グリップエンドを胸につけたパターの素振りはアリ?本番はつけてないけど…/ルールQ&A

グリップを胸に当てたパターの素振りはアリ?/ルールQ&A

仲間が胸を支点にしてパットしているのを見て「胸にグリップを付けるアンカリングは禁止だよ」と言うと、「胸に当てているのは素振りだけで、本番のストロークでは胸から離して打っているよ」と。なんだか紛らわしいパッティングだが、これってルールではどうなの?

素振りと本番でアンカリングを使い分ける人の問題

■1
素振りでアンカリングしても本番で胸から離せば罰はない。

■2
素振りでアンカリングして、本番でわずかに胸から離しても見分けがつかないので1罰打を受ける。

■3
素振りでアンカリングして、本番でわずかに胸から離しても見分けがつかず紛らわしい行為で2罰打を受ける。

グリップを胸に当てたパターの素振りはアリ?/ルールQ&A

本番では固定していないんだから、いいでしょ?ダメ?

◇◇◇◇

正解は「1」

■1
素振りでアンカリングしても本番で胸から離せば罰はない。

ゴルフはクラブヘッドで正しくボールをストロークするゲーム。クラブやクラブを握っている手を体に直接固定したり、支点(アンカー)をつくって前腕を体に固定させてクラブを振る「アンカリング」は禁止されています。違反は2罰打(R10.1b)。

クラブを固定せず、手やグリップが体や衣服に触れている程度ならストロークとして問題ないとされ、設問のプレーヤーは違反にはなりません。が、スレスレの紛らわしい行為はお勧めできるものではありません。また、アンカリングの禁止は「ボールの打ち方」に関するもので、中・長尺パターの使用を制限するものではありません。

グリップを胸に当てたパターの素振りはアリ?/ルールQ&A

<アンカリングイラスト図解>
イラスト左、中尺や長尺パターのグリップエンドをお腹や胸部に当て、支点としてストロークをする打ち方がアンカリング。禁止の対象で2罰打。右イラストは「グリップを左前腕に密着させて打つ」ストロークで、こちらは問題ありません。(イラスト&ルール解説/小山混)

ーーーーーーーーー
<ゴルフ規則>(抜粋)
規則10.1b
クラブをアンカリング(固定)すること
ストロークを行う場合、プレーヤーはクラブを次のいずれかによりアンカリング(固定)してはならない:
・体のどこかにクラブやクラブを握っている手を固定させることにより行う直接的にアンカリングすること(ただし、プレーヤーがクラブやクラブを握っている手をどちらかの手や前腕に固定させることは認められる)。
・「アンカーポイント」を使用した間接的なアンカリング。クラブを握っている手を安定点(ここを安定点としてもう一方の手でクラブをスイングできる点)として使用するために前腕を自分の体のどこかに固定させることにより行う。

プレーヤーのクラブ、握っている手や前腕をストローク中に体に固定させているのではなく、単にプレーヤーの体や衣服に触れている場合、この規則の違反とはならない。
この規則に関して、「前腕」とは肘関節より下の腕の部分であり、手首を含む。
規則10.1に違反してストロークを行ったことに対する罰:一般の罰。ストロークプレーで、この規則に違反して行ったストロークはカウントし、プレーヤーは2罰打を受ける。

出典/(公財)日本ゴルフ協会発行2023ゴルフ規則より

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小山混 プロフィール

イラストレーター、ゴルフルール研究家。東京生まれ。立教大学卒。新聞・雑誌・Webで複雑なゴルフルールをやさしく解説。ゴルフは鹿沼CCの月例競技会にエントリー。HDCPは17。著書に『はじめてのゴルフルール』『New! いちばんたのしいレクリエーションゲーム』(主婦の友社)、『英語とゴルフ一石二鳥』(ゴルフダイジェスト社)がある。

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