「側屈減ターン増」マスターたちのスイング解析 /ホアキン・ニーマン【解説:目澤秀憲】

「側屈減ターン増」マスターたちのスイング解析 /ホアキン・ニーマン【解説:目澤秀憲】
側屈が減って左への回転が増えた(Jason Butler/Getty Images)

マスターたちによる祭典がいよいよ始まる。オーガスタを攻略してグリーンジャケットに袖を通すのは誰か。「マスターズ」優勝をサポートした経験を持つ目澤秀憲コーチが、優勝候補たちの最新スイングを分析・解説する。3回目は、チリのホアキン・ニーマン

ニーマンの代名詞「側屈」が減ってターンが鋭くなった

今は「LIVゴルフ」を主戦場としているホアキン・ニーマンも優勝候補だと思います。今年もLIVで2勝しており、本当に状態がいいです。「LIVゴルフ・香港」(3月)の練習ラウンドでも、パー35の9ホールを「27」で回っていて、いかにも「仕上がっている」という印象でした。

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「側屈減ターン増」マスターたちのスイング解析 /ホアキン・ニーマン【解説:目澤秀憲】
フェースローテーションは抑えめでも球はつかまる(Mark Brake/Getty Images)

スイングとしては、ダウンスイング時の右サイドの側屈が少なくなって、その分左サイドにターンする鋭さが増しました。以前はボールを右に出して「プッシュドロー」を打っていましたが、今は足元もクローズドスタンスにして、出球が左の「プルカット」を多用しています。左へのターンが大きいスイングは、フェースローテーションを抑えても球がつかまるので、ショートアイアンのコンタクト、方向性が良くなるという利点もあります。スタッツで見るとパッティングも好調なので、十分に勝つチャンスはありそうです。

ニーマンは、ミト・ペレイラ(チリ)やカルロス・オルティス(メキシコ)とコーチが同じで、今までは3人ともスイングが似ていると思っていましたが、最近になってニーマンだけ変わってきている感じがします。

ダウンスイングで右サイドの側屈が強いことのデメリットは、体が地面に近くなるので、単純に言ってダフりやすくなることです。それをボール位置と、体やプレーンの向きで調整するわけですが、その調整がぴったりはまらないとコンタクトが悪くなり、ドローの曲がり幅にも影響が出ます。ですが、側屈を減らして、左に振るスイングにすることで、これらの問題は解消されます。

また、ドローはインパクトゾーンでフェースを閉じていく動きなので、リリースとの兼ね合いが難しいという側面もあります。リリースが強すぎたり、タイミングが早すぎたりすると、フェースが返りすぎてしまうわけです。その点、フェースターンが少ないフェードなら、強くリリースしても球筋への影響が少ないので、思い切って振っていくことができます。

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「側屈減ターン増」マスターたちのスイング解析 /ホアキン・ニーマン【解説:目澤秀憲】
入射角がスティープになりスピンが入ってグリーンに止まる(Andy Cheung/Getty Image)

さらに、フェード方向のスイングだと、アプローチの入射角も自然にスティープになって、スピンが入りやすいという利点もあります。つまり、ひとつのスイング要素変更が、ドライバーにもアイアンにも、アプローチにもいい影響を与えているということになります。

LIVは予選落ちがなく、賞金額も高いですから、モチベーションを高く保つのが難しそうな感じがしますが、ニーマンの照準はそれでもきっちり「世界一」に向いているのがすごいと思います。スコッティ・シェフラーロリー・マキロイ(北アイルランド)と、オーガスタで優勝争いする姿を見たいですね。(取材・構成/服部謙二郎)

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