「強く、かっこよく、美しく…」試合も美容もメイクドラマ/柏原明日架のBeauty Interview(前編)
2014年のプロ転向以来、長らく女子ツアーの“美のアイコン”として存在感を発揮している柏原明日架。1打をめぐるバチバチな争いの中でも、いつも変わらないその凛とした佇まい、華のあるオーラは、男性ファンのみならず女性ファンをも惹きつけてやまない。そんな彼女が気になって仕方がない、編集部の紅一点、わたくし編集Kが独占インタビューを敢行。その美への追求、試合と美の棲み分け、隠されたメイクのこだわりなど、じっくり話を聞いてきた。
ラウンド時のメイクのポイントはズバリ…
――普段のメイクとゴルフ場でのメイクで何か違いはありますか?
圧倒的な違いは“濃さ”です。ゴルフ場ではメイクが薄く見えがちなのと、強く見せたい気持ちもあるので、リップを濃くしたりして普段のメイクと差をつけています。特に気合を入れたい時はマスカラやアイラインを濃くするとか。ただ、プライベートやファンの方との交流イベントでは、強く見えすぎることで壁ができないように、アイラインは控えます。シーンに合わせて自分をどう見せたいか、どう見てもらいたいかを重要視しています。
――メイクのお手本にしている人はいますか?
たくさんいます。最近はYouTubeでメイク動画を上げている方も多く、それらを参考にしています。私はパーツが濃くてはっきりした顔立ちなので、女優さんの中でも濃い目のメイクが似合う方や、顔立ちがしっかりした方を真似することが多いです。
――柏原プロと言えば美容に詳しいイメージがありますが、美意識が高くなったのはいつ頃ですか?
もともと美容が大好きで、化粧品やスキンケアに関することには昔から興味がありました。ただ、父がとても厳しくて、学生時代は髪を長くするのもNG。日焼け止めもほとんど塗らせてもらえない環境でした。そんな中でプロ入りし、シードを獲得したタイミング(2015年)で『もう自由にしていいよ』と解禁に。髪を伸ばし始め、本格的にメイクを学び始めました。
――お父様も認めてくれましたか?
『ちょっと濃すぎるぞ』っていまだにツッコまれますけどね(笑)。でもそんなことを言いながら、実は父も相当な美容オタクなんですよ。お気に入りの日焼け止めを私にオススメしてきたり、私もオススメしたりで。今ではすっかり情報共有し合う仲です。父は飲む日焼け止めなんかも飲んでいて、たぶん私の美容好きは父譲りですね。
――お母様も美容へのこだわりが強いタイプ?
私と真逆ですね。『日焼けしちゃった~』って言って、スキンケアを気にもしないタイプです。でも、母はすごくキレイなんですよ。私と父があれこれ研究しているのに、母は鏡もほとんど見ずにサッとメイクを終わらせちゃう(笑)。私が一方的に美容の知識を教えています。
――見られる仕事でありながら成績も求められる厳しい世界。そのあたりどのように両立していますか?
どちらかに偏りすぎるのは良くないと思っています。見られることを意識しすぎてプレーが疎かになってもダメだし、逆にプレーに集中するあまり身だしなみが疎かになるのも違う。それは、私にとっての一生のテーマだと思います。
日頃からお世話になっているデサントゴルフさんをはじめ、“プロゴルファー柏原明日架”というブランドとして、自分をどう見せたいか、どう見られたいかを常に意識しています。私は元々かっこいいメイクが好きなので、そのスタイルが自分の見られたい理想と自然にマッチしていると思っています。
――自分のスタイルを見つけるのは難しいということですか?
自分のスタイルをどう確立するかは難しいところだと思います。私は周囲のアドバイスがあったおかげで今の自分があると思っています。若い選手たちも、いろいろ試したり、周囲の意見を取り入れたりしながら、自分に合うスタイルを見つけていくのが大切かなと思います。何人か、私のところに相談しに来てくれる子もいますね。逆に私から一方的にアドバイスすることもありますよ(笑)。
――“プロゴルファー柏原明日架”のイメージを言語化すると?
一言でいうと『アスリート』ですね。強く、かっこよく、美しく。この3つを大切にしています。
――強く見せるために、ウェアの色で意識していることはありますか?
最終日や気合を入れたい日には黒を選びます。黒を着ると、(気持ちが)引き締まるんですよね。『かわいい』という印象とは違って、『強い』や『かっこいい』を連想させるカラー。自然と黒いウェアに手が伸びる自分がいます。
後編は、彼女が愛用する化粧品を紹介したい。(編集部・仮屋美遊)
写真/有原裕晶