を受けるためには、プレーヤーは元の球の箇所を分かっていなければならない。
規則19.2aーストロークと距離の救済
プレーヤーは直前のストロークが行われた場所から元の球か別の球をプレーすることができる(規則14.6参照)。

規則19.2cーラテラル救済
プレーヤーは元の球か別の球をラテラル救済エリアにドロップすることができる(規則14.3参照):
・基点:元の球の箇所。しかし、球が地面より上にある場合(例えば、木の上)、基点はその球の箇所の真下の地面の地点となる。
・基点から計測する救済エリアのサイズ:2クラブレングス。しかし、次の制限がある:
・救済エリアの場所に関する制限:
・基点よりホールに近づいてはならない。
・どのコースエリアでもよい。しかし、
・基点から2クラブレングス以内にコースエリアが複数ある場合、その球は救済エリアにドロップしたときに最初に触れたのと同じコースエリアの救済エリアに止まらなければならない。
規則19.2に違反して誤所から球をプレーしたことに対する罰:
規則14.7aに基づく一般の罰。

出典/(公財)日本ゴルフ協会発行2023ゴルフ規則より

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小山混 プロフィール

イラストレーター、ゴルフルール研究家。東京生まれ。立教大学卒。新聞・雑誌・Webで複雑なゴルフルールをやさしく解説。ゴルフは鹿沼CCの月例競技会にエントリー。HDCPは17。著書に『はじめてのゴルフルール』『New! いちばんたのしいレクリエーションゲーム』(主婦の友社)、『英語とゴルフ一石二鳥』(ゴルフダイジェスト社)がある。

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